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期待理論とは〜モチベーションは報酬の魅力度と得られる確率で決まる〜

期待理論

モチベーションは、一体どのような要因によって上がったり下がったりするのでしょうか?

モチベーションについては、多くの学者が研究を重ねており、そのうちいくつかの理論が実務でも活用されています。

今回は数あるモチベーション理論の中で、個人的に最も現実に即していると思う「期待理論」をご紹介します。

期待理論の意味や具体的にモチベーションを高める方法をお伝えするので、従業員や部下のモチベーションを高めたい方はぜひ参考にしてください!

  • 期待理論とは?人は何によってモチベーションが高まるか
    • ブルームの提唱した期待理論
    • 期待理論の具体例
  • ポーターとローラーが提唱した期待理論
  • 期待理論に基づいたモチベーションを高める方法
    • 歩合制(成果報酬制)の導入
    • 目標と役割の明確化
  • 期待理論のまとめ

期待理論とは?人は何によってモチベーションが高まるか

ブルームの提唱した期待理論

期待理論とは、「報酬を得られる主観的確率(期待)」と「報酬の持つ魅力度合い(誘意性)」の積が、モチベーションの強さを決定するとする理論です。

1964年に心理学者であるブルーム氏が提唱して以来、その実用性から様々な場所で活用されています。

ブルームの提唱した内容を簡略化すると、モチベーションは下記の式で表せます。

  • モチベーション = 報酬を得られる主観的な確率 × 報酬の魅力

積(≒掛け算)とあるように、「期待」と「誘意性」のどちらも高くなければモチベーションは向上しません。

なおここでいう報酬には、金銭のみならず「達成感」や「昇進」なども含まれます。

期待理論の具体例

個人的にこの期待理論は、起業による成功を目指す人が少ない現状で説明するのが分かりやすいと思っています。

起業に成功した場合、サラリーマンよりも圧倒的に多額のお金を稼げます。その点で言うと、起業の持つ報酬の魅力(誘意性)は高いと言えます。

しかし起業が成功する可能性はとても低いため、大多数の人にとって報酬を得られる主観的な確率(起業が成功して多額の稼ぎを得られる確率)は、とても低いです。

誘意性は高くても期待は低いから、ほとんどの人は起業に消極的(モチベーションが沸き起こらない)だと考えられます。

逆も然りであり、例えば100%報酬を得られる仕事でも時給500円だとしたら、ほとんどの人はモチベーションなんて湧き上がってこないでしょう。

大多数の人は、報酬を得られる可能性と報酬自体の魅力度合いの両方を重視します。

自分自身や雇用している社員のモチベーションを高めたい場合は、「期待」と「誘意性」の両方が高い仕事のやり方を考えなくてはいけません。

 

ただしモチベーションは、報酬のみではなく仕事のやりがいや他人との比較などの要素によっても左右されます。

期待理論は「報酬面」からのみモチベーションを分析しているため、実際には他の理論も比較検討するのが好ましいでしょう。

他のモチベーション理論を知りたい方は、下記の記事をご参照ください!

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ポーターとローラーが提唱した期待理論

ブルームの提唱した期待理論は、後になってレイマン・ポーター氏とエドワード・ローラー三世によってさらに洗練された理論となりました。

ポーターとローラーが提唱した期待理論も、基本はブルームが発表した期待理論と変わりません。

モチベーションは「期待」と「誘意性」の積によって表され、どちらかが極端に低いとモチベーションは低くなります。

ポーターとローラーは、期待理論に「達成した要素(業績や成果など)」という要素を加えて、よりモチベーションの度合いが決定するプロセスを明確にしました。

ポーターとローラーの修正版期待理論に基づくと、下記の要素で従業員のモチベーションが決定します。

  • 努力次第で満足できるほど業績や成果が上がるか
  • 業績や成果の向上に応じて、自身が妥当だと思っているだけの報酬をもらえるか

努力次第で業績や成果が上がって、かつ頑張った結果得られた成果に応じて自分が妥当だと思う報酬を得られる場合に、モチベーションが高まるのです。

仮に努力しても業績や成果が向上しなかったり、満足できるほどの報酬を得られなければ、次からはモチベーションが下がってしまいます。

そのため会社としては、「努力次第で業績(成果)に結びつくような仕組み」と「努力量に応じて公正な報酬を与える仕組み」を作り出す必要があります。

期待理論に基づいたモチベーションを高める方法

最後に、期待理論に基づいたモチベーションを高める方法を2つご紹介します。

歩合制(成果報酬制)の導入

期待理論に基づくと、歩合制(成果報酬制)の導入がモチベーションを高める最たる手段です。

歩合制や成果報酬制は、結果を出せば出すほどもらえる給料(報酬)が増える仕組みです。

つまり自分の頑張りが報酬に直結する(「期待」が大きい)ために、モチベーションが高くなる仕組みです。

ストックオプションや資格取得手当なども同様の仕組みであり、うまく活用すれば従業員のモチベーションを大きく高めることができるでしょう。

目標と役割の明確化

モチベーションを高く保ち続けるには、努力が成果に結びつき、その結果正当な対価を受け取れることを経験している必要があります。

ポーターとローラーは、努力が業績向上などの成果に結びつくには、成果に直結する(方向性が正しい)努力を行う必要があると述べました。

たとえば売上高を増やすのであれば、なるべく多くの人に営業を行ったり、顧客のターゲティングなどを頑張る必要があります。

上司への提案資料の作成や高級なスーツの新調など、間違った方向に努力しても結果には結びつきにくいです。

結果に結びつかない間違った努力をすれば、評価されないので報酬をもらえません。

しかし本人には頑張ったという認識があるので、「不当な扱いを受けている」という認識を持ってモチベーションが低下してしまいます。

そんな事態に陥らないためにも、あらかじめ目標と役割を明確化して、正しい努力を従業員にしてもらう必要があります。

正しい努力を行えればそれ相応に結果を出すことができるので、それ以降のモチベーション向上につながります。

期待理論のまとめ

今回は、モチベーション理論の一つである期待理論をご紹介しました。

期待理論に対しては、「人はそこまで合理的に判断しない」という批判の声もあります。

ですが、報酬の魅力度や報酬を得られる可能性によりモチベーションの大きさが決まるというのは、割と当てはまっていると個人的には思います。

従業員を雇っていたり部下の教育を担っている方は、ぜひ期待理論を従業員や部下のモチベーション向上に役立ててみてください!

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範囲の経済性〜効率的に多角化を進める上で役に立つ概念〜

範囲の経済性

複数のビジネスを行いたい方が知っておくべき概念に「範囲の経済性」というものがあります。

範囲の経済性について知っておくと、より効率的に(低コストで)ビジネスを展開できるようになります。

そこで今回の記事では、範囲の経済性の意味や具体例をわかりやすくお伝えします。

範囲の経済性の意味を知りたい方はもちろん、多角化を検討している方も必見です!

  • 範囲の経済性とは?意味や具体例を解説!
    • 範囲の経済性の意味
    • 範囲の経済性の具体例 
  • 範囲の経済性と規模の経済性の違い
    • 規模の経済性の意味
    • 範囲の経済性は「複数事業の運営」、規模の経済性は「単一製品の生産」によりコストを削減する
  • 多角化では範囲の経済性を意識しよう! 
  • 範囲の経済性についてのまとめ

範囲の経済性とは?意味や具体例を解説!

まず初めに、範囲の経済性の意味と具体例をご説明します。

範囲の経済性の意味

範囲の経済性とは、複数の事業を一つの企業が行うことで、それぞれの事業を別の会社が行う場合よりも経済的な事業運営を行える効果を意味します。

もっと簡単にいうと、より低コストで事業運営できるようになったり、一つのノウハウやスキルを複数の事業に適用できる状況を範囲の経済性と言います。

例えばA事業では100万円、B事業でも100万円の費用がかかるとします。

このとき一つの会社が二つの事業を行うことで、合計コストが200万円を下回る場合を「範囲の経済性が働いている」と言います。

範囲の経済性は、シナジー効果と似た概念と言えます。

シナジー効果は、一つの企業が複数の事業を行うことで、より大きな成果(利益やスキルの向上など)を得られる現象です。

シナジー効果の中でも、特にコストが低減する場合を「範囲の経済性」と呼ぶのです。

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範囲の経済性の具体例 

範囲の経済性は、主に複数事業で同じ経営資源を活用できる場合に生じます。

例えば金属部品の製造とプラスチック部品の製造をそれぞれ別の会社が行う場合、当たり前ですがそれぞれの会社で生産費用がかかります。

一方で一つの会社が金属部品とプラスチック部品の両方を製造する場合、製造機械や人員などを共有して活用できます。

重複する部分の製造機械の購入や人材の雇用をなくせるため、その分コストを削減できるわけです。

範囲の経済性と規模の経済性の違い

範囲の経済性と混同されがちな用語に、「規模の経済性」というものがあります。

どちらも経営学の分野では重要な概念ですが、その意味は全く異なります。

規模の経済性の意味

規模の経済性とは、事業規模や生産量の増大に伴い、製品一個あたりの生産コストが減少する効果を意味します。

今回は範囲の経済性にフォーカスしているので詳しい説明は割愛しますが、要するに生産量や事業規模が大きくなるほど、製品一個の生産コストが低下する効果を指します。

範囲の経済性は「複数事業の運営」、規模の経済性は「単一製品の生産」によりコストを削減する

規模の経済性の説明を見てもらえばわかる通り、範囲の経済性とは全く異なる概念です。

範囲の経済性は複数事業を運営することで、重複している部分の経営資源(ノウハウや機械設備、人員など)を共有し、結果的にコストを削減できる効果です。

一方で規模の経済性は、単一事業の規模を拡大することで、コスト面でのメリットを得られる効果です。

似ているようで大きく違う概念なので、混同しないようにしましょう。

多角化では範囲の経済性を意識しよう! 

