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組織の3要素〜企業が組織として存続する上で必要な3つの要素とは?〜

組織の3要素

突然ですが、組織が継続していく上で満たすべき要素は一体何だと思いますか?

企業や学校など、世の中には組織と呼ばれるものがたくさん存在します。

何十年と継続する組織もあれば、一年も経たずに崩壊してしまう組織も見られます。

企業を経営する上では、より長期的に組織を存続させたいと考えるのが一般的だと思います。

そんな組織の存続に役立つ考え方に、「組織の3要素(バーナードの組織論)」というものがあります。

「組織の3要素」とは、アメリカの経営学者兼社長であったバーナード氏が提唱したものであり、組織が満たすべき3つの要素を指します。

この記事では、組織の3要素についてわかりやすく解説しようと思います。 

  • 会社が存続し続ける上で不可欠な「組織の3要素」とは
  • 組織の3要素の概要と具体例
    • 共通目的の概要と具体例
    • 貢献意欲の概要と具体例
    • コミュニケーションの概要と具体例
  • 組織の3要素【バーナードの組織論】のまとめ

会社が存続し続ける上で不可欠な「組織の3要素」とは

組織の3要素とは、アメリカの経営学者・電話会社の経営者であったチェスター・バーナードが提唱した理論です。

バーナードは、企業などの組織が成立する上で満たすべき要素として、以下の3つを挙げました。

  • 共通目的
  • 貢献意欲
  • コミュニケーション

そのとき置かれている状況に応じて、組織の3要素をバランスよく結合することが企業経営には重要です。

組織の3要素を適切に維持・調整することは、経営者や管理職の方が担う重要な役割といえます。

「共通目的」、「貢献意欲」、「コミュニケーション」が重要と言われても、それだけで納得できる方は中々いないと思います。

次の章では、組織の3要素それぞれについて、具体例を用いつつ解説していきます。

組織の3要素の概要と具体例

企業が存続する上で不可欠な「組織の3要素」とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

この章では、組織の3要素について詳しく解説します。

共通目的の概要と具体例

共通目的とは、経営理念や経営ビジョンなどの企業全体で目指す目的を意味します。

共通目的の具体例としては、「上場する」とか「新しい技術を世界に広める」といったものがあります。

こうした共通目的がなければ、各従業員が別々の方向を向いて仕事を進めることになります。その結果各メンバーが個人主義に走り、組織としての強みを発揮できなくなります。

企業組織が存続し続けるには、明確な共通目的が存在し、それが組織の各メンバーに理解されている必要があります。

貢献意欲の概要と具体例

貢献意欲(協働意欲)とは、組織(企業)や各メンバーのために貢献しようとする意思を指します。意味合い的にはモチベーションと似ています。

新規事業や部門横断的なプロジェクトを成功させるには、各メンバーの協力が不可欠です。

メンバー間に貢献意欲がなければ、どれほど個々の能力が高くてもそれが有機的に結びつかないため、新規事業やプロジェクトが成功しなくなります。

企業経営の成功にとって、各メンバーが貢献意欲を持つことは非常に重要となります。

では、どうしたら貢献意欲を高めることができるのでしょうか?

貢献意欲は、「自身が提供する貢献以上に、組織(企業)が提供する誘因が大きい」と従業員が認識した場合に高まると言われています。

誘因とは、給料やボーナス、昇進などの見返りを意味します。

つまり貢献意欲を高めるには、従業員の頑張りに相当するか、もしくはそれ以上の給料や昇進といった見返りを与える必要があります。

「うちの従業員はモチベーションや貢献意欲が低い」と愚痴を漏らす経営者もいますが、メリットがないのに貢献する人なんか存在しません。従業員の貢献意欲を高めたいのであれば、それ相応の見返りを与える必要があるのです。

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コミュニケーションの概要と具体例

コミュニケーションとは、文字通り「意思の伝達や伝達の経路」を意味します。

企業におけるコミュニケーションの具体例としては、主に下記があります。

  • 上から下へのコミュニケーション(指揮命令、業績のフィードバックなど)
  • 下から上へのコミュニケーション(報告や連絡、提案、相談など)
  • メンバー間のコミュニケーション(ミーティング、普段の業務連絡など)

コミュニケーションが円滑に行われていないと、事業の遂行にも支障をきたします。また、働きづらい険悪な雰囲気となるため、従業員のモチベーション低下なども招きます。

コミュニケーションの流れを活発かつ円滑にすることが企業経営には欠かせません。

組織の3要素【バーナードの組織論】のまとめ

この記事では、バーナードが提唱した組織の3要素(バーナードの組織論)について、具体例を交えつつ解説しました。

今回見てきたように、組織の成立には「組織の3要素(共通目的・貢献意欲・コミュニケーション)」が欠かせません。

経営者の方や管理職の方は、組織の3要素を意識した上で事業を運営してはいかがでしょうか?

そうすれば、新規事業やプロジェクトがより一層うまくいくかもしれません。 

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精緻化見込みモデル〜顧客は論理と感情どちらを優先するのか?〜

精緻化見込みモデル

突然ですが、お客さんはどのようにして最終的に商品やサービスの購買決定を行うと思いますか?

経済学的には、製品・サービスの利用で得られるメリットが、購入に支払う費用を上回れば購買に至ると言われています。

しかし現実的には、必ずしも顧客は合理的に購買の意思決定を行うとは限りません。

状況次第では、感情的に購買の意思決定を行うケースもあります。

消費者によって意思決定のプロセスが異なることを意識しないと、間違った売り込み方により機会損失を招く恐れがあります。

購買の意思決定プロセスを的確に示す理論に「精緻化見込みモデル」というものがあります。

精緻化見込みモデルを理解できれば、一人一人に適したマーケティング施策(売り込み方法)を見いだすことができます。

そこで今回は、精緻化見込みモデルの意味や具体例、マーケティングでの活かし方をお伝えします。

  • 精緻化見込みモデルとは?事例を使って解説!
  • 「中心ルート」と「周辺ルート」を決定する要因と具体例
    • 中心ルートと周辺ルートのどちらを辿るかを決める要因
    • 精緻化見込みモデルにおける「中心ルート」の具体例
    • 精緻化見込みモデルにおける「周辺ルート」の具体例
  • 精緻化見込みモデルをマーケティングに応用しよう!
    • 中心ルートで判断する消費者へのマーケティング施策
    • 周辺ルートで判断する消費者へのマーケティング施策
  • 精緻化見込みモデルのまとめ

精緻化見込みモデルとは?事例を使って解説!

精緻化見込みモデルとは、消費者の購買行動は「論理的な判断」と「感情的な判断」により実行されるとするモデルです。

論理的な判断で購買決定する心理過程は「中心ルート」、感情的な判断で購買決定する心理過程は「周辺ルート」といいます。

精緻化見込みモデルは、1980年代にアメリカの心理学者ペティ氏と社会神経科学者のジョン氏が提唱した理論です。

商品に対する消費者の意識により、適切な売り込み方(マーケティング施策)は変わってきます。論理的な判断により購買を決定する人もいれば、感情的な判断により商品を購入する者もいます。

精緻化見込みモデルの活用により、消費者にとって最適なマーケティングを行えるようになります。

そのため小売店からBtoBの商談に至るまで、あらゆる場面で精緻化見込みモデルの考え方は応用できるでしょう。

「中心ルート」と「周辺ルート」を決定する要因と具体例

顧客が商品に対して持つ意識によって、中心ルートと周辺ルートのどちらで購買の意思決定を行うかは異なります。

この章では、精緻化見込みモデルに基づいた購買判断の決定要因とその具体例を分かりやすくご紹介します。

中心ルートと周辺ルートのどちらを辿るかを決める要因

商品に対して高い関与や知識を持つ消費者は中心ルート、関与や知識の度合いが小さい人は周辺ルートにより購買の意思決定を行います。

分かりやすく言うと、製品に対して興味やこだわりを持っていたり、深い知識や使用経験を持っている顧客は、論理的に購入するかどうかを考えます。

一方で、あまり興味やこだわりを持っておらず、知識や経験もない消費者は、感情的にその時の気分やノリで購入を決定します。

精緻化見込みモデルにおける「中心ルート」の具体例

中心ルートで購入される商品の具体例としては、車や不動産といった高級で一生モノの商品が該当します。

不動産などの高級で今後の人生を左右する商品に対しては、多くの人が強いこだわりや知識を持っています。

ですので値段や品質、付随するサービス内容、安全性など、あらゆる要素を比較検討して慎重に購買の意思決定を行う人が多いです。

一方で値段が高く失敗した時のリスクが大きいため、その場の気分やノリなどの感情で購入するお客さんはほとんどいません。

また高級で一生モノの商品はもちろん、その人自身がこだわりを持つ製品やサービスも中心ルートで購買決定が行われます。

例えばパソコンは使えれば良いと考える人は、口コミなどを参考に何となく購入します。一方でパソコンにこだわりのある人は、OSやCPUなどの技術的な情報を参考にして、論理的に購買を決定します。

精緻化見込みモデルにおける「周辺ルート」の具体例

周辺ルートで購入される商品の具体例としては、お菓子や飲料水などの日用品、こだわりや知識を持たない商品が該当するでしょう。

一部の人を除いて、多くの人はお菓子や飲料水を飲み食いするものと認識しており、味や見た目に強いこだわりを持っていないでしょう。加えて、原材料や製造場所などについての知識も持たない消費者が大半です。

そのため中心ルートによる慎重な検討ではなく、感情的な判断が行われます。

例えば飲料水を購入する際、いちいち原材料を調べたりしませんよね?

