中小企業診断士クラゲの経営学・マーケティングラボ

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先発優位性とは?いち早く市場に参入すると沢山メリットがある!

先発優位性

「早いもの勝ち」という言葉は、普段私たちの生活でけっこうな頻度で実感すると思います。

他人よりも早く行動することで、限定品を購入できたり、混雑や行列を回避できたりと、実にさまざまなメリットがあります。

そんな「早いもの勝ち」ですが、実は会社経営の世界でも見られる現象です。

具体的には、他社よりもいち早く画期的なビジネスを行うと、「先発優位性」と呼ばれるメリットを得ることができます。

今回の記事では、先発優位性の意味や具体的なメリットやデメリットをわかりやすく解説します。

あわせて、先発優位性により成功した企業の代表例として「コカ・コーラ」についても取り上げるのでぜひ参考にしてください!

先発優位性とは?

先発優位性とは、他社よりもいち早く新しい市場に参入することで得られる優位性を意味します。 

わかりやすく言うと、他の会社よりも早く画期的なビジネスを始めることで得られるメリットの総称が「先発優位性」です。

一方で、後発企業(後から市場に参入した企業)が得られるメリットは「後発優位性」と呼ばれます。

他社に先駆けて市場に参入する戦略、ある程度市場が成長してから後発企業として事業を始める戦略、双方メリットとデメリットがあり、どちらが正しいとは100%言い切れません。

新規市場への参入を検討する際は、先発優位性と後発優位性の双方を天秤にかけた上で、自社に合った経営戦略を実行するのが大事です。

先発優位性の具体的なメリット7選!