範囲の経済性を意識すると、多角化を効率的に進めることができます。

多角化とは、既存事業とは無関係の市場(顧客)に対して、これまで取り扱ってこなかったサービスや商品を販売する経営戦略です。

これまでとは全く異なるビジネスを行うので、普通は設備の取得やノウハウの取得に手間やコストがかかります。

ですが、これまで活用してきた経営資源(ノウハウや設備機器など)を新規事業でも活用できれば、新しく経営資源を確保する手間やコストをかけずに多角化を行えます。

そもそも多角化は、慣れない分野で新しいビジネスを行うので難易度が高い経営戦略です。

1%でも成功する可能性を高めるためには、範囲の経済性を意識し、今ある事業で培った経営資源を最大限活用できるような多角化がベストなのです。

下記の記事では、多角化戦略の意味や事例を詳しくご紹介しています。

多角化に興味のある方は是非ご参照ください!

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範囲の経済性についてのまとめ

今回は、多角化戦略を重視する方にぜひ知ってほしい「範囲の経済性」について取り上げました。

多角化戦略を取る企業にとっては、今ある経営資源を複数のビジネスで共有し合い、より少ないコストで効率的に事業を進めるのが好ましいです。

今後色々なビジネスを同時進行で進めたい方は、今回お伝えした「範囲の経済性」を意識して行動すると良いと思います!

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二要因理論とは〜労働環境を良くてもモチベーションが高まるとは限らない!?〜

二要因理論

会社にとって従業員のモチベーションを高めることは重要な課題です。

100%とは言い切れないものの、やる気が高い方がより集中して主体的に働けるので、より良いパフォーマンスを出せる可能性があります。

モチベーションを高めるための理論にはいろいろとありますが、今回は「二要因理論」というものをご紹介します。

批判的意見もある二要因理論ですが、使用する状況や相手を見極めればとても役立つでしょう。 

  • ハーズバーグの二要因理論とは
    • 二要因理論の概要
    • 「満足をもたらす要因(動機付け要因)」と「不満をもたらす要因(衛生要因)」の具体例
      • 動機付け要因
      • 衛生要因
  • 二要因理論に基づくモチベーションを高める方法
  • 二要因理論には批判的な意見も・・・
    • 批判1:二つの要因をはっきり分類できない
    • 批判2:モチベーションを高めても生産性の向上につながるとは限らない
  • 二要因理論のまとめ

ハーズバーグの二要因理論とは

二要因理論の概要

二要因理論とは、米の臨床心理学者ハーズバーグが提唱したモチベーション理論です。

モチベーションに関わる要因を「動機付け要因」と「衛生要因」に分けていることから、二要因理論は「動機付け=衛生理論」とも呼ばれます。

ハーズバーグの二要因理論の特徴は、仕事において「満足をもたらす要因(動機付け要因)」と「不満をもたらす要因(衛生要因)」は全く別物であり、モチベーションを高めるには「満足をもたらす要因」を満たす必要があるとした点です。

言い換えると、「不満をもたらす要因を極力排除しても、従業員のモチベーションを高める効果はほとんど期待できない」と二要因理論では言っています。

不満をもたらす要因を改善しても、あくまで仕事に対する不満が解消されるだけというのが、他の理論とは一線を画しています。

「満足をもたらす要因(動機付け要因)」と「不満をもたらす要因(衛生要因)」の具体例

ハーズバーグは二要因理論を実証するために、直接働いている人に、仕事場で「良い感情を抱いた事柄・その理由」と「不快な感情を抱いた事柄・その理由」を質問してその答えを整理する、という研究を行いました。

調査の結果、満足をもたらす要因と不満をもたらす具体的な要因が、それぞれ以下のように分類されました。

動機付け要因

主な動機付け要因は以下になります。

  • 仕事の達成感
  • 仕事への責任
  • 上司や同僚からの承認
  • 昇進
  • 仕事そのもののやりがいや面白さ

二要因理論に基づくと、上記の要因が満たされれば、従業員のやる気は向上します。

例えば仕事にやりがいや面白さがあったり、仕事の結果が昇進などに結びついたりすれば、従業員のモチベーションは向上します。

衛生要因

主な衛生要因は以下になります。

  • 会社の方針
  • 人間関係
  • 労働条件
  • 給与
  • 作業環境

二要因理論に基づくと、上記の要因が満たされていないと、従業員は仕事に不満を抱いてしまいます。

例えば仕事量の割に給与が安かったり、上司や同僚との人間関係が悪いと、不満を抱いてしまい、離職(転職)や生産性の低下などを招く恐れがあります。

衛生要因を満たしてもやる気は上がりませんが、かと言ってないがしろにするのも好ましくありません。

給与が不当に安かったり人間関係がギクシャクしている場合、どんなに動機付け要因を満たしていても、長期的に好き好んで働きたいとは思いませんよね。

よって衛生要因は、モチベーションの向上とは別に最低限満たすべきでしょう。

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二要因理論に基づくモチベーションを高める方法

動機付け要因(仕事への達成感など)を高める具体的な方法として、職務充実というものがあります。

職務充実とは、普段の仕事に計画や準備、管理などの内容を加え、権限と責任の度合いを大きくすることで、仕事そのものの質を充実させる方法です。

仕事の量を増やすのではなく、権限や責任の度合いを大きくするので間違えないように注意が求められます。

要するに、自分の意思で行える業務の範囲を拡大させることで、やる気の向上を図るのです。

会社内でモチベーションが低そうな従業員がいたら、一度職務充実にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

二要因理論には批判的な意見も・・・

一見すると至極真っ当に見えるものの、ハーズバーグの二要因理論には批判的な意見もあります。

この章では、二要因理論への批判的な意見を2つ取り上げるので、実務で用いるべきか決める際の参考にしてください。

批判1:二つの要因をはっきり分類できない

ハーズバーグは動機付けの要因と不満を抱く要因が別であると言いましたが、「必ずしもそうであるとは言い切れないのでは?」という批判があります。

例えば「給与」は衛生要因(不満をもたらす要因)に分類されていますが、たくさん給与をもらえるほどやる気が高くなる人は多いです。

あくまで動機付け要因と衛生要因に分かれるという傾向が見られるだけであり、必ずしも何がどんな要因であるとは言い切れません。

人によっては動機付け要因が衛生要因となったり、その逆もあることを踏まえた上で、二要因理論を用いるのが大事です。

批判2:モチベーションを高めても生産性の向上につながるとは限らない

全てのモチベーション理論に言えますが、「やる気の向上が生産性向上につながるとは限らないのでは?という批判もあります。

企業がより多くの利益を生み出すには、大規模な投資などを行わない限り、一人当たりが生み出す利益を増やす必要があります。

つまり生産性を向上させる必要があるのですが、モチベーションが高いからといって生産性が高いとは必ずしも言い切れません。

例えばモチベーションは低いけど、その仕事が得意であるがゆえに生産性が高い人もいるでしょう。逆も然りで、やる気だけは高いけど、全く結果に表れない人も少なからず存在します。

やる気を高めたからといって、必ずしも生産性が向上するとは限らないので注意です。

二要因理論のまとめ

二要因理論には、動機付け要因と衛生要因をはっきり区別できないなどの批判もあり、とても有用なモチベーション理論であるとは思われていないのが現状です。

しかし一方で、給与や人間関係の面に問題がなくても、なぜかモチベーションだけは低い社員がいる場合には、二要因理論の動機付け要因を高めると効果的かもしれません。

使うタイミングや相手などは選ぶものの、覚えておいて損はない理論だと思います。 

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官僚制の逆機能とは?具体例や対策方法をわかりやすく解説

官僚制の逆機能

「官僚制」という用語を聞くと、皆さんはどのようなイメージを抱くでしょうか?

「ルールが厳格に定められている」とか「専門性が高い」といった好ましいイメージを抱く方もいると思います。

確かに官僚的であることは、専門性の高さや組織の統制が取れている面では優れています。

しかし一方で、官僚的である状態には同時にデメリットもあります。

今回の記事では、官僚的な組織が陥る落とし穴である「官僚制の逆機能」を取り上げようと思います。

官僚制の逆機能の意味や具体例、対策などをお伝えするので、企業を経営している方や従業員として働いている方はぜひ参考にしてくれると嬉しいです!