こだわりも知識もない商品は、周りの意見や広告のキャッチコピーを参考にしつつ、最終的には合理的な根拠なしに購入することになります。

精緻化見込みモデルをマーケティングに応用しよう!

精緻化見込みモデルを応用すれば、マーケティングの効果を高めることができます。

どうすれば良いかというと、消費者の関与や知識の度合いに応じて、中心ルートに向けたマーケティングと周辺ルートに向けたマーケティングを使い分ける必要があります。

具体的には、こだわりと知識の度合いが高い相手には中心ルート、こだわりや知識の度合いが低い相手には周辺ルートを重視したマーケティング施策が有効です。

この章では精緻化見込みモデルの理論をもとに、中心ルートに向けたマーケティングと周辺ルートに向けたマーケティングについて、それぞれ具体的なやり方をお伝えします。

中心ルートで判断する消費者へのマーケティング施策

商品に対して強いこだわりや豊富な知識を持つ(中心ルートで意思決定を行う)相手に対しては、客観的な事実や統計的なデータなどを伝えるのが有効です。

例えば家を購入する際は、利便性や間取りなど、変えようがない事実を重視して意思決定を行うと思います。一方で、口コミやオシャレさだけで、何千万円もの買い物をしようとは思わないでしょう。

中心ルートをたどる消費者は、その商品やサービスの購入を真剣に考えています。

ですので、オシャレさや周囲の口コミなどを聞いても購買には至りません。

デメリットや性能など、変えようがない事実やマイナス面も伝えることで、購買に前向きになってもらえます。

周辺ルートで判断する消費者へのマーケティング施策

製品に対して知識やこだわりをあまり持たない相手(周辺ルートで意思決定を行う)消費者に対しては、口コミやオシャレさなどを伝えて、感情的にその商品を良いと思ってもらうことが効果的です。

もしくは、実際に商品を使用してもらったり、サービスを体験してもらう施策も有効でしょう。

例えば会社や学校に強制され、仕方なく購入するもの(パソコンやスーツなど)で考えてみましょう。

特にこだわりもなく詳しい性能などは分からないので、友達や同僚の口コミや、見た目のオシャレさなどを基準に意思決定を行うと思います。スーツの材質やパソコンの性能を淡々と説明されても、購入しようとは思わないでしょう。

製品に対して興味や知識がない相手には、周囲の評判やオシャレさなどを訴えて、直感的に良いと思わせる必要があるのです。

精緻化見込みモデルのまとめ

今回の記事では、精緻化見込みモデルを解説しました。

精緻化見込みモデルで重要なのは、論理的な理由で購入するお客さんもいれば、感情的に購入を決定するお客さんもいるということです。

お客さんが商品に対して持つこだわりや知識の度合いに応じて、マーケティングの方法を選ぶと、より売上を増やせるでしょう。

精緻化見込みモデルを使って、ぜひ適切なマーケティング施策を考えてみてください! 

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ガントチャートのとってもカンタンな作り方【エクセルで簡単3ステップ!】

ガントチャートの作り方

ToDoリストの機能と進捗管理を兼ね備えたガントチャートは、経営管理や日々の仕事など、ビジネスの多様な場面で活用することができます。

ガントチャートを作成する際には、エクセル(Excel)というツールを活用するのが一般的です。

ですが本格的にガントチャートを作るとなると、ある程度エクセルを使いこなせる必要があります。

慣れていれば大して難しくないのですが、Excelを使ったことがない方にとっては若干作り方を理解するのに苦労すると思います。

そこで今回は、エクセル(Excel)を使ったことがほぼない方でもカンタンにガントチャートを完成できる作り方をご紹介します。 

  • ステップ1:あらかじめ必要な要素を洗い出す
  • ステップ2:タスクの名前を縦軸、日付を横軸にそれぞれ記入
  • ステップ3:各タスクを行う日を塗りつぶす
  • ステップ4:枠線を加えて見やすくする
  • ガントチャートの作り方まとめ

ステップ1:あらかじめ必要な要素を洗い出す

まず初めに、ガントチャートを作る上で最低限必要な要素を洗い出しておきます。

ガントチャートを作る際に必要となる情報は下記になります。

  • タスク(プロジェクト)名
  • 作業の開始日
  • 作業に必要な日数
  • 作業の終了日

以下の写真のように、各タスクについて開始日や作業日数、終了日を表でまとめておくと把握しやすくなります。

タスク表

これまでの経験などを基に、十分実現可能な工程を立てましょう。 

ステップ2:タスクの名前を縦軸、日付を横軸にそれぞれ記入

情報を準備したら、実際にエクセルを使ってガントチャートを作成していきます。

ガントチャートを作成するに際しては、下記写真のようにタスク(プロジェクト)名を縦軸に、日付を横軸にそれぞれ記入します。

ガントチャートを見やすくするために、「タスク名」という文言と「日付」については色を変えておくのがオススメです。

ステップ2

ステップ3:各タスクを行う日を塗りつぶす

次のステップでは、各タスクごとに作業を行う日付を他の色で塗りつぶします。

例えばA作業を8月1日から4日までの4日間で行う場合は、下記のようにA作業の列の8/1~8/4までの部分を水色(好きな色で構いません)で塗りつぶします。

ステップ3

ステップ4:枠線を加えて見やすくする

前ステップの写真を見てみると、各作業の色が重なっていて若干見にくいと思います。

そこで塗りつぶした作業工程を外枠で囲むと、各作業をどのくらいの間で行うかが分かりやすくなります。

枠線については、色を塗りつぶすところの隣(画像上部の「外枠」となっている箇所)で設定できます。

ステップ3

エクセルを使ったガントチャートのカンタンな作り方は以上で終わりです。

お伝えしたように、セルの塗りつぶしや日付の入力といった簡単な作業だけでも、ガントチャートを作ることができます。

ただしより見た目の良いガントチャートを作るとなると、棒グラフなどの機能を活用する必要があるので注意してください。

ガントチャートの作り方まとめ

今回は、エクセルを使った簡単なガントチャートの作り方をご紹介しました。

ガントチャートの作成については、専門的なツールを使ったり難しい作り方を覚えなくてはいけないと思われがちです。

しかし最低限の情報さえ揃っていれば、簡単な作り方でもガントチャートを作成できます。

まずはガントチャートをお試しで使ってみたいとお考えの方は、ぜひ今回お伝えした作り方でガントチャートを作成してみてください!

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バラエティ・シーキングとは?バラエティ・シーキング型商品のマーケティングを徹底解説!

バラエティ・シーキング

商品の特性によって、適したマーケティングの方法は異なります。

特に「バラエティ・シーキング」が行われやすい商品の場合には、通常とは異なるマーケティングが必要なので注意が必要です。

今回の記事では、そんなバラエティ・シーキングの意味や具体例、マーケティングでの活用法をお伝えします。

アイスクリームや飲料水など、安くて頻繁に購入される商品を販売したいと考えている方に必見の内容です!

