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コアコンピタンスって何?具体例を交えつつ分かりやすく解説してみる

コアコンピタンス

会社経営で継続的に利益を得続けるためには、他社に負けない能力を持っている必要があります。

そんな能力を「コアコンピタンス」と言いますが、聞きなれない方もいるかと思います。

そこで今回は、コアコンピタンスの意味や経営にもたらすメリット、コアコンピタンスの具体例などを極力分かりやすくご紹介しようと思います。

コアコンピタンスとは?

コアコンピタンスとは、「競合他社と比べて圧倒的に優れている能力」とか「企業経営において持続的な競争優位性をもたらす源泉」といった意味を持つ用語です。

ものすごく簡単に言うならば、「他社では真似できない自社の最も得意なこと」がコアコンピタンスです。

「コア」という単語から分かるように、自社の経営において「中核的な役割を果たす能力」でなければ、コアコンピタンスとは呼べません。

コアコンピタンスと似た概念に、「ケイパビリティ」というものがあります。

ケイパビリティはコアコンピタンスと似て非なるものなので、興味がある方は下記の記事をご参照ください。

www.bizkurage.com

どんな能力ならばコアコンピタンスと呼べるの?

先ほども触れましたが、単に得意だったり他社と比べて少し優れている程度では、コアコンピタンスとは呼べません。

では、どんな能力ならばコアコンピタンスと呼べるのでしょうか? 

コアコンピタンスを提唱した経営学者によると、下記3つの要件を満たす能力が「コアコンピタンス」と言えるようです。

条件1:お客さんに対して何かしらの利益をもたらす

コアコンピタンスに限らず、会社を経営する以上、提供する商品やサービスは顧客に対して何かしらの利益(メリット)をもたらさなくてはいけません。

例えば「燃費の良い自動車が欲しい」と考える顧客に対しては、燃費の良い自動車を販売して初めて「コアコンピタンス」の条件を満たします。

燃費の悪い自動車を半分詐欺的に売って利益を得たとしても、それはコアコンピタンスとは言えないでしょう。

条件2:競合他社に真似されにくい(模倣困難性が高い)

コアコンピタンスとなるためには、その能力が競合他社に真似されにくい必要があります。

例えば多大な利益をもたらす高度な技術力を持っていても、それを競合他社が容易に真似できては、長期的に競争優位を築くことはできません。

長期的な競争優位をもたらすコアコンピタンスを築き上げるためには、他社に真似できない自社独自の付加価値を持つ能力を育てる必要があります。

条件3:複数の商品や市場に応用できる

模倣困難性が高ければ長期的な競争優位性を築けるものの、技術革新や時代の変化に伴いその技術や能力自体が利益を生み出さなくなる恐れがあります。

模倣困難性が高くても単一の商品や市場にしか利用できない能力だと、環境の変化により、一気に経営状態が悪化するかもしれません。

長期的に安定して競争優位性を築く(コアコンピタンスである)ためには、複数の商品や市場に応用できる能力である必要があります。

複数の市場や商品に応用できる能力であれば、ある市場がダメになっても他の市場で稼げるため、経営状態の悪化を防げます。

結果的にリスク分散につながるため、長期的に安定して利益を得られるようになります。 

以上がコアコンピタンスの成立条件です。コアコンピタンスの成立条件は理解できても、抽象的なのでどうしても実務に活用しにくい部分もあるかと思います。

自社の経営資源が具体的にどの程度の価値を持っているか分析する際には、「VRIO分析」というフレームワークを活用するのがおすすめです。

VRIO分析の概要や具体的な使い方については、下記記事で詳しく解説しているので興味があればご覧になってみてください!

business-kurage.hatenablog.com

コアコンピタンスが経営にもたらすメリット

コアコンピタンスを経営で実践すると、一体どのようなメリットを得られるようになるのでしょうか?

ここでは、コアコンピタンスを持つことで得られる経営上のメリットを3つお伝えしようと思います、

メリット①:企業経営を長期的に継続しやすくなる

経営資源を多く保有することや事業自体の収益性を重視すれば、確かに事業を軌道に乗せられる可能性は高いでしょう。

しかし収益性や事業拡大ばかり重視しているだけでは、長期的に経営を続けられるとは限りません。

利益を得られる事業分野では、ほぼ必ず他社も参入するため競争が激化します。自社の経営資源やノウハウが簡単に真似できるものだと、他社に模倣されて自社の強みがなくなってしまいます。

自社の強みが無くなると、経営状況はたちまち悪化してしまうでしょう。

しかし長期的な目線でコアコンピタンスを構築する場合、企業経営を長期的に続けられる可能性が高まります。

最初の方は利益を得られないかもしれませんが、一度コアコンピタンスを確立すれば、他社は容易に真似できない能力を以って、複数事業で長期的に収益を得られるようになります。

時間はかかるかもしれませんが、長期的な目線で見るとコアコンピタンスを重視する経営の方がメリットは大きいです。

メリット②:多角化が成功しやすくなる

経営のリスク低減の上で重要な多角化ですが、多角化が上手くいく可能性は低いのが現実です。

しかしコアコンピタンスは先ほどお伝えしたように、「複数の市場や商品に展開できる能力」でもあります。

そのため、コアコンピタンスを応用できる分野で多角化を推進すれば、多角化が成功する可能性を高めることが可能です。

メリット③:経営に伴うリスクを低減できる

メリット②とも関連しますが、コアコンピタンス経営の方が、環境変化や技術革新などにより生じるリスクを低減できるメリットもあります。

コアコンピタンスは模倣困難性が高いため、他社からの模倣による業績悪化を防げます。また複数の市場や商品に応用できる能力であるため、複数事業の展開により環境変化の影響を最小限に抑えることが可能です。

コアコンピタンスの具体例

最後にコアコンピタンスと呼べる具体的な例をいくつかご紹介します。

具体例①:独自性の強い技術

「ソニーのカメラなどを小型化させる技術」や「シャープの液晶に関する技術」などは、コアコンピタンスの最たる例です。

様々な市場に応用できる上に、自社で培ってきた技術なので他社が真似しようと思っても容易にはできません。

具体例②:ブランドエクイティ

ブランド自体の価値(ブランドエクイティ)も、コアコンピタンスとなり得ます。

例えば「Apple」や「シャネル」などは、非常に強いブランド力を有しており、根強いファンが世界中に存在します。

Appleやシャネルなどの企業は、ブランド力というコアコンピタンスを用いて、複数の市場に展開し、数々のヒット商品を生み出しています。

新しい企業がAppleやシャネルを真似して、同じ程度のブランドエクイティを持とうと思っても、実現するのは極めて困難です。

模倣の困難性や複数市場へ応用できる点から見ても、Appleやシャネルのブランドエクイティはコアコンピタンスと言えるでしょう。 

コアコンピタンスについてのまとめ

今回は、コアコンピタンスについて意味や経営上のメリット、具体例をご紹介しました。

今回お伝えした通り、コアコンピタンスを重視して経営を行うことで、長期的に見ると様々なメリットを得られます。

自身の経営している会社を長く存続させたいのであれば、コアコンピタンスを重視する経営スタンスに切り替えるのが良いでしょう。