  • 官僚制の逆機能とは
  • 官僚制の逆機能の種類と具体例
    • 形式主義
    • 訓練された無能
    • 目標の置換
    • セクショナリズム
    • 繁文縟礼(はんぶんじょくれい)
  • 官僚制の逆機能の対策
    • 組織構造をフラットにする
    • 一人一人が自発的に行動する組織に変える
    • 縦割り組織にヨコ串を入れる(プロジェクトチームやマトリックス組織の導入)
  • 官僚制の逆機能のまとめ

官僚制の逆機能とは

官僚制の逆機能とは、官僚制組織(ルールや命令を重視する組織)の持つ深刻なデメリットを意味します。 

ルールや命令系統、マニュアル化などを徹底化した官僚制組織は、各々が行うべき職務を明確化する点で、合理的かつ効率的な組織形態です。

しかし一方で、アメリカの社会学者マートンの研究により、一見万能に見える官僚制にもデメリット(逆機能)があることが明らかとなりました。

官僚制の逆組織が生じると、経済動向や消費者ニーズの変化といった環境変化に対応できなくなると言われています。 

官僚制の逆機能は「大企業病」とも言われているとおり、日本の大企業にも多く当てはまっており、この"病気"が理由で環境変化に対応できない事例は多々あります。

次の章で具体的な官僚制の逆機能の例をお伝えするので、自身が所属している会社に当てはまっていないか確認してみてください。

官僚制の逆機能の種類と具体例

官僚制の逆機能には、主に下記5つの種類があります。

各種類について、具体例を交えつつご紹介します。

形式主義

形式主義とは、規則ばかりを重視する(規則通りの行動しかとらない)状態を指した用語です。

例えばある製品を作っている際に、マニュアル通りに作るよりも、より高品質の製品をより低コストで作れる方法を見つけたとしましょう。

この際官僚的な組織だと、上司に直談判しても「マニュアル通りにやるのがウチのルールだから」などと言われて、どれほど良いプランでも却下されてしまいます。

これが規則ばかりを重視する形式主義の一例であり、チャンスを見逃してしまう要因にもなり得ます。

他にも、「規則だから無理です」とか「マニュアル通りに仕事してください」といった言葉が過度に使われている会社は、官僚制の逆機能(形式主義)に陥っていると考えられます。 

訓練された無能

訓練された無能とは、行動のワンパターン化やルールの遵守により、意思決定のパターンが硬直化する現象です。

例えば、自社商品を購入してくれる消費者のニーズが変わってきたとしましょう。

通常であれば、消費者のニーズの変化を察知し、ニーズに合わせて商品を改良するなどの対策を実施します。

しかし官僚制の逆機能に陥っている組織では、各従業員はマニュアル通りに製品を生産したり、これまで慣れ親しんだ商品を作り続けることを重要視します。

その結果ニーズの変化に察知できなかったり、察知したとしても対応しようという発想が出てこなくなり、市場のニーズ変化に対応できずに業績が悪化してしまいます。

これまでの行動やマニュアル、ルールを遵守するあまり、革新的なアイデアや広い視野を持つことができなくなっている組織は、官僚制の逆機能を発症している可能性が高いです。

目標の置換

目標の置換とは、本来規則とは組織の目標を達成する手段であるにも関わらず、ルールを守ることが目標となってしまう現象を意味します。

例えばある営業部で、「一ヶ月で10人の新規顧客を獲得する」というノルマがあるとしましょう。

こうしたノルマは、一ヶ月あたりの目標売上高を達成するための手段にすぎません。

しかし官僚制の逆機能が進行した組織では、一ヶ月で10人の新規顧客を獲得することが目標となってしまいます。

その結果新規顧客を獲得するために、詐欺的な言いくるめ方で無理やり顧客を獲得したり、デメリットを一切言わずに強引に顧客を獲得するなどの行動に出る恐れがあります。

その結果、後々顧客に訴えられたりして、会社側は大損害を被る恐れがあります。

このように手段が目標となってしまうと、会社に悪影響が及んだり、本来目指していた目標を達成できなくなる恐れがあります。

セクショナリズム

セクショナリズムとは、会社全体として得られるメリット(利益)よりも、自分に割り当てられた仕事や、自身の属する部門の利益のみを優先する状態です。

例えば自分の管轄外の仕事をたらい回しにしたり、部門別の業績が下がるのを恐れて新規事業のチームに優秀な人材の移転を拒否するなどの行為が、セクショナリズムの一例です。

このようなセクショナリズム(官僚制の逆機能)が深刻になると、全社的な業績がかえって減少する恐れがあるので注意が必要です。

繁文縟礼(はんぶんじょくれい)

繁文縟礼(はんぶんじょくれい)とは、規則や手続きが細かすぎて、業務の遂行がかえって非効率となっている状況です。

例えば見込み顧客へのアプローチを行う際に、毎回報告書の作成や上司の承認などが必要だと、余計に手間や時間がかかり非効率です。

仕事を行う際に不必要な手続きが多いなと感じたり、書類作成の専門部署が社内にある場合には、官僚制の逆機能が生じている可能性があるので要注意です。

官僚制の逆機能の対策

官僚制の逆機能を放置しておくと、先ほどお伝えしたとおり環境変化に対応できなくなります。

それだけでなく、組織全体の生産性が低下したり、従業員や顧客のモチベーション・満足度が低下する可能性もあるので、早いうちに対策を講じる必要があります。

官僚制の逆機能について色々と調べた結果、下記3つの対策が効果的だと考えられます。

組織構造をフラットにする

一つ目の対策は、組織の構造をフラット(平ら)にすることです。

具体的には、中間管理職の階層を少なくする(課長職をなくすなど)施策が効果的です。

中間管理職の階層が多いほど、意思決定のプロセスが長くなったり、余計な手続きが多くなります。

そこで中間管理職の階層を少なくすれば、その分意思決定までのプロセスや手続きを簡略化できます。

ただし中間管理職を減らすと、少なくなった分だけ管理職一人当たりの統制範囲が拡大するため、その部分の対策も必要です。

一人の管理職が管理できる範囲を拡大するために、権限を一人一人の従業員に委譲する等の対策を講じる必要があります。

一人一人が自発的に行動する組織に変える

中間管理職を減らすというのは、実務的な視点から見ると簡単にはできないと思います。

そこでオススメな対策が、一人一人が自発的に行動する組織に変えることです。

一人一人が自発的に行動する組織になれば、その分煩雑な手続きや厳格なルールを減らせます。

それにより、意思決定のスピードが向上したり、一人一人が柔軟に思考できるようになります。

一人一人が自発的に行動する組織を作るには、エンパワーメントの実施が効果的だと考えられます。

エンパワーメントとは、従業員の裁量を拡大し、自分で考えて行動できるようにすることです。

エンパワーメントを成功させるには、個々人の強みを活かせるような仕事を任せたり、上司が部下のサポート・アドバイス役に徹することなどがポイントになります。

縦割り組織にヨコ串を入れる(プロジェクトチームやマトリックス組織の導入)

官僚制の逆機能への対策としては、プロジェクトチームやマトリックス組織の導入も効果的です。

プロジェクトチームとは、ある新規プロジェクトを行う際に、製造やマーケティングなど複数の部門からメンバーを集めて臨時的に構成する組織です。

一方でマトリックス組織とは、営業やマーケなどの「機能」と商品やエリアなどの「事業部」が格子状に組み合わさっている組織形態です。

プロジェクトチームやマトリックス組織を導入すると、営業やマーケティングといった機能別(縦割り)に構成されている組織にヨコ串を横断的に入れることができます。

それにより、セクショナリズムをはじめとした官僚制の逆機能を軽減できる可能性があります。

マトリックス組織を詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。 

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官僚制の逆機能のまとめ

この記事では、日本にある多くの大企業が陥っている官僚制の逆機能について、具体例や対策をご紹介しました。

環境変化への対応力低下や組織構成員のモチベーション・生産性の低下などを招くため、企業にとって官僚制の逆機能は最優先で対策すべき課題です。

この記事を読んでいる方も、今自身が属している(経営している)会社が官僚制の逆機能に陥っていないか確認してみると良いかもしれません。

そして官僚制の逆機能に陥っているのであれば、ご自身で対処できる範囲で良いので、アクションを起こしてみましょう!

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KPIの指標を業種・職種別に紹介〜業種や職種に応じて最適なKPIを使おう!〜

KPIの指標

KPIによる経営(業務)管理は、多くの企業や職場で活用されています。

この記事を読んでいる方の中にも、自分が携わっている業務にKPIを導入しようと考えている方がいると思います。

ですがKPIと一口にいっても、実は業種や職種によって最適な指標は異なります。

KPIを設定する際は、業種や職種に応じて最適な指標を用いるのが大事です。

そこで今回は、KPIで活用する指標を業界や職種別にご紹介します。

営業やWebマーケティング、飲食業、製造業などの業種の方には、特に必見の内容です!

  • 営業で用いるKPI指標の例
    • 新規顧客の獲得数
    • アポイント・訪問件数 
    • 既存顧客のリピート率
  • Webマーケティングで用いるKPI指標の例
    • PV(ページビュー)数
    • 平均セッション時間
    • コンバージョン率
  • 飲食業で用いるKPI指標の例
    • 来店客数
    • 一回あたりの顧客単価
  • 製造業で用いるKPI指標の例
    • 生産個数
    • 不良品数・不良率
    • 事故発生件数 
  • KPI指標のまとめ