  • バラエティ・シーキングとは
    • バラエティ・シーキングの意味
    • バラエティ・シーキングが生じやすい状況
  • バラエティ・シーキングされやすい商品の具体例
  • バラエティ・シーキング型商品のマーケティングはどう行えば良いか?
    • バラエティ・シーキング型の商品は、どのような理由から購入されるか?
    • バラエティ・シーキング型の商品を上手に販売する方法
  • バラエティ・シーキングのまとめ

バラエティ・シーキングとは

まず初めに、バラエティ・シーキングの概要を簡単にご説明します。

バラエティ・シーキングの意味

バラエティ・シーキングとは、購入するブランドを抵抗なくスイッチする(変える)消費者の行動、もしくは特定のブランドにこだわらず様々なブランドを買おうとする消費者の購買特性を意味します。

バラエティ・シーキングという概念は、アメリカの消費者行動の研究者アサエル氏によって提唱されました。

バラエティ・シーキングを行う消費者やバラエティ・シーキングが行われやすい商品は、バラエティ・シーキング型の消費者(商品)と呼ばれます。

バラエティ・シーキングが生じやすい状況

アサエル氏は、バラエティー・シーキングが生じやすい状況(商品)として以下の特徴を挙げています。

  • 反復的に購買される
  • 商品に対するこだわり(関与)が低い
  • ブランドによって品質に違いがあると消費者に認識されている

上記の特徴に該当する商品では、バラエティ・シーキングが発生しやすいとされています。

ただし100%当てはまるという訳ではなく、強いこだわりを持つ商品カテゴリーに対してもバラエティ・シーキングを行う消費者も存在します。 

バラエティ・シーキングされやすい商品の具体例

「反復的に購買されて、商品に対してこだわりを持たれにくく、ブランド間の差異が大きい商品」ほど、バラエティ・シーキング型の購買行動を取られやすいと前述しました。

では、この条件に該当する商品には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

結論を述べると、ペット飲料やお菓子など、低価格で日用的に購入される消費財がバラエティ・シーキングの条件を満たしています。

例えばアイスクリームは、非常に低価格で子供から大人までの幅広い消費者に頻繁に購入されます。

また味や食感もブランドによって多様であり、多くの人がブランド間の違いを認識しています。

加えて、「このブランドのアイスじゃないとダメだ!」とこだわりを持つ人は少なく、むしろ暑いから食べるといった感情で、ブランドを意識せず購買するケースが多いです。

上記の通りアイスクリームはバラエティ・シーキングの条件を満たすため、消費者は頻繁に購入するブランドを変更する傾向があります。

バラエティ・シーキング型商品のマーケティングはどう行えば良いか?

最後に、バラエティ・シーキング型商品のマーケティングを行うポイントを解説します。

バラエティ・シーキング型の商品は、どのような理由から購入されるか?

バラエティ・シーキング型商品のマーケティングを成功させるには、商品がどのような理由で購入されるかを知っておく必要があります。

前述通りバラエティ・シーキング型の商品は、こだわりを持たれていない上に、低価格なので購入に失敗した際のリスクが小さいです。

そのため消費者は、その日の気分や商品の目新しさ、希少性といった要因によりどのブランドを購入するかを決定します。

つまりバラエティ・シーキング型商品は、確固たる根拠なしに、感情的な理由で購入される訳です。

バラエティ・シーキング型の商品を上手に販売する方法

感情的に購入されるバラエティ・シーキング型の商品は、どのように販売すれば良いでしょうか?

結論を言うと、目新しさや希少性などをアピールして、購買意欲を掻き立てる施策が有効です。

具体的には、新商品を頻繁に発売したり、期間限定の商品、味はそのままでパッケージを目立たせるといった施策です。

このような施策を行えば、自社ブランドの商品を購入してもらえる可能性を高めることができます。

また自社の商品間でスイッチしてもらえれば、他社ブランドに顧客を取られることを阻止できる可能性もあります。 

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バラエティ・シーキングのまとめ

今回の記事では、バラエティ・シーキングの意味や具体例、マーケティングの方法をお伝えしました。

バラエティ・シーキング型商品のマーケティングは、 自社ブランドに強い愛着を持つファンを獲得しにくい点で難易度が高いです。

ですが然るべき対策を施せば、バラエティ・シーキング型商品の販売でも十分な利益を得られる可能性はあります。

今後バラエティ・シーキング型商品を販売したいと考えている方は、今回お伝えしたマーケティングのポイントをぜひ参考にしてくれると嬉しいです! 

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非上場を敢えて選ぶメリット5選!〜DMMやサントリーはなぜ上場しないのか?〜

非上場のメリット

多くの起業家は、株式市場への上場を目指して会社経営を行います。

上場すれば経営陣は多くの利益を得られます。また、社会的な信用力が高くなることで、資金調達を行いやすくなる点もメリットです。

上記のように上場には多くのメリットがあるため、名の知れた大企業は大半の場合上場しています。

しかし一方で、DMMやサントリーなど一部の大手企業は、上場できるにも関わらず敢えて非上場のままでいます。

上場によるメリットは大きいにも関わらず、なぜ一部の大手企業は非上場の道を選んでいるのでしょうか?

結論から述べると、非上場の会社は上場企業では得られない独自のメリットを得られるためです。

非上場の会社が得られるメリットは数多くありますが、今回は特に重要な下記5つのメリットを解説します。

  1. 自由かつスムーズに経営できる
  2. 長期的な目線で経営を行える
  3. 敵対的買収のリスクがない
  4. 利益の全てを享受できる
  5. 上場に費やすコストや手間を削減できる

上記に挙げたメリットがあるので、非上場のまま経営を続けるのも一つの選択肢としてアリだと思います。

今現在会社経営をしている方はもちろん、今後起業したいと考えている方はぜひ参考にしてくれると嬉しいです!

  • メリット①:自由かつスムーズに経営を行える
  • メリット②:長期的な目線で経営を実行できる
  • メリット③:敵対的買収のリスクがない
  • メリット④:利益の全てを享受できる
  • メリット⑤:上場に費やすコストや手間を省ける
  • 非上場にはデメリットがあることも忘れてはいけない
  • 非上場企業が得られるメリットのまとめ

メリット①:自由かつスムーズに経営を行える

何と言っても自由かつスムーズに経営を行える点が、非上場企業の持つ最たるメリットです。

そもそも株式会社では、持ち株比率(厳密には議決権付き株式数)に応じて、ある株主が行使できる権利が変わってきます。

そのため外部の株主が大部分の株式を保有する上場企業の場合は、株主たちの意向によって経営を進めることになります。

株主を無視した経営を行うと、株主の権限により経営陣の立場から追いやられる恐れがあります。

一方で非上場企業では、基本的に自社の経営陣の間で株式を保有することになります。

よって非上場の場合は、外部の株主を気にせず自由に会社を経営していけます。

また上場している会社とは違い、非上場の会社では重要な意思決定(M&Aや役員の選任など)に際して株主に同意を求める必要がありません。

スムーズに経営上の意思決定を行える点も、非上場ならではのメリットと言えるでしょう。

メリット②:長期的な目線で経営を実行できる

非上場を敢えて選ぶ二つ目のメリットは、長期的な目線で経営を実行できる点です。

会社経営を続けるには、目先の利益ばかりではなく、長期的な目線で利益を追求する必要があります。最初のうちは、赤字覚悟で新規事業や研究開発への投資などを行わなくてはいけません。

しかし企業に投資する大部分の株主は、利益を得る目的で企業の株式を保有しています。

そのため、外部の株主が多数を占める上場企業では、チャレンジングな新規事業や研究開発の実施を認められない恐れがあります。

一方で非上場企業では、前述した通り外部の株主から同意を得る必要がないので、長期的な目線で新規事業や投資に取り組めます。

長期的な目線で企業経営を考えると、非上場企業の形態を選ぶのはメリットが大きいと言えます。

メリット③:敵対的買収のリスクがない

敵対的買収のリスクをほぼゼロにできる点も、非上場を選択する魅力的なメリットの一つです。

敵対的買収(M&A)とは、経営陣の同意を得ないままに会社を買収する行為です。

上場企業の場合、市場を通じて原則誰でも好きなだけ株式を買うことが可能です。つまり上場企業は、常に敵対的買収のリスクに晒されているわけです。

敵対的買収が成功すると、経営陣の職から強制的に引きずり下ろされることになり、これまでの頑張りが水の泡となります。

ゴールデンパラシュートやポイズンピルなど、敵対的買収への対策方法は数多くあります。ですが100%敵対的買収を阻止できるとは限りません。

しかし敵対的なM&Aを100 %阻止する方法があります。それが「非上場企業で経営陣が全株式を取得しておく方法」です。

非上場企業に関しては、市場を通じた株式買収が不可能です。ですので経営陣が全株式を保有していれば、敵対的買収を100%阻止できます。

敵対的なM&Aのリスクに怯えずに会社を経営できる点は、業績が良い非上場企業にとっては非常に魅力的なメリットです。

メリット④:利益の全てを享受できる

利益を周囲の人間で独占できる点も、非上場企業に特有のメリットです。

株式が分散している上場企業の場合、外部の株主に対して配当金を利益の中から捻出して支払う必要があります。

一方で非上場企業では、外部の第三者に配当金を支払う必要がないため、株式を保有する経営陣や従業員の間で利益を分配できます。

経営陣や普段頑張っている従業員の間で全ての利益を共有できる点は、非上場ならではのメリットと言えます。

メリット⑤:上場に費やすコストや手間を省ける

最後にご紹介する非上場のメリットは、上場に費やすコストや手間を省ける点です。

多くの起業家が目指す上場ですが、実は上場には多額のコストや手間がかかります。

例えばマザーズへの上場では、上場審査に合計で5,000万円ほどの費用が必要です。加えて上場を維持するためにも、年間で5,000万円から1億円ほどの費用が発生します。

