クロスマーチャンダイジングとは?具体例を交えて解説

小売業にとって、魅力的な売り場づくりによる販売促進(インストアマーチャンダイジング)は、少ないコスト・労力で利益を増やせる有効な手法です。

インストアマーチャンダイジングの具体的な施策はさまざまありますが、特に手軽かつ少ないコストで行えるのが「クロスマーチャンダイジング」です。

今回の記事では、そんなクロスマーチャンダイジングの概要やメリット、成功させるポイントについて、具体例を交えつつ解説します。

クロスマーチャンダイジングの概要とメリット

クロスマーチャンダイジングとは、カテゴリーに関係なくお互いに関連性が高い商品を一緒に陳列する手法です。

クロスマーチャンダイジングには、ついで買いの促進による売上拡大を図ることができるメリットがあります。

例えば、サラダを食べるほとんどの人はドレッシングをかけるでしょう。

そこでサラダ用の野菜と一緒にドレッシングを置いておけば、ドレッシングを切らしている人や、自宅にあるものとは異なるドレッシングを使いたい人から購入してもらえる可能性が高いでしょう。

つまり、本来よりも多くの商品を購入してもらうことで、売上の拡大を実現できるわけです。

クロスマーチャンダイジングの具体例

クロスマーチャンダイジングは、身の回りのあらゆるビジネスで活用されています。

この章では、クロスマーチャンダイジングの身近な具体例を3つ紹介します。

ワインとハム・チーズ

スーパーでよく見かけるクロスマーチャンダイジングの1つが、ワインとハム・チーズの組み合わせです。

ワインを飲む人にとって、ハムやチーズは最高のおつまみと言っても過言ではありません。

そこでワインと一緒にハムやチーズを陳列しておけば、ハムまたはチーズの非計画的な購買を誘引できるでしょう。

焼き肉用の肉とダイエット飲料

一方で、お客さんの潜在的な願望や課題に着目した組み合わせとして、「焼き肉用の肉」と「ダイエット飲料」が挙げられます。

焼き肉は美味しいものの、一般的には太りやすいメニューと考えられています。

そのため焼き肉を食べる人の多くは、「美味しいお肉を食べたい」というニーズと同時に、「なるべく太りたくない」という願望や課題も抱えています。

そこで有効なのが、焼き肉用の肉とダイエット飲料を一緒に陳列する施策です。

脂肪の吸収を抑えてくれるお茶や、ゼロカロリーのコーラなどを陳列しておけば、「なるべく太りたくない」と考える人のついで買いを促進できます。

花粉症の薬とティッシュ

ここまで食料品の具体例を述べましたが、クロスマーチャンダイジングは食料品以外にも用いられています。

例えば医薬品を例にすると、花粉症の薬とティッシュの組み合わせが効果的です。

花粉症の方にとって、ティッシュペーパーの常備は不可欠といっても過言ではありません。

そこで花粉症の薬と一緒にティッシュを陳列すれば、必需品としてついで買いを促せます。

クロスマーチャンダイジングで結果を出すポイント

クロスマーチャンダイジングは手軽な施策であるものの、やみくもに行っても効果は半減します。

確実に結果を出すためにも、最低限下記3つのポイントを踏まえてクロスマーチャンダイジングに取り組みましょう。

顧客が抱える本当のニーズを基に陳列する

クロスマーチャンダイジングで結果を出すには、顧客にとって関連性が高い商品同士を陳列しなくてはいけません。

極端な例ですが、野菜と化粧品といった形で、まったく無関係の商品を一緒に陳列しても売上増加の効果は見込めません。

「顧客にとってどの商品同士が関連しているか」を見極めるには、顧客が抱えているニーズを知ることが不可欠です。

顧客が抱えるニーズを知る方法としては、主に以下のような方法が考えられます。

・過去の購買履歴を参考にする

・実際の購買行動を観察する

・販売員に聞き込みを行う

・お客さんに対してアンケートを取る

・ペルソナを策定して、生活シーンを想定する

顧客が抱えるニーズを特定する際には、ジョブ理論の考え方も役に立ちます。

詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

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ジョブ理論

データを駆使して仮説の検証を行う

緻密に顧客のニーズを調査しても、かならずしも最初から効果的な商品の組み合わせを特定できるとは限りません。

したがって、クロスマーチャンダイジングの効果を分析し、仮説が合っていたかどうかを検証することも重要です。

効果が出ていれば継続すれば良いですし、ダメならば別の組み合わせを試しましょう。

仮説を検証するためには、POSシステムやCRMツールといったデータを蓄積・分析できるツールが不可欠です。

顧客に利用シーンを想起させる売り場づくりを行う

クロスマーチャンダイジングで成果を出すには、商品の組み合わせに加えて、利用シーンを想起させるような売り場づくりも大切です。

なぜなら、お客さん自身が商品陳列の関連性に気づかなければ、ついで買いを促せないからです。

したがって、実際に複数の商品を一緒に使っているシーンを想起させる必要があります。

例えばワインとチーズならば、ワインとチーズが一緒に写っているオシャレなPOPを置いておく施策が考えられるでしょう。

クロスマーチャンダイジングのまとめ

お伝えしたように、クロスマーチャンダイジングは比較的簡単に実施できます。

広告の出稿などの施策と比べると、低コストで実施できるのも魅力の1つです。

商品やサービスを店舗で販売している方は、ぜひクロスマーチャンダイジングを実践してみてください。

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