営業で用いるKPI指標の例

KPIといえば、営業部門で活用されるのが最も一般的です。

この章では、そんな営業部門で役立つKPIの指標を3つご紹介します。

新規顧客の獲得数

営業といえば、新しい顧客を1人でも多く獲得して売上高を伸ばすのが仕事です。

なのでKPIの指標には、一ヶ月あたり新規顧客の獲得数を設定するケースが多いです。

ただし新規顧客の獲得数をKPIの指標に設定する際には、現実的な実現可能性を考慮するのが大事です。

新規顧客の獲得は簡単ではなく、数をこなせばより多く獲得できるとは一概に言えないためです。

あまりにも難しいKPIを設定すると、従業員のモチベーション低下や、無理に契約を取ろうとして都合の悪い情報を顧客に伝えなくなる、などの事態が生じる恐れがあります。

アポイント・訪問件数 

新規顧客の獲得にはノウハウやスキルが必要ですが、アポイントや訪問の件数は基本的に数をこなせば増えやすいです。

差がつきにくく実行しやすいため、アポイントや訪問の件数をKPIとして設定する場合も多いです。

ただしアポイントや訪問の件数をKPIの指標に使う場合も、現実的な実現可能性を考慮しなくてはいけません。

就労時間内に達成するのが不可能な数を設定しても、KPIとしての機能を果たさないので注意しましょう。

既存顧客のリピート率

営業と聞くと新規顧客の獲得をイメージする方が多いですが、既存顧客のリピートも非常に重要です。

むしろ既存顧客からの支持を得られれば、新規顧客を獲得するよりも低コストで売り上げを伸ばしやすいです。

効率的に業績を伸ばすには、既存顧客への継続的な営業も大切となります。

既存顧客を重視した営業を行う際は、リピート率をKPIの指標として活用するのが良いでしょう。

Webマーケティングで用いるKPI指標の例

自社サイトの運営などをはじめとして、近年はWebマーケティングに取り組む企業が増加しています。

この章では、Webマーケティングで効果的なKPIの指標を3種類ご紹介します。 

PV(ページビュー)数

PV(ページビュー)数とは、自社の保有するサイトのページ(コンテンツ)が読まれた数です。

PV数が多いほど、より多くの見込み客や顧客に自社のサイトを見てもらえていると判断できます。

自社商品を販売するWebサイトや情報メディアサイトの運営を始める方は、まず最優先にPV数の増加を目標に事業を行うのがオススメです。

平均セッション時間

Webサイトやブログを運営する際には、ただ単にPV数を増やせば良い訳ではありません。

どれほどPV数を増やしても、魅力のないコンテンツばかりだと、商品の購入などにはつながらず、得られる収益の額は少なくなります。

Webサイトの魅力度を高めるのを目標にする場合、平均セッション時間をKPI指標として活用するのが一般的です。

平均セッション時間とは、ユーザー1人あたりがサイトを訪れてから離脱するまでの平均滞在時間です。

平均セッション時間が長いほど、それだけWebサイトの魅力が高いと判断できます。

自社と似ているサイトや同業他社の平均セッション時間、過去の平均セッション時間などと比較するのがポイントです。

コンバージョン率

Webマーケティングにおける究極のゴールは、基本的に収益を多く得ることです。

どれだけPV数や平均セッション時間などの指標が優れていても、それが売り上げに結びつかなければ意味がありません。

ある程度PV数や平均セッション時間の指標が伸びてきたら、コンバージョン率という指標をKPIとして重視しなくてはいけません。

コンバージョン率とは、Webサイトへのアクセス総数のうち、コンバージョン(サービスの申し込みや商品の購入といった売り上げを生み出すアクション)に結びついた数の割合を意味します。

極端な話PV数や平均セッション時間の指標が悪くても、コンバージョン率が極端に高ければ売り上げは得られます。

収益の獲得を重視する方は、コンバージョン率をKPIに設定した上で対策を講じましょう。

飲食業で用いるKPI指標の例

飲食業では、昔からKPIが自然に活用されてきました。

数ある中から、今回は飲食業で特に役立つ2つの指標をご紹介します。

来店客数

飲食店が最も重視すべきである指標は、やはり来店客数でしょう。

どれほど顧客単価が高くても、来店客数がほぼ0に等しければ売り上げはほとんど得られません。

飲食店を経営する際は、目標売上高(利益)や客単価から逆算し、一ヶ月あたりの目標来店客数をKPIとして設定しましょう。

そしてKPIとして定めた数を下回ったら、宣伝広告の強化や外に立てかける看板の変更などの施策を行い、来店客数の増加に努める必要があります。

一回あたりの顧客単価

来店客数が最重要指標であるのはもちろんですが、一回あたりの顧客単価があまりにも少ないのも問題です。

例えば毎回200円のコーヒーだけ頼んでランチやディナーを頼んでもらえなかったら、来店客数がある程度確保できても売り上げは思ったほど伸びません。

飲食店を経営する際は、来店客数と同時に「一回あたりの顧客単価」をKPIの指標として設定するのが重要です。

一回あたりの顧客単価は、目標の売上高や想定している来店客数から逆算して設定しましょう。

事前に定めた顧客単価を下回ったら、メニューや値段を変更したり、店内の内装を変更するなどして、より一回あたりの来店で多くのお金を使ってもらえるように工夫する必要があります。

 

ここまで読んできて、KPIの設定方法をそもそも知りたいと思った方もいると思います。

KPIの設定方法について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください!

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製造業で用いるKPI指標の例

最後に、日本の経済を支える製造業で用いるKPIの指標をお伝えします。

製造業の性質上、他の業種とは異なる視点でKPIの指標を設定する場合もあるので注意してご確認ください。

生産個数

製造業では、あらかじめ定められた納期内に指定の個数を生産することが求められます。

また自社で製造から販売まで行う際にも、需用量に応じた量だけ製品を製造する必要があります。

指定期間内に必要な量を生産することが第一目標であれば、生産個数をKPIに活用するのが良いでしょう。

不良品数・不良率

ただ多く生産するだけでなく、なるべく不良品を出さないことも製造業では重要です。

不良品を出してしまうと手直しが必要になり、余分なコストや労力がかかってしまいます。

また不良品をそのまま納品してしまうと、後々顧客や取引先と大きなトラブルになり、事業の継続が危ぶまれるリスクもあります。

そのため製造業では、不良品数や不良率をKPIとして設定し、なるべくこれらの指標が小さくなるように努力しなくてはいけません。

事故発生件数 

製造業を経営する上で忘れてはいけないのが、事故のリスクです。

何を製造するかにもよりますが、事故で大怪我を負ったり、最悪の場合後遺症を負ったり命を失うリスクもあります。

製造現場の安全性を高める目的で、KPIの指標に事故発生件数を設定する企業は少なくありません。

製造業で人を雇っている方は、大事な従業員を守るためにも事故発生件数の減少(もちろんゼロが理想です)を目指しましょう。

KPI指標のまとめ

今回の記事では、業種や職種別に最適なKPIの指標をご説明しました。

自身が携わっている仕事の内容によって最適なKPIの指標は異なります。

KPIを活用する際は、自身の業務に直結する指標をKPIとして設定するように努めましょう。

今回の記事が、KPIの活用を検討している方の助けになっていれば幸いです!

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スキミングプライシングとは?【新製品の価格設定方法:その2】

スキミングプライシング

前回の記事でもお伝えしたように、新製品の価格設定はその後の事業運営の成否を左右し得る重要な意思決定です。

新製品の価格設定は、新製品の特性や市場の動向を踏まえ、慎重に実施する必要があります。

そんな新製品の価格設定方法には、主に「ペネトレーションプライシング」と「スキミングプライシング」という二種類があります。

前回の記事では「ペネトレーションプライシング」についてお伝えしたので、今回はスキミングプライシングについて解説します。

スキミングプライシングの意味やメリット、適用要件など、新製品の価格を付ける上で特に大切なポイントをわかりやすくお伝えします。

新製品の価格設定にお悩みの方は、是非ご参照ください!

  • スキミングプライシング(上澄吸収価格政策)とは?
  • スキミングプライシングにより新製品の価格を決定するメリット
    • 市場に導入した直後からたくさんの利潤を見込める 
    • 新製品の開発費用を短時間で回収できる
    • 「高級な製品」というブランドイメージを確立しやすい
  • スキミングプライシングが適している新製品の要件
    • 高価格をつけるにふさわしいほど品質やイメージが優れている
    • 高価格にしても強い需要がたくさん見込める
    • 容易に低価格で市場に参入できない・価格弾力性が低い
  • スキミングプライシングのまとめ

スキミングプライシング(上澄吸収価格政策)とは?

スキミングプライシングとは、新製品の価格をかなり高く設定し、早い段階で事業に投資した資金を回収しようとする価格設定の方法です。

市場の上澄み(富裕層やイノベーターなど)をターゲットとしている点から、上澄吸収価格政策とも言われています。

売り出し当初は高価格を付けるものの、後々競合企業が参入してきた際には価格を下げて対抗するケースが一般的です。 

ペネトレーションプライシングとは対照的に、新製品の発売当初から利潤の獲得を目指している点がスキミングプライシングの特徴です。

※ペネトレーションプライシングについては、下記の記事をご参照ください!

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スキミングプライシングにより新製品の価格を決定するメリット