費用のみならず、情報開示のための資料作成などの手続きに手間も要します。

上記のように、上場を果たしてそれを維持するには、莫大な資金や手間が発生するという手痛いデメリットがあります。

非上場の道を選べば、上記の費用や手間は発生しません。

上場やその維持に必要な費用や労力を他の部分に割ける点は、非上場企業にとってとても大きなメリットとなるでしょう。

非上場にはデメリットがあることも忘れてはいけない

上記でお伝えしたように、非上場を選ぶと魅力的なメリットを多く得られます。

ですが一方で、非上場企業には下記のデメリットもあるので注意が必要です。

  • 上場企業というステータスや社会的信用力を使えない
  • 資金調達がしにくい
  • 独りよがりで視野が狭い経営になりやすい

要約すると、自由に経営を行える代わりに事業を拡大させる上では不利となる点が非上場のデメリットです。

上記のデメリットがあるために、非上場ではなく上場の道を選ぶ大手企業の方が多いのは事実です。

会社を経営する際には、非上場と上場化のメリットとデメリットそれぞれを十分比較検討し、自社にとってどちらの選択肢が最善であるかを慎重に検討する必要があります。

非上場企業が得られるメリットのまとめ

今回の記事では、非上場企業が得られる5つのメリットをご紹介しました。

確かに非上場の企業には、社会的なステータスが低かったり、資金調達を行いにくいといったデメリットは存在します。

しかし一方で、自由に長期的な目線で企業を経営できるなど、非上場の道にはデメリットと同じくらいメリットもあります。

経営者の考えや自社の状況を踏まえて、非上場のままでいるのか、それとも上場するのかを選ぶのが大事です。

今後起業する予定の方は、闇雲に上場を目指すのではなく、非上場に特有のメリットにも目を向けておくのがオススメです。

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需要予測を簡単に行える3つの手法をわかりやすく解説!

需要予測の手法

ビジネスを行う上では、正確な需要予測を行い、その予測に基づいて行動計画を立てたり、経営資源を配分することが大事です。

需要予測の手法には、簡単な計算でできるものから複雑な分析やツールを使った難しいものまで様々あります。

今回はその中でも、比較的簡単に行える「単純移動平均法」、「加重移動平均法」、「指数平滑法」、の3つをご紹介します。

簡単な需要予測の手法を知りたい方はぜひ参考にしてください!

  • 単純移動平均法
    • 単純移動平均法の意味
    • 単純移動平均法を使った需要予測の例題
  • 加重移動平均法
    • 加重移動平均法の意味
    • 加重移動平均法を使った需要予測の例題
  • 指数平滑法
    • 指数平滑法の意味
    • 指数平滑法を使った需要予測の例題
  • 需要予測の手法に関するまとめ

単純移動平均法

単純移動平均法の意味

最も簡便に需要予測を行える手法が「単純移動平均法」です。

この手法では、過去一定期間のデータ(売上高や利益など)の平均を計算し、その計算結果を需要の予測値とします。

一般的には、過去一ヶ月や一年間の売上高や利益、販売個数などを用います。

単純移動平均法を使った需要予測の例題

間近5ヶ月間の月間売上高が下記の通りだった場合、来月の予想売上高はいくらになるか?

  • 今月:200万円
  • 先月:180万円
  • 2ヶ月前:240万円
  • 3ヶ月前:190万円
  • 4ヶ月前:210万円

単純移動平均法を用いると、来月の予測売上高は以下のようになります。

  • (200+180+240+190+210) ÷ 5 = 204万円

加重移動平均法

加重移動平均法の意味

加重移動平均法とは、実績データに異なる重みを与えた上で平均値を求め、その計算結果を需要の予測値とする手法です。

単純移動平均法では単純にデータを足して平均を求めました。一方で加重移動平均法では、期間ごとにデータに重みを与えることで、期間ごとの重要度に差をつけた上で平均値を算出します。

これにより、突発的な需要変動の影響を小さくしたり、間近のデータを重視した需要予測が可能となります。

加重移動平均法では、下記の式で需要予測を行います。

  • 予測値 = Σ{ある期間の売上高 × ある期間の重み}

期間ごとに設定した重みの合計が1となるように、各データの重みを設置する必要がある点には注意が必要です。

加重移動平均法を使った需要予測の例題

この手法を使って、先ほどの例題における来月の需要予測を行ってみましょう。

今回は間近のデータほど重視したいと仮定し、各データの重みを以下のように設定します。

  • 今月:0.3
  • 先月:0.2
  • 2ヶ月前:0.2
  • 3ヶ月前:0.2
  • 4ヶ月前:0.1

以上の仮定より、来月の予想売上高は下記のように計算できます。

  • 200×0.3 + 180×0.2 + 240×0.2 + 190×0.2 + 210×0.1 = 203万円

以上の通り、単純移動平均法を用いた場合と比べて、需要予測の計算結果が1万円異なります。

この違いは、間近のデータを重視したために生じているわけです。

指数平滑法

指数平滑法の意味

指数平滑法とは、過去の予測値(売り上げ予測)と実績値(実際の売上高)を用いて需要予測を行う手法です。

指数平滑法では、下記の計算式で需要予測を行います。

  • 今期の予測売上高 = 前期の予測売上高 + α(前期の実績売上高 - 前期の予測売上高)

※来期予測の場合

  • 来期の予測売上高 = 今期の予測売上高 + α(今期の実績売上高 - 今期の予測売上高)

αは「平滑化定数」というものであり、平滑化定数は「実績と予測とのズレを反映させる役割を持つ定数」です。

平滑化定数は0から1の範囲で設定します。

1に近い値(大きい値)を設定するほど、実績と予測のズレを大きく反映させることにより、最近のデータをより重視した需要予測が可能となります。

一方で0に近い値を設定すると、実績と予測のズレをあまり反映させないため、過去のデータを重視した需要予測を行えます。

したがって、需要変動が大きい商品・サービスであれば大きい値を設定し、需要が安定していれば小さい値を設定するのが良いと言われています。

指数平滑法を使った需要予測の例題

この手法を用いて、来月の需要予測を行ってみましょう。

なお今回は、下記のデータを用いて予測売上高を計算します。

  • 今月の予測売上高:300万円
  • 今月の実績売上高:320万円
  • 平滑化定数:0.2

この手法を活用すると、来月の予測売上高は以下のように算出されます。

  • 300万円 + 0.2 (320万円 - 300万円) = 304万円

一方で需要変動が激しい商品であり、平滑化定数を0.8に設定した場合は次の通りになります。

  • 300万円 + 0.8 (320万円 - 300万円) = 316万円

上記の通り、平滑化定数の値次第で需要予測の結果が変わってきます。

需要予測の手法に関するまとめ

この記事では、 カンタンに使える需要予測の手法を3つご紹介しました。

今回お伝えした手法を活用すれば、数字が苦手な方でもカンタンな需要予測を行えるようになります。

ですが本格的に需要予測を行うとなると、回帰分析や専門的なツールを使った分析など、難しい手法を活用しなくてはいけません。

本格的に需要予測を行いたい方には、専門的なツールの導入や複雑な分析手法(重回帰分析など)の活用をおすすめします。 

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ブランド拡張とは?メリットや注意点、成功事例を徹底解説!

