企業ドメインとは?事業ドメインとの違いや具体例を解説!

ビジネスを始めるに際しては、事業を展開する分野を決めることが不可欠です。

そんな事業を展開する分野を、経営学の専門用語で「ドメイン」といいます。

ドメインは大きく「企業ドメイン」と「事業ドメイン」の2種類に分けられます。

この記事では、その中でも企業ドメインの意味や設定する目的、設定する方法などを詳しく解説します。

企業ドメインとは

企業ドメインとは、企業が活動する範囲・領域を意味します。

企業ドメインをどのように設定するかによって、将来的な発展の度合いや方向性は大きく変わってきます。

企業ドメインの具体例

企業ドメインを分かりやすく言うと、「行っている事業の組み合わせ」です。

たとえば、軽自動車で有名なスズキは、自動車事業のみを運営しています。

したがって、企業ドメインは「自動車の製造・販売事業」であると言えます。

一方で楽天は、ECサイト事業以外にも、旅行や金融など、幅広い領域で事業を展開しています。

そのため、企業ドメインは私たち消費者の生活に関わる大半の領域をカバーしていると言えるでしょう。

事業ドメインとの違い

事業ドメインとは、事業を展開する範囲や領域を意味します。

会社全体で行う活動の範囲を表す企業ドメインとは違い、事業ドメインは事業分野ごとにどのような領域で戦うかを表します。

事業ドメインを決める際には、「どのような顧客に対して、どのような商品を、どうやって販売するか」を定めます。

また、競合他社に対してどうやって競争優位性を確立すべきかを検討するのも、事業ドメインでは重要です。

以上をまとめると、企業ドメインは事業ドメインの上層に位置し、かつ事業ドメインの組み合わせが企業ドメインというわけです。

単一の事業のみを経営している会社だと、必然的に企業ドメインと事業ドメインは同じものとなります。

企業ドメインを設定する目的

企業ドメインを設定する目的は以下の3つです。

展開する事業の範囲を明確にする

最大の目的は、展開している事業の範囲の明確化です。

経営リスクの分散を図る目的で、異なる分野の事業を複数展開する「多角化戦略」を行う企業は少なくありません。

メリットのある戦略ですが、むやみに行うと「主力事業に費やせる経営資源が不足する」とか「強みを活かせず勝てる可能性が低い事業に着手する」といった事態になりかねません。

そこで重要となるのが「企業ドメイン」です。

自社の持つ経営資源の量や強みを基準に企業ドメインを設定すれば、意味のない多角化を防げます。

企業のアイデンティティ(基本的な性格)を確立する

アイデンティティ(方向性や考え方など)を確立する目的でも、企業ドメインの設定は行われます。

アイデンティティが明確でないと、短期的な利益やトレンドなどに目が眩んで、事業内容に一貫性のない企業となってしまいます。

顧客や取引先からの支持を得るためにも、また長期的な経営目標や理念を達成するためにも、アイデンティティを確立して一貫性のある企業になることは非常に重要です。

意思決定の指針とする

企業ドメインは、意思決定の指針としても重要な役割を担います。

企業ドメインを設定すれば、今後に向かってどのような事業を展開するかが明確になります。

展開する事業が明確になることで、経営戦略の方向性や、蓄積すべき経営資源を考えやすくなります。

また、その企業が将来どうなっていくかをイメージしやすくなるため、経営陣や株主も適切な意思決定が可能となります。

企業ドメインを設定する方法

企業ドメインを設定する方法は、大きく「物理的定義」と「機能的定義」に分けられます。

物理的定義

物理的定義とは、お客さんに提供する「モノ」を中心に企業ドメインを設定する方法です。

例えばカフェを経営する企業であれば、「カフェ事業」を企業ドメインとします。

比較的簡単に企業ドメインを設定できる一方で、現在の事業領域を超える発想が生まれにくいデメリットがあります。

前述の例で言うと、一度カフェ事業を企業ドメインに設定すると、「飲み物や軽食を店内で提供する」という価値観から抜け出せなくなります。

その結果、代替品の出現やニーズの変化に対処できなくなり、業績が悪化する恐れがあります。

機能的定義

機能的定義とは、「お客さんのニーズ」や「コト(提供する価値)」を基準に企業ドメインを設定する方法です。

例えばカフェ事業ならば、企業ドメインを「お客さんにリラックスしてもらえる空間を提供する」などと定義できるでしょう。

抽象的な定義となるので、ターゲットとなる顧客や事業の内容が不明確になりやすいリスクはあります。

しかしながら、顧客のニーズや商品・サービスの価値に着目すれば、将来的なニーズの変化や代替品の脅威などにも柔軟に対処しやすいメリットを得られます。

自社の企業ドメインを「お客さんにリラックスしてもらえる空間を提供する」と定義しておけば、仮にカフェのニーズが低下しても、他の手段や事業内容を検討し、変化に対処できます。

企業ドメインの設定で重要なポイント

企業ドメインを設定する重要性は理解しても、どのように設定すれば良いか迷う方は少なくないと思います。

そこでこの章では、企業ドメインの設定で重要なポイントを3つご紹介します。

自社の強みを活かせる企業ドメインを設定

一番重要なのは、自社の強みを活かせる企業ドメインの設定です。

例え収益性が高い事業領域でも、その事業で通用するほどの技術やノウハウを持っていなければ十分な利益は得られません。

もちろん市場の成長性や収益性は重要ですが、まずは自社の強みを活かすのを前提に企業ドメインを設定しましょう。

将来的な事業展開も踏まえて設定

企業ドメインは、将来的にどのように事業を展開するかも踏まえて設定しなくてはいけません。

目の前の利益を得るのを目的に企業ドメインを設定すると、ニーズの変化や技術革新などにより、業績を維持・拡大させるのは難しいです。

また、現時点の事業領域だけを基準に設定すると、範囲が狭くなり将来的に発展しにくいものとなり得ます。

長期的な視点を持って、今後行う可能性のあるビジネスや、市場の変化も予測した上で企業ドメインを設定しましょう。

各事業のシナジーを考慮

企業ドメインの設定に際しては、各事業領域(事業ドメイン)のシナジーも考慮するのがベストです。

シナジーとは、それぞれの事業が良い影響を及ぼし合うことで、それぞれを単体で運営した場合の合計よりも大きな結果を得られる効果です。

例えば単体で1,000万円稼げる事業を同時に行った結果、合計で3,000万円の利益を得られればシナジーを発揮したと言えます。

シナジーを生み出すためには、顧客やニーズ、用いる技術・ノウハウなどに関連性があるビジネスを組み合わせるのがオススメです。

企業ドメインのまとめ

企業ドメインの設定は、根本的な方向性を明確にしたり、結果につながる多角化戦略を行う上で重要なプロセスです。

企業ドメインの設定に際しては、長期的な目線を持って強みやシナジーを発揮できるかどうかを重視しましょう。

今回お伝えした情報を参考に、企業ドメインの設定にチャレンジしていただければ幸いです。

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