スキミングプライシングによる新製品の価格設定には、以下3つのメリットがあります。

市場に導入した直後からたくさんの利潤を見込める 

ペネトレーションプライシングでは、導入当初はほとんど利潤を得られません。

一方でスキミングプライシングでは、原価よりも大幅に高い値段で新製品を売りだします。

そのため、市場に導入した直後からたくさんの利潤を得られる可能性があります。

たくさんの利潤を早い段階から獲得することで、さらに事業へ投資を行ったり、他の事業にその利潤を回したりできる点はスキミングプライシングに特有のメリットです。

新製品の開発費用を短時間で回収できる

通常新しい製品を開発するには、多大なコストを要します。

設備投資や人件費、マーケティング費用などを含めると、初期投資を回収するまでにはけっこうな時間がかかります。

一方で高めの価格をつけた商品では、商品さえ売れれば設立当初からたくさんの利潤を得られます。

なのでペネトレーションプライシングと比べると、より短時間で新製品の開発費用を回収できます。

「高級な製品」というブランドイメージを確立しやすい

前回の記事でもお伝えしましたが、私たち消費者は最初に購入した時の価格がその後の購買意思決定の基準となったり、商品に対するイメージが決まります。

例えば最初にリーズナブルな大衆ブランドであると認識されると、その後そのブランドには「安くて大衆的な商品」というイメージがつくというわけです。

ですので、商品の質にも左右されるものの、最初に高価格で売り出すことで、「高級な製品」といったブランドイメージを確立しやすくなります。 

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スキミングプライシングが適している新製品の要件

有名な経営学者であるコトラー氏は、スキミングプライシングが適している新製品の要件として次の3つを挙げました。

高価格をつけるにふさわしいほど品質やイメージが優れている

スキミングプライシングを活用するには、その新製品が高価格をつけるにふさわしいほど、品質やイメージが優れている必要があります。

これまでの商品と大差ない普通の製品や、大して性能やデザイン・イメージ面が良くない製品だと、値段を高くしても買ってもらえません。

スキミングプライシングを使う際は、他社製品とは大きく異なり、かつ十分良質な性能やイメージがあるかどうかをあらかじめ確認しましょう。 

高価格にしても強い需要がたくさん見込める

根本的な部分ですが、高価格にしても需要がなければ、誰も新製品を購入しないので売り上げも利潤も得られません。

新製品が高価格でも買ってもらえるには、革新的な商品に熱狂的な需要を持つイノベーターと呼ばれる人たちが一定数存在する必要があります。

あらかじめマーケティングリサーチを行い、強い需要を持つイノベーターの存在が一定数確認できたら、スキミングプライシングを適用しても良いでしょう。

容易に低価格で市場に参入できない・価格弾力性が低い

他社が容易に低価格で同種の商品を売り出せる状況だと、スキミングプライシングで高価格をつけたとしても、十分な利潤を得られません。

基本的に消費者は、同種の商品であれば安い方を購入するからです。

スキミングプライシングを新製品に適用するには、容易に商品を安く売り出せない程度には、参入障壁が高い必要があります。

もしくは需要の価格弾力性が低い商品に対しても、スキミングプライシングは適しています。

需要の価格弾力性が低いというのは、価格を下げても需要量があまり増加しないことを意味します。

よって需要の価格弾力性が低いと、仮に他社が低価格で売り出せたとしても、引き続き高価格で商品を売りだして利潤を得られる可能性が高いです。

スキミングプライシングのまとめ

今回は、新製品の価格設定方法の一つであるスキミングプライシングについて解説しました。

スキミングプライシングを適用すると、売り出しを始めてから短時間で新製品の開発費用を回収できます。

しかし新製品に対する需要がなかったり、良質な性能がなければ、スキミングプライシングのメリットを十分得られない可能性があります。

 

前回から二回にわたって、新製品の価格設定方法を解説してきました。

お伝えしてきたとおり、「ペネトレーションプライシング」と「スキミングプライシング」では、得られるメリットや適している要件に違いがあります。

新製品を売り出す際は、状況や目的に応じて適切な価格設定の方法を選択しましょう。

 

新製品に限らなければ、商品・サービスの価格設定の方法には、他にも様々な種類があります。

以下の記事でいくつかご紹介しているので、もし良かったら参考にしてみてください!

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ペネトレーションプライシングとは?【新製品の価格設定方法:その1】

ペネトレーションプライシング

新製品の価格設定は慎重に!!!さもないとその後の事業運営で失敗するかもしれません・・・

 

新しい製品を開発・発売する際、「いくらで商品を販売すべきか?」という悩みを抱えた経験を持つ方は少なくないと思います。

「新製品の価格なんて最初は適当でも良いでしょ」と思うかもしれませんが、実はむやみに価格を設定するのはリスクの高い行為です。

心理学や行動経済学の研究により、私たち消費者は、最初に購入した価格をベースにその後の購買意思決定を行うことが明らかとなっています。

※気になる方は「アンカリング効果」という用語を調べたり、行動経済学を読んでみてください。

例えば一度商品を安く販売してしまうと、後から値段を上げても中々買ってもらいにくくなります。

なので最初の価格設定に失敗すると、その後の事業運営にも支障をきたす可能性があります。

事業運営で成功するためには、製品の特性や市場の状況に応じて、慎重に新製品の価格を設定することが重要です。

 

新製品の価格設定では、主に「ペネトレーションプライシング」と「スキミングプライシング」という二種類の方法が用いられます。

それぞれメリットや適している新製品の条件は異なるため、状況に応じて適切な価格設定の方法を選択する必要があります。

 

そこで今回の記事と次回の記事では、新製品の価格設定で用いられる「ペネトレーションプライシング」と「スキミングプライシング」を詳しく解説します。

今回(その1)は、ペネトレーションプライシングのメリットや条件をご紹介します。

新製品の価格設定に悩んでいる方は必見です!

  • ペネトレーションプライシング(市場浸透価格政策)とは?
  • ペネトレーションプライシングにより新製品の価格を決めるメリット
    • 早い時期から市場シェアを確保できる
    • 早期から製品ブランドの認知度を高めることができる
    • 累積生産量が多くなるに伴い、さらなる低価格を設定できる
  • ペネトレーションプライシングを適用する新製品の条件
    • 市場の価格弾力性が高い
    • 生産や流通に要する費用が販売量の増加に伴い低下する
    • 低価格を設定することで競合他社を打ち負かすことができる
  • ペネトレーションプライシングのまとめ

ペネトレーションプライシング(市場浸透価格政策)とは?

ペネトレーションプライシングとは、新製品の価格を圧倒的な低価格に設定し、価格面での魅力により顧客の購買意欲を掻き立てる価格設定の方法です。

短時間で新製品を市場に浸透させるのを目的としているため、市場浸透価格政策とも呼ばれます。

圧倒的な低価格とお伝えしたように、製造原価とほぼ同じくらい、もしくはそれ以上に低い価格で新製品を販売するのがペネトレーションプライシングの特徴です。

そのため新製品の導入初期は、市場シェアや認知度を獲得しやすくなる代わりに、利益は度外視となる場合が多いです。

ペネトレーションプライシングと真逆のスキミングプライシングについては、下記の記事をご参照ください。

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ペネトレーションプライシングにより新製品の価格を決めるメリット

ペネトレーションプライシングで新製品の価格を設定すると、下記3つのメリットを期待できます。 

早い時期から市場シェアを確保できる

通常新しい製品は知名度もなくそこまで安くないので、市場に浸透する(多くの消費者に買ってもらえる)まで長い時間を要します。

一方で圧倒的な低価格を新製品に設定すれば、私たち消費者は基本的に安い商品に魅力を感じるため、新製品を導入してまもない時期から市場シェアを一定数獲得することができます。

革新的なサービス・製品の市場で早期に市場シェアを確保することで、その後の事業展開を有利に進められるのは大きなメリットです。

早期から製品ブランドの認知度を高めることができる

一つ目のメリットと重複しますが、早い時期から製品ブランドの認知度が向上する点も、ペネトレーションプライシングの大きなメリットです。

いち早く優れたブランドイメージを消費者に植え付ける事ができれば、他社が同種の商品を発売した際に乗り換えを防止する事ができます。

また私たち消費者は、今使っている商品と同種の商品を他の企業が発売しても、新しく使用方法を覚える面倒さなど(これをスイッチングコストと言います)から、わざわざ他のブランドに乗り換えないケースが多いです。

なのでブランド力の有無に関係なく、ペネトレーションプライシングによりブランドの認知度をいち早く高めるのは有効な施策と言えます。

※スイッチングコストについては下記の記事で詳しく解説しています。

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累積生産量が多くなるに伴い、さらなる低価格を設定できる

後ほどお伝えしますが、ペネトレーションプライシングは生産量の増加に伴い製造コストが低下する新製品に適用する価格設定の方法です。

つまり累積生産量が増加に伴い製造コストが低下するため、さらなる低価格を設定できるようになります。

他社が参入してきた頃にさらなる低価格を設定できれば、他社との競争に打ち勝つ事ができます。

ただし価格を設定する際には、価格競争に陥らないように注意が必要です。

他社の動向次第で価格競争に陥りそうであれば、価格を下げる戦略には慎重にならなくてはいけません。 

ペネトレーションプライシングを適用する新製品の条件

ペネトレーションプライシングは、全ての新製品に適している訳ではありません。

かの有名な経営学者フィリップ・コトラー氏は、ペネトレーションプライシングが成立する条件として、主に下記3つの条件を述べました。

市場の価格弾力性が高い

まず一つ目の条件は、市場の価格弾力性が高いことです。

市場の価格弾力性が高いというのは、価格を下げることで需要量が大きく増加する状態を意味します。

ペネトレーションプライシングは、低価格により他社に競争優位を築く戦略です。

そのため、価格を低くした際に大きく需要量が増えないと、通常価格で販売する他社と比べて優位に立てないので意味がないのです。

生産や流通に要する費用が販売量の増加に伴い低下する

ペネトレーションプライシングが適する二つ目の条件は、生産や流通にかかる費用が、販売量の増加に伴い減少する新製品であることです。

ペネトレーションプライシングは、導入当初は原価と同等かそれ以下の価格で販売する方法です。

なので、コストが下がらない限り大きく利益を得るのは難しい価格設定の方法であると言えます。

ペネトレーションプライシングで価格を設定するには、大量生産などによりコストが低下し、得られる利益の幅が大きくならなくてはいけません。

低価格を設定することで競合他社を打ち負かすことができる

繰り返しになりますが、ペネトレーションプライシングは「低価格」をウリに新製品の市場シェアや売り上げを伸ばす価格設定の方法です。

ですので、低価格を設定したのに競合他社に優位性を築けない状況には適していません。

具体的には、新製品ですでに差別化やブランド化が進んでいる状況の場合、低価格を設定しても競合他社を打ち負かすのは難しいと言えます。 

ペネトレーションプライシングのまとめ

今回の記事では、新製品の価格設定方法の1つ目として、ペネトレーションプライシングをご紹介しました。

新製品に低価格を設定することで、発売してから短時間で市場シェアを高められる可能性があります。

ただし価格弾力性が低い場合や生産コストが低下しない新製品の場合、ペネトレーションプライシングは適していないので注意が必要です。

次回の記事では、新製品の価格設定におけるもう一つの方法「スキミングプライシング」をご紹介します。

新製品の価格設定に悩む方は、そちらの記事もぜひご参照ください!