ブランド拡張

企業経営を有利に進める手段として、ブランドの活用はとても有用です。

ブランドを活用するマーケティング戦略の一つに、「ブランド拡張」があります。

ブランド拡張を実施すると、多角化(新規事業)を有利に進められる見込みがあります。

この記事では、ブランド拡張の意味やメリット、注意点などを成功事例を交えつつお話しします。

ブランドを活かした戦略や多角化に興味がある方は必見です!

  • ブランド拡張とは
  • ブランド拡張のメリット
    • メリットその1:売り上げや利益を大幅に増やせる見込みがある
    • メリットその2:新規事業を有利に進めやすい
  • ブランド拡張のデメリット(注意点)
    • 新しい商品カテゴリーに適したブランド名でなくては効果がない
    • 既存ブランドの価値が低下する場合がある
  • ブランド拡張に成功した企業の事例
    • 成功事例1:ホンダ
    • 成功事例2:カルピス
    • 成功事例3:富士フイルム
  • ブランド拡張のまとめ

ブランド拡張とは

ブランド拡張とは、うまくいっているブランド名を用いて、新しいフィールドで商品を販売する行為です。

要するに、既存ブランドの名前を新しい商品フィールドでも使うブランド戦略です。

ブランド拡張は、ブランド力の強化ではなく、より売上高や利益を伸ばす目的で実施されます。

そのためブランド拡張を実施するときは、すでに広く知られているブランドの名前を活用する方が高い効果を得られます。

またブランド拡張については、既存ブランドが新しい商品に適しているかを考えることも大事なポイントです。

もっと簡潔に言うと、既存ブランドを新しい商品に適用したときに、プラスの効果がもたらされなくてはいみがありません。

極端な例ですが、カップラーメンのブランド名を香水につけても逆に売れなくなることが容易に想像できるでしょう。

既存ブランドの印象が新しい商品に適していることは、ブランド拡張の成功においてとても大事です。

なおブランド拡張とは逆に、既存の商品で複数のブランドを展開するブランド戦略は「マルチブランド」と呼ばれます。

マルチブランドについて下記の記事で詳しく解説しているので、良かったら参考にしてください!

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ブランド拡張のメリット

ブランド拡張には、次に挙げる2つのメリットがあります。

メリットその1:売り上げや利益を大幅に増やせる見込みがある

ブランド拡張における一つ目のメリットは、売上や利益を大幅に増やせる見込みがある点です。

どんな市場であれ、商品やサービスを利用する顧客数には限りがあります。

そのため、事業を立ち上げてしばらくは売上高や利益が大きく伸びても、ある程度軌道に乗ってくると、売上高や利益の伸びは鈍化していきます。

つまり、同じ商品やサービスだけを販売していても、大きく売上高や利益を伸ばすのは難しいのです。

一方でブランド拡張により新規事業を始めれば、他の収益源を確保することができます。

ブランド拡張がうまくいって新規事業が軌道に乗ってくれば、大きくキャッシュフローを増やせるでしょう。

メリットその2:新規事業を有利に進めやすい

ブランド拡張の有する二つ目のメリットは、新しいブランドを用いて新規事業を始める場合と比べて有利になる点です。

基本的に新規事業では、無名のブランドを使うので、消費者に認識されるまでに長い時間やコストを要します。

一方でブランド拡張により新規事業を始める場合、ブランドの認知に要する費用や時間を削減できます。

また、 既存ブランドが消費者から抱かれている好ましい印象を活かせる点も大きなメリットです。

例えば高級財布のブランド名を使ってブランド拡張を実施すれば、新しく販売する商品に高級な印象を持ってもらいやすくなります。

好ましいブランドの印象を有効活用できる点も、状況次第では大きなメリットとなるでしょう。

新規事業について下記の記事で詳しく解説しているので、もしよかったら参考にしていただければ嬉しいです。

www.bizkurage.com

ブランド拡張のデメリット(注意点)

ブランド拡張はメリットの多いマーケティング戦略であるものの、下記2つのデメリットや注意点があります。

新しい商品カテゴリーに適したブランド名でなくては効果がない

ブランド拡張を実施するときには、既存ブランドが持たれている印象(ブランド連想)が新しいカテゴリーに適しているかを考慮する必要があります。

既存ブランドが新しい商品に適していなければ、ブランド拡張による良い効果は得られません。

例えば安さを売りにするお菓子のブランドには、消費者から「安い」という印象を抱かれています。

そのため、そのブランド名を高級な腕時計の販売事業で使うと、消費者の有する印象との違いから、商品の質が良くても売れない恐れがあります。

上記は極端な例ですが、既存ブランドが新しいカテゴリーに適していることはブランド拡張においてとても大事です。

ブランド拡張を実施するときには、既存ブランドが新商品に良い影響をもたらしているかを慎重に検討しましょう。

既存ブランドの価値が低下する場合がある

ブランド拡張を実施するときには、新商品の成功のみならず既存ブランドへの影響にも注意しなくてはいけません。

既存ブランドが新商品に適さない場合、既存ブランドの有するブランド力が低下するデメリットが生じます。

例えば高級ブランドの名前を使って安価な日用品を販売したとしましょう。

その結果、既存ブランドの有する「高級」という印象が崩れて、既存ブランドの収益力が低下する恐れがあります。

ブランド拡張を実施するときには、既存ブランドの価値低下に十分注意しましょう。

ブランド拡張に成功した企業の事例

ブランド拡張を経営に取り入れ、新事業で成功を収めた企業は多く存在します。

この章では、ブランド拡張により成功した企業の事例を3社ご紹介します。 

成功事例1:ホンダ

自動車メーカーで有名なホンダは、自動車の製造・販売で確立した「ホンダ」ブランドを活用し、オートバイや船舶エンジン、芝刈り機など幅広い商品の販売に成功しています。

自動車製造で培った技術力を応用している点はもちろん、比較的関係性の高い事業でブランド拡張を実施してきた点が、同社が成功した要因の一つであると考えられます。

成功事例2:カルピス

子供から大人までに大人気の「カルピス」を販売するカルピス株式会社も、ブランド拡張により成功した企業の一つです。

同社ではカルピスの販売で培ってきたブランドを活かし、バターや生クリームの製造・販売事業に成功しています。

ホンダと同様に、カルピスの有する「乳製品」という印象をうまく活用している点が、同社のブランド拡張がうまくいった要因だと言えます。

成功事例3:富士フイルム

写真フィルムで一躍有名となった富士フイルムは、ヘルスケアや化粧品でのブランド拡張に成功しました。

ホンダやカルピスの事例のように、普通は消費者にとって関係性が高く感じられるフィールドでブランド拡張を実施するのがセオリーです。

しかし富士フイルムは、従来のブランドとは無関係のフィールドでブランド拡張を実施し、見事成功しています。

ブランド拡張がうまくいった最たる要因は、写真フィルム事業で培った技術力を活かせた点にあります。

そしてもう一つの要因は、写真フィルム事業で培った強みを消費者に最大限訴求できたことだと考えられます。

技術力の高さから質の良い化粧品・ヘルスケア商品を製造できると消費者に訴求したことで、一見関係性がないブランド拡張で大成功を収めることができました。

富士フイルムの事例から分かるように、戦略次第で関係性の薄い商品間でのブランド拡張でもうまくいく見込みがあります。 

ブランド拡張のまとめ

今回の記事では、マーケティングを有利に進める戦略「ブランド拡張」についてご説明しました。

ブランド拡張には、ブランディングに要する費用やコストを削減し、より有利に新規事業を進められるメリットがあります。

また、すでに成功したブランドが持っている印象を活用できます。

このような強力なメリットがあるので、ブランド拡張を活用する大手企業は少なくありません。

一方でいくつかの注意点を意識しなければ、ブランド拡張はかえって新規事業や既存ブランドにネガティブな効果を及ぼします。

最悪の場合経営全体が傾く恐れもあるため、ブランド拡張を実施するときには十分な注意を要します。

良くも悪くも使い手自身に左右されるマーケティング戦略であるため、成功事例を参考にしつつブランド拡張を実践するのがおすすめです。

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ローリングプランとは?具体例を交えつつ解説!

