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経営管理とは?経営企画との違いや実務の範囲などを解説!

経営管理とは

これまで仕事をしてきて、「経営管理」という用語を耳にした経験はないでしょうか?

一度は耳にしたことがあるだろう「経営管理」ですが、具体的にどのような仕事を行うのかいまいちピンと来ない方も多いと思います。

この記事では、そんな経営管理とは何なのかを極力わかりやすくお伝えします。

経営管理の意味や経営企画との違い、経営管理を行う上で意識したいポイントなどを知りたい方は必見です。

経営管理とは?経営管理の意味

経営管理とは、経営目標の達成や経営戦略の遂行を目指して、生産や販売、人事、財務といった企業経営に必要な要素を総合的に統制・調整する活動を意味します。

「経営管理」という考え方は、20世紀初頭に「経営学の父」と呼ばれたフレデリック・テイラーが提唱したことが始まりと言われています。

その後フランスの経営学者アンリ・ファヨールが本格的に研究したことで、「経営管理論」という学問として広く知られることになりました。 

経営管理と経営企画・経営戦略の違い

経営管理と混同されがちな用語に、「経営企画」や「経営戦略」と呼ばれるものがあります。

一見すると同じように思えますが、経営管理と経営企画や経営戦略は異なる概念です。

経営企画・経営戦略とは?

経営企画とは、経営ビジョンや目標に基づいて、市場の調査を行ったり計画や戦略を策定する業務、または業務を行う部署を意味します。

そして市場や自社の状況に基づいて、目標達成の手段として策定されるのが「経営戦略」です。

経営企画や経営戦略を具体的に遂行するプロセスが「経営管理」

経営企画や経営戦略の業務は、あくまで計画や戦略を立てるに過ぎません。企業経営で利益を得るには、計画や戦略を実際に行動に移す必要があります。

経営企画や経営戦略を行動に移していくプロセスが「経営管理」です。

経営管理の実務では、計画(戦略)に基づいてヒトやカネといった経営資源を実際に運用していきます。

また、実際に計画通り事業が進捗しているかを確認するのも経営管理の大事な仕事です。計画に基づいてKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に進捗状況を確認します。

計画通りに進捗していない場合は、原因を究明した上で対策を講じる必要もあります。

つまり経営管理とは、PDCAサイクルを回すことで経営企画や経営戦略の達成を目指す活動であると言えます。

PDCAサイクルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください!

www.bizkurage.com

経営管理の実務で扱う範囲

一口に経営管理といっても、経営管理には「生産管理」、「販売管理」、「人事・労務管理」、「財務管理」といった範囲に分けられます。

この章では、経営管理の実務で扱う範囲を詳しくお伝えします。

生産管理

生産管理とは、適正な品質や納期、数量で製品を生産できるように、生産プロセスを管理する業務全般を意味します。

具体的には、納期や在庫の管理、生産計画の策定、工程の進捗や製品品質の管理、原価管理などの業務を担います。

製造業で特に重視される生産管理を実施することで、品質の向上や製造コストの削減、納期の短縮化などを実現できます。 

販売管理

販売管理とは、文字通り商品・サービスの販売に関する経営管理です。

具体的には、顧客からの受注や出荷、代金の請求、顧客データなどの管理業務を行います。

販売管理を実施することで、「だれに・何を・どのくらい」販売しているかを可視化でき、過剰在庫の削減や作業の自動化などを実現できます。

また顧客の購買データを管理することで、売れ筋商品や顧客のニーズを把握でき、新製品の販売などによる売り上げの増加効果も期待できます。

参考:https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/what-is-sales-management/

人事・労務管理

人事・労務管理とは、 労働力(就業者)に関する経営管理の活動であり、労働力を最大限活用することを目指す「人事管理」と、労働者と会社との間の利害関係の調整を目指す「労務管理」の総称となります。

具体的には、採用や人事考課、賃金、異動、社会保険、福利厚生、労働組合などに関する運用や管理を行います。

賃金管理や採用など、人事・労務管理では会社経営に不可欠な部分を取り扱います。特に賃金や福利厚生は、従業員のモチベーションを左右するので慎重に施策を運用する必要があります。

会社の長期的な業績を左右する可能性があるため、経営管理の担当者は人事・労務の分野を軽視してはいけません。

参考:人事業務で労務担当者の役割とされる具体的な仕事内容とは? | HR NOTE

財務管理

財務管理とは、財務(ファイナンス)面から企業経営をアシストする経営管理の業務です。

具体的には、「資金調達の計画策定や実行」、「資産運用」、「M&Aの計画と実行」、「資本政策」などを行います。

業務の内容は多岐にわたりますが、資金の調達・運用により企業価値の向上を目指すことが財務管理の目的と言えます。

どれほど優れたビジネスプランや経営戦略があっても、キャッシュが存在し、それを適切に増やせなければ会社は存続しません。

その点で言うと、企業の規模や設立年数に関係なく、財務管理は経営管理の中でも欠かせない活動です。

より良い経営管理を行うには

外部環境の変化が著しい昨今、経営管理が必ずしも上手くいくとは限りません。

多角化や海外進出の影響で経営管理が複雑となり、思うように管理の成果が表れなくなる場合もあります。

この章では、そんな課題が生じやすい経営管理で、より良い結果を出す上で役に立つポイントを2つご紹介します。 

PDCAサイクルやKPIによる管理を徹底する

PDCAサイクルとは、計画・行動・評価・修正のサイクルにより業務の質向上を目指す経営管理の手法です。

PDCAサイクルを活用することで、現段階ですべきことを明確にしたり、ある計画で失敗しても失敗で得られた知見を次に活かせます。

一方でKPIとは、目標達成の上でとくに重要となる指標(数字)を意味します。

従業員に対して適切なKPIを設定することで、目標を明確にした上で的確な行動を行ってもらえるようになります。

KPIやPDCAサイクルなどの手法を徹底して活用することで、複雑な状況下でも適切な経営管理を行えるでしょう。

経営管理で役立つフレームワークや手法を詳しく知りたい方は、下記のリンク先を参考にしてみてください。

www.bizkurage.com

経営管理システムを活用する 

事業規模や事業の範囲が拡大する伴い、経営管理で行う業務量の増加や業務の複雑に直面します。

データの入力量が膨大となる上に、情報の管理・分析にも多大な労力や時間がかかるようになるため、人の力のみで業務を遂行していくことは難しくなります。

そこでおすすめなのが、経営管理を自動化できるツールの導入です。

顧客のデータを一元的に管理できるERPなどのシステムを導入することで、経営管理に費やす労力や時間を削減する効果を期待できます。

近年は人工知能技術の進歩などに伴い、より経営管理システムの性能が高まっており、より少ない時間で複雑な業務を行えるようになっています。

多角化や海外進出などにより事業構造が複雑化してきたら、経営管理のシステムを導入してみてはいかがでしょうか? 

経営管理のまとめ

今回の記事では経営管理とは何なのかを、経営企画・戦略との違いを交えつつご説明しました。

策定した計画や戦略を成功させるには、生産工程や販売データを適切に管理し、悪い部分は日々改善し続ける必要があります。

ただし経営管理の実務は、多角化や経済のグローバル化などの影響により、日々複雑化しています。

ERPなどの経営管理システムの導入やKPIの徹底などにより、複雑化した経営管理を少しでも行いやすくする工夫が求められます。

今回ご紹介した内容が、経営管理の業務に少しでもお役に立てば幸いです!