 

なお価格設定の方法には、他にも様々な方法があります。

さまざまな商品・サービスに適用できる価格設定の方法を知りたい方は、下記の記事も参照してみてください! 

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コストリーダーシップ戦略とは?デメリットや差別化戦略との違い、具体例を紹介!

コストリーダーシップ戦略

世界的に有名な経営学の教授ポーター氏は、企業が競争優位を確立する手段として、三つの基本戦略を提唱しました。

その中の一つに「コストリーダーシップ戦略」があります。

コストリーダーシップは有名な経営戦略ですが、すべての企業に適しているとは限らず、リスクを無視して導入すると大きな損失を被る可能性があります。

今回の記事では、コストリーダーシップ戦略の意味やデメリット(リスク)、導入している企業の例などをわかりやすくお伝えします。

  • コストリーダーシップ戦略とは
    • コストリーダーシップ戦略の意味
    • 競争優位性を確立する「三つの基本戦略」
  • コストリーダーシップ戦略のデメリット(リスク)
    • 規模の経済性や経験曲線効果を得るのが難しい
    • 利益度外視の価格競争に巻き込まれるリスクがある
  • コストリーダーシップ戦略のメリット
    • 他社よりも低価格で販売すれば顧客に買ってもらいやすくなる
    • 相場とほぼ同じ値段で販売すればより多くの利益を得られる
  • コストリーダーシップ戦略を行う企業の具体例
    • 事例①:マクドナルド
    • 事例②:ユニクロ
  • コストリーダーシップ戦略のまとめ

コストリーダーシップ戦略とは

コストリーダーシップ戦略の意味

コストリーダーシップ戦略とは、同業他社よりも低コストで製品を生産することで競争優位性を確立する経営戦略であり、ハーバードビジネススクールの教授"マイケル・ポーター"氏が提唱しました。

低コストで製品を生産するには、大量生産による規模の経済性の実現や経験曲線効果の獲得、革新的な技術・生産プロセスの確立などが求められます。

規模の経済性は「事業規模や生産量の増加に伴い、製品一個あたりの生産コストが逓減する現象」、経験曲線効果は「製品の累積生産量の増加に伴い、製品一個あたりの生産コストが減る現象」を意味します。

つまりコストリーダーシップ戦略を行うには、基本的に大規模な生産が必要というわけです。

豊富にある経営資源を存分に用いて、いち早く低コスト生産を始めることで競争優位性を確立するのがコストリーダーシップ戦略の肝となります。

競争優位性を確立する「三つの基本戦略」

ポーター教授は競争優位性を確立する経営戦略として、コストリーダーシップ戦略を含めた三つの基本戦略を提唱しました。

コストリーダーシップ戦略以外の二つは次の通りです。

  • 差別化戦略:価格以外の面で他社との違いを打ち出して競争優位性を築く
  • 集中戦略:特定の小さい市場(ニッチ市場)をターゲットとした上で差別化もしくはコスト面で競争優位性を築く

特に集中戦略(ニッチャー戦略)は、大手企業との競争を避けた上で利益の確保を目指す考え方であり、経営資源を多く持たない中小企業に適しています。

集中戦略(ニッチャー戦略)について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。 

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コストリーダーシップ戦略のデメリット(リスク)

コストリーダーシップ戦略は一見すると優れているように見えますが、実は大きなデメリット(リスク)を持つ経営戦略です。

コストリーダーシップ戦略の導入を検討する際は、下記2つのデメリット(リスク)を踏まえた上で決断しましょう。

規模の経済性や経験曲線効果を得るのが難しい

先ほどお伝えした通り、コストリーダーシップ戦略による低コスト生産を行うには、規模の経済性や経験曲線効果を得る必要があります。

規模の経済性を得るには、大規模な工場や多くの作業員が必要となるため、多大なコストを要します。

一方で経験曲線効果を得るには、たくさんの製品を生産する必要があり、コストと時間共にかかります。

つまり規模の経済性にしろ経験曲線効果にしろ、十分な効果を得るには多大なコストや経営資源、時間が必要となります。

必然的に経営資源を持つ大企業の方が有利な経営戦略であり、設立当初のベンチャーや中小企業がコストリーダーシップで大企業に勝つのは極めて難しいでしょう。

利益度外視の価格競争に巻き込まれるリスクがある

コストリーダーシップ戦略を行うと、相場よりも低い価格で販売して他社を打ち負か背ます。

しかし仮に競合他社も低価格で販売し始めた場合、より低い価格で販売しないと競争優位性が失われてしまいます。

そこでさらに価格を下げてしまうと、価格競争が始まってしまい、どれほど商品を販売しても利益を得られなくなるリスクがあります。

コストリーダーシップ戦略を導入すると、価格競争に巻き込まれるリスクが高まるので十分な注意が必要です。

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コストリーダーシップ戦略のメリット

大きなデメリット(リスク)を持つコストリーダーシップ戦略ですが、実はメリットもあります。

上手く活用できれば、コストリーダーシップ戦略は非常にメリットの大きい経営戦略です。

具体的には、下記二つのメリットがあります。

他社よりも低価格で販売すれば顧客に買ってもらいやすくなる

大量生産により低コストで製品を生産すれば、その分相場よりも低価格で販売できます。

例えば製造するのに通常100円の費用がかかる商品を、120円で販売しているとしましょう。この場合、20円下げると全く利益を得られなくなります。

しかし大量生産により70円で製造できるようになると、20円下げても30円の利益が残ります。

このように、コストリーダーシップ戦略により低コスト生産を実現すれば、他の企業が手を出せないほどまで価格を下げることができます。

相場よりも低い価格で販売すれば、その分顧客にとって魅力のある商品となり、それまで以上に購入してもらいやすくなります。

ただし前述した通り、他社も価格を下げてきた場合には価格競争に巻き込まれるリスクがあるので注意しなくてはいけません。 

相場とほぼ同じ値段で販売すればより多くの利益を得られる

コストリーダーシップ戦略は、必ずしも低価格で販売する戦略という訳ではありません。

低コストで生産した商品を、これまでと同じ価格や相場価格で販売し、より大きな利益獲得を目指す戦略もとれます。

先ほどの例でいうと、価格を下げずにそのまま販売すれば、コストの低減分(30円)だけ利益を多く得られるようになります。

ブランド力のある製品は、価格を下げてしまうと逆にブランド力が低下し、買ってもらえなくなる可能性があります。

そのような商品は、例え低コストで生産できるようになっても、あえて従来通りの価格で販売する方が賢い選択であると言えます。

つまりブランド面での差別化戦略に成功している企業が低コストで製品を生産できるようになれば、さらに多くの利益を得られる可能性があるのです。

下記の記事で差別化戦略について詳しく説明しているので、もしよければ参考にしてください!

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コストリーダーシップ戦略を行う企業の具体例

最後に、コストリーダーシップ戦略を実践している企業の事例を2つご紹介します。

今回は、「マクドナルド」と「ユニクロ」のコストリーダーシップ戦略の事例を取り上げます。

事例①:マクドナルド

コストリーダーシップ戦略の代表格として世界的に認知されているのが、大手ハンバーガチェーンのマクドナルドです。

マクドナルドといえば、同業他社(モスバーガーやバーガキングなど)と比べると、圧倒的に安い値段でハンバーガを食べることができます。

圧倒的な低価格で主に若年層からの人気を集めるマクドナルドですが、実は昔は今以上にコストリーダーシップ戦略を前面に押し出していました。

大幅な値下げ政策により一時は大きくシェアを伸ばした同社ですが、大規模な価格競争を引き起こし、結果的に過度な低価格戦略は失敗に終わりました。

現在は低価格を訴求するよりは、製品開発のプロセスを最適化することで低コストを実現したり、製品開発力の強化にも着手しています。

バランスの取れたコストリーダーシップ戦略に舵を切ることで、同社は再びハンバーガー業界で成功を収めるに至っています。

事例②:ユニクロ

日本を代表する衣料品ブランドのユニクロも、コストリーダーシップ戦略を実践する企業の一つです。 

ユニクロの行うコストリーダーシップの特徴は、SPA(製造小売業)というビジネスモデルを確立している点です。

SPA(製造小売業)とは、商品の企画から製造、販売までを自社で一貫して行うビジネスモデルです。

中間業者を介さないことで、競合他社と同品質の商品を、圧倒的な低コストで生産・販売するのを可能にしています。

他社に支払うコストをカットする形で低コスト・高品質を実現している点が、ユニクロの強みであると言えます。

※参考

www.00keiei.com

コストリーダーシップ戦略のまとめ

コストリーダーシップ戦略は、価格競争に巻き込まれるリスクがある上に、低コストを実現する上で難易度が高い経営戦略です。

しかし一方で、上手く活用できれば他社を価格面で打ち負かしたり、より多くの利益を得られるようになる可能性もあります。

運用が難しい経営戦略ですが、低コスト生産を可能にする戦略や技術があるのであれば、チャレンジする価値は十分あるでしょう。

今回お伝えした内容が、コストリーダーシップ戦略を理解するのに役立っていれば幸いです!

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PDCAサイクルとは?PDCAを回すコツやメリットを再確認しよう!