ローリングプラン

人口の変化や技術の進歩など、企業の経営に影響を与える要因は数多く存在します。

そのような環境の変化が生じると、従来の計画や戦略が効果的でなくなる恐れがあります。

自社を取り巻く環境変化に対応する方法として、ローリングプランがあります。

ローリングプランは、JALや商船三井などの大手企業も実践している経営管理の手法です。

この記事では、そんなローリングプランの意味やメリットなどを解説します。 

  • ローリングプランの意味
  • ローリングプランを立てるメリット
  • ローリングプランの具体例
    • JALのローリングプラン
    • 商船三井のローリングプラン
  • ローリングプランのまとめ

ローリングプランの意味

ローリングプランとは、中期〜長期計画の内容を周期的に見直して、部分的に改良を加える技法を意味します。

もしくは部分的に改良を加えた経営計画自体を、ローリングプランと呼ぶこともあります。

会社を経営するに際しては、今後「誰が」「いつ」「何を」を行うかを特定する目的で、今後2〜5年ほどの経営計画を策定します。

そして策定した経営計画に基づいて、PDCAサイクルを回すことで計画通りに行動できているかの進捗管理を行います。

一般的な企業では上記のプロセスで経営管理を進めますが、必ずしも計画通りに進むとは限りません。

技術の進歩や経済のグローバル化などの影響で、近年は企業を取り巻く環境の変化が激しくなっています。

それに伴い、あらかじめ策定した経営計画が通用しなくなる恐れがあります。

環境の変化に対応するためには、ローリングプランの実施(計画の修正)を行う必要があるのです。    

ローリングプランを立てるメリット

ローリングプランの技法を導入すると、経営環境の変化に対応しやすくなります。

例えばある旅館が売上高を伸ばす目標を掲げ、近年増加している外国人観光客をターゲットとした施策を計画に盛り込んだとしましょう。

ですが不景気などの影響で仮に観光客が減少した場合、このままでは目標の売上高を達成できなくなる可能性が高くなります。

そこでターゲットとなる顧客を変えるなどの修正を施したローリングプランを策定します。

状況に適応したローリングプランの策定により、目標達成に向けて軌道修正を行えます。

つまりローリングプランを策定するメリットは、目標達成に向けて適宜軌道修正を行える点なのです。

ローリングプランの具体例

ローリングプランの技法は、多くの大手企業でも導入されています。

今回は数ある中から、JALと商船三井のローリングプランをご紹介します。

JALのローリングプラン

航空会社の大手JAL(日本航空)では、2017年〜2020年の中期経営計画について、昨年(2018年)に続いてローリングプランを発表しました。

JALは「挑戦、そして成長へ」というテーマを掲げた上で、2017年〜2020年の中期経営計画を実践してきました。

具体的には、「フルサービスキャリア(複数の座席クラスや機内食を提供する旅客サービス)事業の磨き上げ」と「事業領域の拡大」に向けた計画を立てました。

ですが同社は、2018年に飲酒事例による業務改善命令などを受けて、旅客サービスとしての安全問題が浮き彫りとなりました。

そこで同社では、「安心・安全の再構築」を重視したローリングプランを作成し、安全の徹底を図ることを決めました。

また同社のローリングプランには、2020年に向けたネットワーク(乗り入れ都市の増加など)の強化も盛り込まれました。 

要約するとJALのローリングプランには、当初かかげた中期目標を達成する上で、不足する要素が加えられています。

中期経営目標を達成する上でプランの改良を加えている点は、非常に参考となるでしょう。

press.jal.co.jp

商船三井のローリングプラン

大手海運会社の「商船三井」も、ローリングプランを策定する企業の一つです。

商船三井では、10年後の目標とそれを達成するための目標を達成するための中長期的な経営戦略や取り組みを策定しています。

ですが経営環境の著しい変化を踏まえ、同社では1年ごとにローリングプランを策定し、その年度に重点的に取り組むことや利益目標の変更などを行なっています。

中長期的な経営計画(戦略)を毎年見直すことで、著しい環境変化に対応しながら着実に目標の達成に向けて進める可能性が高いと考えられます。

特に同社は、財務的な視点や事業領域の観点を重視して、ローリングプランを策定しています。

一般的な中小企業でも参考になる作り方なので、興味がある方はぜひ商船三井のローリングプランを参考にしてみてはいかがでしょうか?

www.mol.co.jp

ローリングプランのまとめ

今回の記事では、ローリングプランの意味やメリット、具体例をご紹介しました。

ローリングプランは、企業を取り巻く環境変化が激しい現代に効果的な経営管理の手法です。

どれだけ入念に完璧な計画を立てても、技術の進歩や市場の変化により、経営計画が通用しなくなるリスクは無きにしもあらずです。

自社を取り巻く環境の変化を察知したら、ローリングプランの実施を検討してみるのをオススメします。

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ブルーオーシャン戦略とは?メリットや成功事例を交えつつわかりやすく解説!

ブルーオーシャン戦略

ビジネスマンであれば、「ブルーオーシャン戦略」という用語を一度は耳にした経験があるのではないでしょうか?

「新しいビジネスを始めることでしょ?」と思う方は多いと思いますが、実はそこまで単純な経営戦略ではありません。

ブルーオーシャン戦略は難易度が高く役に立たなそうと思われがちですが、その考え方は他の場面で十分応用が利きます。

そこで今回は、ビジネスマンであれば知っておくべき「ブルーオーシャン戦略」について、意味やメリット、成功に役立つポイントやフレームワーク、成功事例などをご紹介します。

  • ブルーオーシャン戦略とは
    • ブルーオーシャン戦略の意味
    • ブルーオーシャン戦略とニッチャー戦略の違い
  • ブルーオーシャン戦略を行うメリット
    • 高価格と低コストの両立が可能
    • 強力なブランドを築きやすい
  • ブルーオーシャン戦略への批判的な意見(デメリット)
    • 多大な経営資源や専門的な知識や経験が求められる
    • すぐに模倣されてしまう(ブルーオーシャンの築き上げが困難)
  • ブルーオーシャン戦略の成功に欠かせない「バリュー・イノベーション」とは
  • ブルーオーシャン戦略を考える上で役立つフレームワーク
    • アクションマトリクス
    • 戦略キャンバス
  • ブルーオーシャン戦略を行う企業の成功事例
    • 成功事例①:ユニクロ
    • 成功事例②:任天堂
  • ブルーオーシャン戦略を詳しく学習できる本
  • ブルーオーシャン戦略のまとめ

ブルーオーシャン戦略とは

まず初めに、ブルーオーシャン戦略の基礎知識をお伝えします。

ブルーオーシャン戦略の意味

ブルーオーシャン戦略とは、競合企業がいない市場(ブルーオーシャン)を作り出し、そこでビジネスを行う経営戦略です。

つまり誰も行なっていないビジネスを始めて、利益を得ようとする戦略です。

ただし後述しますが、あくまで「顧客に価値を提供する」新しいビジネスであるのが、ブルーオーシャン戦略の重要なポイントです。

反対に、すでに競合企業が多い市場でビジネスを行う戦略は「レッドオーシャン戦略」と呼ばれます。

フランスの大学院教授"W・チャン・キム"と"レネ・モボルニュ"が提唱したブルーオーシャン戦略は、ハーバード・ビジネス・レビューの論文で発表されて以来、世界中で多くの専門家から高い評価を得ています。

ブルーオーシャン戦略とニッチャー戦略の違い

「新しいビジネスを始める」という意味では、ブルーオーシャン戦略とニッチャー戦略は混同されがちですが、似て非なる概念であり使い分けることが大切です。

ブルーオーシャン戦略は、市場に存在する多様な買い手を分析し、そこから需要量の大きい市場(ブルーオーシャン)を生み出す経営戦略です。

競争を回避する目的ではなく、既存製品(サービス)の改良や付加価値を加える事で新しい市場を創出し、より大きな利益を得る目的で行われます。

あくまで新しい市場の創造をゴールとしているため、その後に熾烈な競争に巻き込まれるリスクは無きにしも非ずです。

一方でニッチャー戦略は、既存市場を細かく細分化し、大手企業が参入しないようなニッチ市場で利益の獲得を目指す経営戦略です。

より大きな利益を得るというよりも、大手企業(リーダー企業)との競争を回避した上で、少ない経営資源でも利益を得られることを目的とします。

市場が拡大しない限り大手企業が参入してこないので、経営資源に乏しい中小企業に有利な経営戦略だと言えます。

中小企業におすすめのニッチャー戦略は下記の記事で解説しているので、ぜひご参照ください!