他社に先駆けて新規市場に参入すると、非常に多くのメリットを得られます。

今回は先発優位性の具体的なメリットを7つご紹介します。

強力な参入障壁(ブランド再生)を確立しやすい

他社に先駆けて画期的な商品・サービスを販売する場合、有力な後発企業が出てくるまでは、市場には自社ブランドの商品・サービスしかない状態が続きます。

ですので、強力なブランド再生を消費者に植え付けることができます。

ブランド再生とは「ある製品名を聞いた時に特定のブランド名を想起すること」を意味し、「パソコンと言ったらMacBook」という感じです。

お客さんに「この製品ならこの会社」という強烈なイメージを持ってもらえれば、他の会社が同種の商品を販売しても購入されにくくなります。

すでに市場内で強力なブランドが確立していれば、後発企業にとっては勝てる可能性が低くなるため、新規参入をためらうかもしれません。

つまり高い参入障壁を確立できる点が、先発優位性の一つ目のメリットです。

※参入障壁については、下記記事で詳しく解説しています。

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スイッチングコストを利用できる

先発優位性の二つ目のメリットは、スイッチングコストの発生を利用できる点です。

スイッチングコストとは、他の会社(ブランド)が販売する商品に乗り換える際に生じるコストです。

金銭的なコストはもちろん、例えば「iPhoneからAndroidに乗り換える際に操作方法を覚えなくてはいけない面倒臭さ」みたいなものも、スイッチングコストです。

また、現在利用しているブランドに慣れ親しんでいる場合にも、他のブランドに切り替えるのを躊躇する(スイッチングコストが発生する)可能性があります。

他社に先駆けて製品を販売していれば、自社ブランドに愛着を持ってくれるお客さんや、自社製品の使い方に利便性を感じるお客さんが増えていきます。

その結果後発企業が同種の製品を販売した際に、消費者の頭の中でスイッチングコストが発生するので、市場シェアを奪われずに済むのです。

※スイッチングコストを詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。

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経験曲線効果を他社に先駆けて実現できる

経験曲線効果を他社に先駆けて実現できる点も、先発優位性の大きなメリットです。

経験曲線効果とは、製品の累積生産量が増えるほど、一個あたり製造コストが減少することです。

いち早く新規市場で製品を製造し始めた企業ほど、基本的にはトータルの生産量は増えていきます。

その結果他社よりも先に経験曲線効果を発揮し、低コストで製品を製造・販売できるようになります。

消費者の意見をいち早く得られる

マーケティングの視点でいうと、消費者の意見(ニーズや要望など)をいち早く得られる点も先発優位性のメリットと言えます。

消費者から生の情報を他社に先駆けて得られれば、より消費者に好まれる製品(サービス)を一番乗りで販売できるようになります。

希少な経営資源を先取り可能

希少な天然資源や優秀な人材、販売上有利な立地など、希少な経営資源を先取りできる点も先発企業が得られる大きなメリットです。

販売する場所が重要だったり希少な資源を使うビジネスプランの場合、他社に先駆けて市場に参入すると大きな先発優位性を得られると言えます。

※下記記事で経営資源を詳しく解説しているので、参考にしてもらえると嬉しいです。

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比較的高価格でも購入するイノベーター層を取り込める

一般的に画期的なサービスや商品は、「イノベーター」と呼ばれる顧客層に購入してもらえます。

イノベーターと呼ばれる顧客層は、画期的で優れた商品であれば比較的高くても購入するという特徴があります。

つまり新規市場に真っ先に参入すれば、イノベーター層を相手に、高価格で製品やサービスを販売できるわけです。

高価格で販売して大きな利益を得られる点は、とても魅力的な先発優位性と言えます。

製品の規格(デファクトスタンダード)を決定しやすい

製品の規格(デファクトスタンダード)を決定できる点も、先発優位性となります。

自社にとって有利な製品規格を主導的に決められるので、その後の競争で有利に立ち回れます。

先発企業にはデメリット(難しさ)もある

早急に新規市場に参入すると多くの先発優位性(メリット)を得られる一方で、デメリット(難しさ)もあります。

新規市場に参入する際は、先発企業に特有の難しさ(デメリット)も考慮しなくてはいけません。

先発企業として市場に進出する難しさは、主に下記の2点です。

新しい市場を成長させるだけの技術力やアイデアが必要

新しくできた市場が十分成長するには、消費者にとって実用的かつ画期的な製品やサービスでなくてはいけません。

実用的で画期的な製品やサービスを作るには、高度な技術力や創造的なアイデア力が必要です。

新しい製品を認知してもらうために膨大な労力や宣伝費がかかる

市場を成長させるには、新しい製品を消費者に広く知ってもらう必要があります。

製品を認知してもらうには、宣伝や広告などのマーケティングに膨大な労力や費用がかかります。

以上2つの難しさがあるため、経営資源の量や圧倒的な強み(技術やアイデア)がないと、先発企業として市場を開拓することは厳しいと言えます。

先発優位性で成功した企業の代表例〜コカ・コーラ〜

最後に先発優位性により成功した代表例として、コカ・コーラをご紹介します。

今では全世界で愛されているコーラという飲み物は、19世紀にアメリカの薬剤師が発明しました。

その飲み物に付けられた名前こそが「コカ・コーラ」であり、1杯5セントで販売されたコーラはまたたく間に世界的に有名な飲み物となりました。

ブランド名の一部が飲み物の名前になるほど、多くの消費者の間には「コーラはコカ・コーラの販売する飲み物」というブランド再生が根付いています。

自ら市場(コーラ)を開発して普及させたからこそ、強力な先発優位性(ブランド再生)を確立できたと言えるのです。

参考:https://www.cocacola.co.jp/history_/chronology/index

先発優位性のまとめ

今回の記事では、先発優位性の意味や具体的なメリットとデメリット、そして先発優位性により成功した企業の代表例をご紹介しました。

新しい市場にいち早く参入すると、今回ご紹介したようにさまざまな先発優位性を獲得できます。

先発優位性を得られれば、その後の競争がはるかに有利となるのは事実です。

しかし先発企業として事業を成功させるのは非常に難しいです。

先発優位性とデメリットの双方を考慮した上で、新しい市場に参入するかどうかを決定するのが大事なポイントです。