PDCAサイクルとは

「PDCAサイクルを回す」「PDCAを意識しよう」

ビジネスのあらゆる場面でPDCAサイクルという用語が飛び交っており、この記事を読んでいる方の多くも一度は耳にした経験があると思います。

今回は、そんなビジネスで有名なPDCAサイクルとは何かをお伝えします。

「PDCAサイクルなんて知っているし、今さら取り上げるほどの話題じゃない」と思うかたは多いと思います。

ですが、PDCAサイクルの詳しいやり方やコツまでは知らないという方もいるかもしれません。

PDCAサイクルについて深く理解し実際に活用できれば、ビジネスやプライベートのあらゆる場面で大きなメリットを得られます。 

PDCAサイクルとは何なのか知らない方はもちろん、聞いたことがあるけどよくわからないという方も必見です!

  • PDCAサイクルとは?PDCAサイクルの意味をおさらい!
  • PDCAサイクルを経営管理で用いるメリットとは
    • メリット①:目標達成に向けて「今何をすべきか?」を明確にできる
    • メリット②:最適解を最短ルートで見つけることができる 
  • PDCAサイクルの各項目を詳しく解説
    • Plan(計画)
    • Do(行動)
    • Check(評価)
    • Action(修正)
  • PDCAサイクルを回す方法を具体例で見てみよう!
    • Step1:Plan(計画)
    • Step2:Do(行動)
    • Step3:Check(評価)
      • 良い点
      • 課題
    • Step4:Action(修正)
    • Step5:Step4の結果を踏まえて、P→D→C→Aのサイクルを再び回す
  • PDCAサイクルを回すコツ
    • 状況に応じて重点を置くポイントを変える
    • PDCAサイクルはあくまで「手段」であることを意識する
  • PDCAサイクルのまとめ

PDCAサイクルとは?PDCAサイクルの意味をおさらい!

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(行動)」「Check(評価)」「Act(修正)」のサイクルを回す(繰り返す)ことで業務や行動の質を向上させる経営管理の手法です。

PDCAサイクルは次の流れで回します。

設定した目標に応じて具体的な計画を作成する(Plan)→計画に基づいて実際に行動する(Do)→行動の結果を測定・評価する(Check)→評価内容に応じて計画を修正する(Action)→修正内容に応じて再度PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルは経営管理のみならず、様々な分野に応用できるため、ビジネスマンの方であれば知っておくべきフレームワークです。

PDCAサイクルを経営管理で用いるメリットとは

ビジネスマンの間で広く知られているPDCAサイクルは、経営管理で用いるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット①:目標達成に向けて「今何をすべきか?」を明確にできる

ある目標を達成しようと思ったとき、よほどビジネスに慣れている人でない限り、今何を行えば良いかを随時明確に意識するのは難しいと思います。

例えば計画を立てずにいきなり行動してしまったり、行動の結果得られた改善点を次に活かさずに同じことを繰り返したりして、失敗してしまうケースは多々あります。

一方でPDCAサイクルを回せば、現時点で何を行えば良いかを明確にすることができます。

Planの段階では目標達成のための計画を立てて、Doの段階ではそれを実行、Checkの段階では計画通りの結果が得られたかを検証し、Actの段階では改善点を基に計画を修正するといった形で、ある時点で何を行えば良いかが明確になります。

目標達成に向けてその時点ですべきことを明確にできるため、現状を見失ってとんでもない失敗に陥るリスクを軽減できるのは大きなメリットです。

メリット②:最適解を最短ルートで見つけることができる 

あらかじめ複数のプランを立てておき、一つずつ試すのも悪くありません。

ですがこの方法だと、一つのプランが失敗した際に何が悪かったのか、逆に何が良かったのかが明らかとならないまま、次のプランに着手してしまいます。

そのため、何が原因で失敗するのかを理解しないまま、いつまでたっても成功に結びつかない事態に陥る可能性があります。

一方でPDCAサイクルを回すと、一つの計画が失敗に終わっても、良かった点や悪かった点を明確にした上で、次のプランを構築して実行することができます。

改善策を取り入れた上で次の計画に移れるため、行き当たりばったりのやり方と比べて最短ルートで成功できます。

PDCAサイクルの各項目を詳しく解説

次に、PDCAサイクルの各項目について詳しく解説します。

各段階で何を行うべきか知りたい方は、ぜひご参照ください!

Plan(計画)

Plan(計画)とは、達成したい目標(売上高や市場シェアなど)を達成するための計画を考えるプロセスです。

計画を立てる上で重要な考え方として、「5W1H」がよく挙げられます。

「誰に」「何を」「どこで」「いつまでに」「なぜ」「どのように」という観点から考えれば、理にかなった計画を立てやすくなります。

また計画は、頑張れば達成できるレベルであるのも大切です。あまりにも難易度が高すぎると、計画を実行する従業員(部下)のモチベーションが低下する可能性があるからです。

最初に立てる計画の質でその後の行動や得られる結果も変わるので、目標に沿った計画を慎重に立てましょう。

Do(行動)

Do(行動)とは、Planの段階で立てた計画を実践する段階です。

計画通りに行動できたかを評価するのがPDCAサイクルを回す目的であるため、基本的には計画通りに行動する必要があります。

計画と大きく異なる行動をしてしまうと、あらかじめ立てた計画通りに行動できたか分からなくなり、PDCAサイクルを回せなくなるからです。

また、計画を実践して得た数字(売上高や新規顧客数など)は、しっかりとデータとして記録する必要があります。

行動の結果をしっかり記録することで、計画通りに行動できたかを正確に評価できます。

Check(評価)

Check(評価)とは、計画(Plan)に沿って行動(Do)できたか、行動の結果目標を達成できたかを評価する段階です。

計画時の目標と行動の結果を見比べて、良い点と悪い点を明確にしましょう。

Action(修正)

Action(修正)とは、Check(評価)の結果浮き彫りとなった悪い部分を改善するプロセスです。

改善を次の計画に活かすことで、より良いPDCAサイクルを回せるようになります。

PDCAサイクルを回す方法を具体例で見てみよう!

PDCAサイクルは、私たちの身近な生活でもビジネスでも、様々な場面で役に立ちます。

今回は、このサイトを運営するにあたって実際に自分が行なってきたことを例にして、PDCAサイクルを回す方法を解説します。

Step1:Plan(計画)

このサイトを始めた当初は、月間「1万PV」を目標にしました(現在は着々と進行中です!)。

そこで自分は、オーガニック経由でのユーザー数・PV数の増加を目標に、次のPlan(計画)を立てました。

  • 検索ボリュームが200未満のキーワードの洗い出し
  • 2000文字以上かつSEO対策を施した記事を月10本以上アップ
  • 執筆した記事で検索上位を獲得

Step2:Do(行動)

Plan(計画)を2つ立てたので、次のステップではそれを実行します。

行動をしている間は、随時Googleアナリティクスやサーチコンソールを使って、PV数やユーザー数、検索順位を確認します。

Step3:Check(評価)

一ヶ月くらい経過した時点で行動の結果を評価したところ、以下の良い点・課題が見つかりました。

良い点

  • Planの段階で立てた3つの計画すべて達成できた
  • 特に検索ボリュームが低い記事で検索上位を早々に獲得できた(SEO対策が功を奏した)

課題

  • 検索ボリュームが小さい記事で上位を取っても、あまりPV数が増えない
  • 一ヶ月あたりの新規記事数を増やさないと、検索エンジン経由で1万PVを達成するまでに時間がかかる

Step4:Action(修正)

Check(評価)を行なった結果を踏まえて、以下の2つの改善を施しました。

  • 検索ボリュームがもう少し大きいキーワード(500〜10000程度)を洗い出した
  • 一ヶ月で公開する記事数を最低10記事から20記事に増やした

意外とSEO対策が順調で検索上位を獲得できることが分かったので、検索ボリュームの大きい記事を書く方針に変えました。

また、PV数の増加スピードを早めるために、公開する記事数を増やすようにしました。

Step5:Step4の結果を踏まえて、P→D→C→Aのサイクルを再び回す

最後にActionのプロセスで施した改善を踏まえて、PDCAサイクルを再び回します。

自分の場合は「月間1万PV」という計画は達成するまではそのままにし、Do(行動)の部分に改善を施してPDCAサイクルを回しています。

改善策が功を奏し、執筆した記事の多くは検索上位を獲得し、3ヶ月目以降くらいからPVやユーザー数の増加スピードが向上しています。

このようにPDCAサイクルを適切に回せば、着実に目標達成に近づくことができます。

PDCAサイクルを回すコツ

「PDCAサイクルを実際に使った経験があるけど、全然良い効果を得られなかった」という方もいると思います。

PDCAサイクルが機能しない理由には色々あるでしょうが、その理由の一つとして「PDCAサイクルの回し方が良くない」可能性があります。

「P(計画)とD(行動)ばかりでC(評価)やA(改善)を行なっていない」とか、「そもそもP(計画)が見当違い」といった根本的なミスをしていると、当然PDCAサイクルはうまく回りません。