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ブルーオーシャン戦略を行うメリット

ブルーオーシャン戦略は、現在に至るまで多くの大手企業で実践されてきた経営戦略です。

というのも、ブルーオーシャン戦略には下記のような強力なメリットがあるからです。

高価格と低コストの両立が可能

ブルーオーシャン戦略の最たるメリットは、低コストで生産した商品やサービスを、高価格で売り出せる点です。

ブルーオーシャン(新しい市場)には競合企業がほぼ存在しないので、市場を作り出した自社で価格を自由に決定できます。

そのため、十分な利益を得られるほどの高価格で売り出すことが可能です。

また、大量生産などにより規模の経済性を発揮すれば、低コストでの商品を生産することができます。

低コストで生産した商品やサービスを高価格で売り出すことで、多大な利益を得られる点がブルーオーシャン戦略の旨味であると言えます。

競合企業が参入しない間や、競合企業との差別化を図ることができれば、価格競争に巻き込まれる事もないので、安定的に高収益・高利益を維持できるでしょう。

強力なブランドを築きやすい

ブルーオーシャン戦略を行うもう一つのメリットは、強力なブランドを築きやすい点です。

ブルーオーシャンで事業を行う場合、顧客から見るとその製品やサービスを売り出しているのは自社ブランド(もしくはごく少数の企業)のみとなります。

つまりレッドオーシャンで事業を展開するよりも、自社ブランドの名前や特徴を覚えてもらいやすい訳です。

競合企業が少ない間に強力なブランドを築ければ、後々他の企業が増えてレッドオーシャン化しても、競争優位性を維持し続けることができます。

以上がブルーオーシャン戦略のメリットです。

薄々気付いた方もいると思いますが、ブルーオーシャン戦略の実行により得られるメリットは、先発優位性と基本的には同じです。

先発優位性(新しい市場にいち早く参入した企業が得られるメリット)について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください!

※先発優位性のリンクを貼る

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ブルーオーシャン戦略への批判的な意見(デメリット)

メリットが多く実践する企業も多いブルーオーシャン戦略ですが、批判的な意見(デメリット)もあります。

この章では、ブルーオーシャン戦略を行う上で注意しておきたいポイントを2つごお伝えします。 

多大な経営資源や専門的な知識や経験が求められる

ブルーオーシャン戦略の恩恵を得るには、競合企業が参入してくる(レッドオーシャンになる)前に低コストで製品を生産できるようになる必要があります。

低コストでの生産においては、大量生産を可能とする資金力や人員、機械設備などをたくさん持っていることが必須です。

また、ブルーオーシャン戦略では「多くの顧客のニーズを満たす市場」を創出し、それを拡大する必要があります。

多様にいる顧客のニーズを満たす市場を見つけたり、その市場を成長させるには、経営やマーケティングの高度な知識や経験が必要となります。

沢山の経営資源や高度な知識や経験が必要となることから、中小企業やベンチャー企業にはブルーオーシャン戦略は不向きであるという批判もあります。

たしかに難易度の高さはデメリットとなるので、ブルーオーシャン戦略を行うかどうかは慎重に検討する必要があります。

すぐに模倣されてしまう(ブルーオーシャンの築き上げが困難)

ブルーオーシャン戦略の持つもう一つのデメリットは、市場を作りだした後の経営戦略を考えていない点です。

十分な需要量があり利益を得られるブルーオーシャンがあった場合、当然ながら他の企業が模倣しようと目論見ます。

何も対策しないとあっという間に模倣されて競争が激化し、ブルーオーシャン戦略のメリット(優位性)がなくなってしまいます。

つまり長期的にビジネスを続けるのであれば、ブルーオーシャン戦略だけでは不十分という訳です。

ブルーオーシャンのうちに圧倒的な低コスト化やブランディングなどを行い、レッドオーシャンになっても優位性を保てるように経営戦略を策定することが重要です。

とはいえ、競争優位性ってどのように築けば良いか分からない方も多いと思います。

以下の記事で、競争優位性を築き上げる方法を考察しているので、もしよかったら参考にしてくれると嬉しいです!

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ブルーオーシャン戦略の成功に欠かせない「バリュー・イノベーション」とは

ブルーオーシャン戦略の成功には、「バリュー・イノベーション」の実現が不可欠です。

バリュー・イノベーションとは、低コスト化を図りつつ、これまでの製品やサービスとは抜本的に異なる「価値」を提供することを意味します。

ブルーオーシャン戦略については、「ただ単に競合企業が存在しない新しい市場を作り出せば良い」と勘違いされがちです。

確かにブルーオーシャン戦略は新しい市場を作り出す経営戦略ですが、その市場に十分な需要が無ければ収益を得られないので、ビジネスは成り立ちません。

そもそも経営戦略とは、企業が収益(利益)を得る目的で策定するものであり、ビジネスが成り立たなければ意味がありません。

したがって、ただ単に新しい製品やサービスを売り出すのではなく、「十分数の需要がある=顧客に価値を提供する」商品やサービスを提供するのが重要です。

また、新しい価値を顧客に提供できても、これまで以上に莫大な費用がかかっては、利益が残らず意味がありません。

全く新しい「価値」を低コストで提供できて初めて、ビジネスの成功につながるブルーオーシャン戦略となる訳です。

ブルーオーシャン戦略を考える上で役立つフレームワーク

ここまでお伝えしてきたように、ブルーオーシャン戦略を考えるのは非常に難しいです。

そこでこの章では、ブルーオーシャン戦略を考える上で役立つフレームワークを2つご紹介します。

アクションマトリクス

アクションマトリクスとは、「取り除く」「減らす」「付け加える」「増やす」という4つの項目から、ブルーオーシャンを見出すフレームワークです。

使い方としては、自社製品や市場の標準製品に関して、「取り除ける部分はあるか?」「付け加える要素はあるか?」といった感じで質問に答えていきます。

先述したように、ブルーオーシャンであるには「低コスト化を図れて、顧客に新しい価値を提供する(バリューイノベーションを実現する)」必要があります。

そのために、「取り除く」「減らす」という要素で低コスト化の指針、「付け加える」「増やす」の要素で新しい価値のヒントをそれぞれ見出します。

質問の結果を整理することで、低コストで顧客に新しい価値を提供できるブルーオーシャンを見出すことができます。

例えば、旅行会社についてアクションマトリクスを整理した結果、下記の通りであるとします。

  • 取り除く:食事
  • 減らす:バスや電車による移動
  • 付け加える:オリジナリティ(現地でしか知られていない穴場スポット)
  • 増やす:自由行動の時間

この事例では、食事や移動を減らすことで低コスト化を実現しつつ、オリジナリティや自由行動の時間を増やす方向性で新しい価値を提供するのが、ブルーオーシャン戦略の創出に繋がると判断できます。

戦略キャンバス

戦略キャンバスとは、顧客がある製品・サービスに求める価値を横軸に、自社や競合他社が顧客にその価値を提供できる度合いを縦軸に置いたグラフです。

戦略キャンバスを作成することで、自社と競合他社の差別化度合いを目で把握し、どの部分で差別化を図れるかを明確にできます。

折れ線が競合他社と離れているほど、差別化を図れていると判断できます。

また、競合他社が満たしていない部分(縦軸の値が小さい価値)に注力すれば、ブルーオーシャンを創出できる可能性があります。

例えばパソコンのブランドを例にした場合、戦略キャンバスは下記のように作成できます。

この戦略キャンバスに基づくと、自社ブランドは使い勝手の面で大きな差別化を図れていると言えます。

また自社・競合二社共に「アフターフォロー」の項目が低い(顧客に十分価値を届けられていない)ので、アフターフォローに注力すれば、新たなブルーオーシャンを見つけられる可能性があります。

戦略キャンバス 

ブルーオーシャン戦略を行う企業の成功事例

みなさんが知っている大手の企業には、ブルーオーシャン戦略を実践して成功した会社が多く存在します。

この章では、ブルーオーシャン戦略を行う企業の成功事例として、「ユニクロ」と「任天堂」の二社を取り上げます。

成功事例①:ユニクロ

まず最初にご紹介するのは、アパレル大手のユニクロの成功事例です。

ユニクロといえば、SPA(製造から小売までを統合すること)の導入により、高性能の製品を低コストで生産することを強みとしている企業です。

確かにSPAのモデルをいち早く導入した点はユニクロの強みですが、「ブルーオーシャン戦略」により顧客に新たな価値を提供し続けている点も強みといえます。

従来衣服といえば、おしゃれや最低限の身だしなみのために購入するものでした。

そんな中でユニクロは、優れた保温・保湿機能を持つ「ヒートテック」や、発汗性や防臭性に優れた「シルキードライ」などの商品を発売することで、顧客に「機能性がある衣服」という新たな価値を提供しました。

SPAによる低コスト化を実現しつつ新しい需要を創出することで、ユニクロはブルーオーシャンの開拓に成功し、現在でも成長を続けています。

日本国内にある大手企業の中でも、ユニクロは特にブルーオーシャン戦略のお手本とも呼べる成功事例です。

成功事例②:任天堂

ブルーオーシャン戦略を語る上で忘れてはいけないのが、任天堂の成功事例です。

意外と知られていませんが、任天堂は設立当初は花札やトランプの製造を主な事業としていました。

 

ですが任天堂は、時代の変化に対応するために、ファミリーコンピュータやゲームボーイ、DSといった画期的なゲーム機を数々生み出してきました。

大量生産による低コスト化を図りながら、時代に適したブルーオーシャンを創出し続けているからこそ、任天堂はゲーム市場のリーダー企業として居続けていられるのです。

特に画期的だったのは「Wii」というゲーム機です。

Wiiが発売された頃は、ゲーム市場はソニーをはじめとした競合企業がひしめいており、競争に勝つことが厳しくなっていました。

そこで任天堂は、子どものみならず大人も楽しめるゲーム機を作ろうと考え、Wiiを開発・発売しました。

「大人も子供も楽しめる」という新しい価値は顧客に受け入れられ、Wiiは市場稀に見る大ヒットを記録しました。

時代に応じたブルーオーシャン戦略を実践し続ける任天堂は、ユニクロと並んで日本屈指の成功事例といえます。

※参考

www.00keiei.com

 オーシャン  戦略  ブルー  市場  ビジネス  企業  競争  事例  マーケティング  価値  商品  サービス  成功  記事  コスト  レッド  イノベーション  経営 

ブルーオーシャン戦略を詳しく学習できる本

今回はブルーオーシャン戦略の意味やメリットなどをお伝えしましたが、100%ブルー・オーシャン戦略を理解したいのであれば、実際に本を読むのが一番です。

ブルーオーシャン戦略について詳しく学習する上でおすすめなのが、【新版】ブルー・オーシャン戦略という本です。

こちらは、ブルー・オーシャン戦略を提唱した学者が実際に書いた本の改訂版となります。

ブルーオーシャン戦略の基本的な概要にのみならず、「レッドオーシャンの罠を避ける方法」や「ブルーオーシャン戦略を刷新する方法」などの実践的な内容も含まれています。

読者の疑問に答えた改訂版を読めば、より一層ブルーオーシャン戦略に対する理解を深めることができるでしょう。

ブルーオーシャン戦略のまとめ

低コスト化と画期的な価値を顧客に提供するブルーオーシャン戦略は、成功すれば多大なメリットをもたらす経営戦略です。

ただしブルーオーシャン戦略を実践するには、多大な経営資源や専門的な知識などが必要となり、難易度はかなり高いです。

戦略キャンバスやアクションマトリクスなどの活用により、少しでもブルーオーシャン戦略が成功する可能性を上げるのがポイントとなるでしょう。

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定期発注方式とは?定量発注方式との違いや計算式、メリット・デメリットを解説!

定期発注方式

小売店や飲食店にとって、在庫の管理は経営上非常に重要な業務です。

適正な在庫量を維持しておかないと、在庫切れが生じたり過剰在庫によるコスト過多が生じる恐れがあります。

そんな重要な在庫管理に役立つ考え方に、「定期発注方式」という発注方法があります。

定期発注方式を使いこなせれば、今よりもさらに需要量に則した在庫管理を行えるようになります。

この記事では、定期発注方式の意味やメリット・デメリット、計算式をご紹介します。

  • 定期発注方式とは
    • 定期発注方式の意味
    • 定量発注方式との違い
  • 定期発注方式のメリットとデメリット
    • 定期発注方式のメリット
    • 定期発注方式のデメリット
  • 定期発注方式の計算
    • 定期発注方式の計算で重要な用語の意味
    • 定期発注方式による発注量の計算式
    • 定期発注方式の計算の例題
  • 定期発注方式のまとめ

定期発注方式とは

まず初めに、定期発注方式の意味と定量発注方式との違いをご紹介します。

定期発注方式の意味

定期発注方式とは、一定期間(月や週など)ごとに原材料などの発注を行う方式です。

定期発注方式では、発注する度に一定期間の需要量を予測し、その予測に基づいた量を発注します。

つまり、発注量は毎回異なるものの発注サイクルは常に同じというわけです。

毎回発注量が異なるので、いかに正確な需要予測ができるかが重要となります。

定量発注方式との違い

定期発注方式と同じくらい代表的な発注方法に、「定量発注方式」というものがあります。

定量発注方式とは、在庫量が一定の水準まで減少した時点で、事前に定めた量を発注する方式です。

つまり定期発注方式とは違い、定量発注方式では発注する間隔や時期は毎回異なってくるわけです。

定期発注方式のメリットとデメリット

定期発注方式には、以下のメリットとデメリットがあります。

定期発注方式のメリット

定期発注方式のメリットは、精度の高い在庫管理が可能となる点です。

飲食店や小売店では、常に需要量が一定となるわけではありません。

多く商品が売れる日や月もあれば、普段よりも売れ行きが悪くなる時もあるでしょう。

毎回同じ量を発注する定量発注方式の場合、日々変動する需要量の変動に対応しにくいです。

発注量が少ないと在庫不足を招きますし、逆に多いと在庫費用が無駄にかかってしまいます。

一方で定期発注方式の場合、予測に基づいて需要量を決定するので、よりきめ細やかな在庫管理が可能になります。

必要な量だけ発注できるため、在庫費用や保管スペースの無駄を省くことができます。

定期発注方式には以上のようなメリットがあるため、需要変動が激しい原材料や商品に適した発注方式であると言えます。 

定期発注方式のデメリット

一見すると非常に優れた発注方式に見えますが、定期発注方式には「管理が複雑で難しい」というデメリットがあります。

発注する度に毎回需要予測を行う必要があり、非常に手間がかかります。

そもそも需要予測が必ず当たるとは限らないので、100%正確な発注を行えるわけではありません。

また用語については次項で詳しく説明しますが、発注サイクルや調達リードタイムが長い場合は、安全在庫が多くなる点もデメリットとなります。

定期発注方式の計算

最後に、定期発注方式を使った発注量の計算方法をご紹介します。

定期発注方式の計算で重要な用語の意味

定期発注方式で発注量を計算するには、いくつか難しい用語の意味を知っておく必要があります。

重要な用語の意味を紹介しておくので、参考にしてください。

  • 発注サイクル:発注してから次の発注までの期間
  • 調達リードタイム:発注から納入されるまでの期間
  • 在庫調整期間:発注サイクルと調達リードタイムの合計
  • 発注残:発注は済んでいるもののまだ手元にない在庫
  • 安全在庫:事前に予測するのが困難な需要量の変動に備えた在庫

定期発注方式による発注量の計算式

定期発注方式では、下記の計算式により発注量を算出します。

  • 発注量 = (在庫調整期間の予想消費量 − 現在の在庫量 − 発注残) + 安全在庫

なお安全在庫は、下記の計算式で求められます。

  • 安全在庫 = 安全係数 × √調達リードタイム × 需要量の標準偏差

安全係数とは、品切れをどの程度許せるかによって決まる指標です。一般的には品切れ許容率5%のときの「1.65」が用いられます。

安全在庫については、下記の記事を参考にしました。

shikumika.com

定期発注方式の計算の例題

では最後に、先ほどお伝えした計算式を使って、実際に発注量を計算してみましょう。

今回は簡単に計算するため、あらかじめ安全在庫は提示します。

例題)次の条件のときの定期発注方式における発注量 

  • 在庫調整期間:34日
  • 予想消費量:1日2個
  • 発注残:3個
  • 安全在庫:4個
  • 現在の在庫量:8個

まず初めに、この例題の場合は在庫調整期間における予想消費量を求める必要があります。

在庫調整期間における予想消費量は、「34日×2個 = 68個」となります。

これで公式を使用できるようになったので、実際に発注量を計算します。

  • 発注量 = (68個 − 8個 − 3個) + 4個 = 61個

定期発注方式の計算により、発注量は61個と算出されました。

定期発注方式のまとめ

お伝えしてきたように、定期発注方式は比較的複雑な計算が多く、使いこなすのは正直難しい手法ではあります。

ですが定量発注方式よりもきめ細やかな在庫管理が可能となるので、需要変動の激しい原材料などを発注する方は使えるようになると便利です。

今回お伝えした内容が、在庫管理への理解に少しでも役立ってもらえると幸いです!

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