ですが基本的なミスをしていなくても、何も考えずにPDCAサイクルを回しているだけでは、期待通りの効果は得られない可能性があります。

この項では、効果を出すためのPDCAサイクルを回すコツを2つご紹介しますので、PDCAサイクルの運用がうまくいかない方は参考にしてみてください。

状況に応じて重点を置くポイントを変える

実はPDCAサイクルを回すと一口に言っても、自身の置かれている状況に応じて重点を置くべきポイントは変わってきます。

重点を正しい部分に置けるかが、PDCAサイクル運用の成功を左右します。

PDCAサイクルのどこに重点を置くべきかは、東洋経済オンラインさんのコラムで詳しく解説されています。

まず全く新しいことを始めるなら、当然Plan(計画)に重点を置くべきです。

計画通りに行動できないなら、Do(行動)のやり方を変えるなどの工夫が必要となります。

一方で何回もPDCAサイクルを回しているにも関わらず、中々改善の兆しが見られないのであれば、C(評価)とA(改善)のプロセスを重視する必要があります。

行動の結果と当初の計画(目標)を見比べて、上手くいかない要因を徹底的に調べましょう。

そして、洗い出した改善点を基に計画を立てることをしっかりと意識しなくてはいけません。

※参考

toyokeizai.net

PDCAサイクルはあくまで「手段」であることを意識する

「手段の目的化」という言葉は、PDCAサイクルにも当てはまります。

目標を達成する手段としてPDCAサイクルを活用しているにも関わらず、いつのまにか高速でPDCAサイクルを回すことが目的となっている人は少なくありません。

PDCAサイクルを回すのが目的となってしまうと、一つ一つのプロセス(計画や行動)が雑になって、繰り返しても一向に改善の効果を得られなくなります。

PDCAサイクルを回す際は、あくまで目標達成のための「手段」に過ぎないことを意識し、一つ一つのプロセスを意識して行いましょう。

そして毎回PDCAサイクルが一循環したら、その都度効果を測定するのも大事です。

定期的にPDCAサイクルの効果を測定することで、目標達成に向けて着実に進んでいるかを確認するのがポイントです。

PDCAサイクルのまとめ

PDCAサイクルを回すと、着実かつスピーディーに目標の達成に近づけます。

ですがPDCAサイクルは、ただ単に回せば効果を得られるというものではありません。

PDCAの各段階でやるべきことを忠実に実行し、得られた結果を次に活かすのが大切です。

経営管理はもちろん、日々の業務や資格学習などにも役立つので、活用してみてはいかがでしょうか?

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ECRSの原則を使って業務の改善・効率化を図ろう!

ECRSの原則

働き方改革が叫ばれている昨今、経営管理や業務の無駄を削減することは多くの企業で課題となっています。

非効率な働き方をしていると、本来よりも長く働く必要が生じてしまい、結果的に遅くまで残業を強いられる事態となります。

これは会社経営の面においても、余計にコストがかかってしまうので好ましくありません。

そんな作業プロセスの改善に役立つ手法に「ECRSの原則」というものがあります。

今回の記事では、ECRSの法則の意味や進め方を具体例を交えつつご紹介します。

  • ECRSの原則とは
  • ECRSの原則の具体的な進め方
    • Step1:Eliminate〜その業務を無くせないか?を考える〜
    • Step2:Combine〜複数の業務を一緒に行えないか?を考える〜
    • Step3:Rearrange〜業務を行う順番を変更できないか?を考える〜
    • Step4:Simplify〜業務を単純に行えないか?を考える〜
  • ECRSの原則の使用例
    • Eliminate(排除)の具体例
      • 毎週行う会議をやめる
      • 作業進捗の報告書作成をやめる
    • Combine(結合)の具体例
      • 新規顧客を獲得するたびに行うデータ入力を、その日の最後にまとめて行う
      • 製品加工を行う場所と、加工前の材料の入荷場所を同じにする
    • Rearrange(交換)の具体例
      • 移動距離が最短となるように製造工程を入れ替える
      • 上司の確認が必要な仕事を先に全て終わらせる
    • Simplify(簡素化)の具体例 
      • プレゼン資料の作成に力を入れないようにする
      • 業務報告や会議の手段をチャットツールやSkypeに変更する
  • ECRSの原則に関するまとめ

ECRSの原則とは

ECRSの原則とは、「Eliminate(排除)」「Combine(結合)」「Rearrange(交換)」「Simplify(簡素化)」という4つの観点から、業務プロセスの改善を図る手法です。 

ちなみにECRSの原則の読み方には、「イクルスの原則」が一般的に用いられています。

ECRSの原則は、主に製造業(製品生産)の現場で使用されている手法ですが、小売業からITビジネスまで、あらゆる仕事で業務効率化の効果を期待できます。

ECRSという4つの視点を持ってタスクの改善に取り組むことで、何も考えずに作業の効率化に取り組む場合と比べて、改善の効果を最大限高める事ができます。

ECRSの原則の具体的な進め方

ECRSの原則では、「Eliminate(排除)」→「Combine(結合)」→「Rearrange(交換)」→「Simplify(簡素化)」の順番で作業の改善に取り組むのが一般的であり、得られる改善の効果も最も大きいです。

この項では、ECRSの原則について具体的な進め方をわかりやすくお伝えします。

Step1:Eliminate〜その業務を無くせないか?を考える〜

ECRSの原則では、まず初めに無駄な行動を無くすことから行います。

業務プロセスを今一度見返し、利益を生み出す上で行う必要がないタスクを洗い出し、それを今後行わないようにします。

作業の除去はあまり手間をかけずに行える上に、得られる効果もとても大きいです。

Step2:Combine〜複数の業務を一緒に行えないか?を考える〜

次のステップでは、複数の作業を同時に行えるかを考えます。

類似する要素があるタスクは、ひとまとめで行った方が時間も労力も削減できます。

同じ場所で行うタスクや同じスキルや機器を使用する業務を洗い出して、それらをまとめて一度で行うようにすると作業の効率性が高まります。

Step3:Rearrange〜業務を行う順番を変更できないか?を考える〜

業務の削減や集約を終えたら、次に行うべきはタスクを行う順番を変更することです。

これはケースバイケースですが、作業工程を変えるだけでタスクの効率化を図れる場合もあります。

例えば、同じ場所で行う仕事なのに行う時間帯(順序)が離れている場合、同じ場所で行う仕事を連続して行うようにすれば、移動時間を削減できます。 

Step4:Simplify〜業務を単純に行えないか?を考える〜

ECRSの原則において最後に検討すべきなのは、作業を単純に行えるかどうかです。

行動プロセスを見返し、よりシンプルに行える仕事(つまり現時点で非効率な仕事)を見つけ出しましょう。

タスクの単純化に成功すれば、作業時間の削減や身体的な負荷の削減などの効果を見込めます。 

ただしタスクの単純化には、マニュアル化やITシステムの導入など、比較的費用を要する場合が多いので注意が必要です。

ECRSの原則の使用例

最後に、ECRSの原則を使って業務の改善を図る具体例をお伝えします。

Eliminate(排除)の具体例

毎週行う会議をやめる

頻繁に会議を行う会社は多いですが、果たしてその会議は本当に必要でしょうか?

特に重要な議題がないにもかかわらず、習慣的に行っている会議があれば削減して本業に時間を費やした方がはるかに生産性が高いでしょう。

作業進捗の報告書作成をやめる

何のために書いているか分からない報告書なども、削減を検討した方が良いと思います。

上司が真剣に目を通すわけでもない報告書の作成に数十分も費やすなら、1円でも利益を伸ばす上で有益なタスクに時間を費やすのが良いと思います。

Combine(結合)の具体例

新規顧客を獲得するたびに行うデータ入力を、その日の最後にまとめて行う

例えば新規顧客を獲得するたびにデータ入力が必要だとしましょう。

その度にその時行っているタスクを中断する必要があるため、一つのことに集中できずに生産性が下がってしまいます。

データ入力はその日の最後に行うことで、各作業に集中できるようになり、生産性が上がる効果を期待できます。

製品加工を行う場所と、加工前の材料の入荷場所を同じにする

ある製品を加工するための材料の入荷場所と、製品の加工を行う場所が離れていると、材料の運搬に無駄な時間が生じてしまいます。

そこで入荷場所と加工を行う場所を同じ(もしくは隣接する)場所にすることで、運搬時間や労力を削減し、生産性向上の効果を期待できます。

Rearrange(交換)の具体例

移動距離が最短となるように製造工程を入れ替える

一つの作業が終わって次のタスクに移るたびに移動を繰り返していては、時間を無駄にする上に無駄な労力がかかります。

移動距離が最短となるように製造工程を入れ替えることで、移動時間や労力を削減する効果が見込めます。

上司の確認が必要な仕事を先に全て終わらせる

会社によっては、上司の確認が必要な仕事とそうでない仕事が分かれていることがあると思います。

上司の確認が必要な仕事を先に全て終わらせることで、部下はその都度上司に確認しに行く手間を一度で済ませることができます。

一方で上司の側も、その都度自身の業務を中断して部下の仕事を確認する手間を削減できるようになります。

Simplify(簡素化)の具体例 

プレゼン資料の作成に力を入れないようにする

プロジェクトや新規事業のプレゼン資料の作成の際、やたら見た目の良さにこだわってパワポを作成する人は少なくありません。

パワポの出来にこだわることを否定するわけではありませんが、利益を生まないパワポ作成に何時間も費やしていては本末転倒です。

会社全体でプレゼン資料の作成に力を入れすぎないようにすれば、それだけで時間を大幅に削減することができます。

業務報告や会議の手段をチャットツールやSkypeに変更する

その日行った仕事の報告書作成や特定の場所に集まっての会議は、毎回手間も時間もかかり非効率です。

そこで作業報告をチャットツール(Slackやチャットワーク)を使って行うようにしたり、会議をSkypeを使ったオンライン会議に変更すれば、労力や時間を大幅に削減できます。

ECRSの原則に関するまとめ

元は製品の生産現場で使われていたECRSの原則ですが、今回お伝えした通りあらゆる業種やタスクに適用できる優れた手法です。

ECRSの原則は全社的な経営管理はもちろん、サラリーマンの方が営業や身近な雑務を行う際にも役立ちます。

少しでも無駄を削減して快適に仕事を行うためにも、ECRSの原則を意識して仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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