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定量発注方式とは?計算方法を具体例を使って解説します!

定量発注方式

飲食や小売、製造などあらゆる業種で必要となるのが「発注」です。

一見すると大して重要に思えないものの、発注量が適正かどうかは利益の額を左右するため注意して実施する必要があります。

発注方式にはさまざまありますが、今回は「定量発注方式」のメリット・デメリット、計算方法をお伝えします。

発注業務があるビジネスに携わる方はぜひ参考にしてください! 

定量発注方式とはどのような発注方式なのか?

定量発注方式とは、在庫量が一定量(発注点)まで減ったタイミングで、あらかじめ定めた量(経済的発注量)を発注する方式です。

毎度の発注量は異なるが発注間隔は同じ定期発注方式とは違い、定量発注方式では発注量は一定であるものの発注のタイミングは不規則です。

定量発注方式は、後述するメリット・デメリットから「需要変動の小さい商品」や「単価の安いもの」、「安定的に入手できるもの」の在庫管理で導入します。

一方で定期発注方式は、「需要変動の大きい商品」や「値段の高いもの」の在庫管理に適しています。

定量発注方式と定期発注方式は、利点や導入が適している場面が異なるので注意が必要です。

定量発注方式のメリットとデメリット

定量発注方式を活用すると、どのようなメリットやデメリットが想定されるのでしょうか?

この章では、定量発注方式のメリットとデメリットをお伝えします。

定量発注方式のメリット

定量発注方式には二つのメリットがあります。

一つ目のメリットは運用や管理を行いやすい点です。

定期発注方式の場合、発注するたびに需要予測のために面倒な計算を実施する必要があります。一方で定量発注方式では、最初に発注量を決定してしまえば、面倒くさい計算を実施する必要がありません。

二つ目のメリットは事務処理の効率化や自動化を図りやすい点です。

定期発注方式では毎回需要予測に基づいた発注を実施する必要があるので、事務処理も面倒になります。一方で定量発注方式の場合、発注量を決めた後は特段面倒な手続きを実施せずに済むので、事務処理を効率化したり自動化を図りやすいです。

定量発注方式のデメリット

定量発注方式を導入する際には、在庫量の過不足が生じやすいデメリットを忘れてはいけません。

定量発注方式では毎回発注する量が同じなので、需要が突発的に増加すれば在庫切れ、減った場合は過剰在庫となる恐れがあります。

この理由から、定量発注方式では需要が安定している商品や原材料に適用するのがセオリーとなっているのです。

定量発注方式で重要な「安全在庫」「発注点」「経済的発注量」の計算式

定量発注方式では、安全在庫、発注点、経済的発注量の計算が必要となります。

この章では、それぞれの計算方法をわかりやすくお伝えします。

安全在庫の計算式

安全在庫とは、事前予測が困難な在庫消費量の変動に備える目的で、多めに保有する在庫を意味します。

安全在庫は次の計算式で算出します。

  • 安全在庫 = 品切れ許容率に基づく係数 × √調達リードタイム × 需要量の標準偏差

調達リードタイムとは、発注してから納入されるまでの期間を意味します。なお需要量の標準偏差を算出する際は、一定期間の需要量を用います。

安全在庫の計算方法は、この記事の最後にある定期発注方式の記事で解説しています。

詳しく説明すると本筋からズレるため今回は割愛しますが、詳しく知りたい方は下記の記事が参考になります。

shikumika.com

発注点の計算式

発注点とは、定量発注方式において発注を行う水準となる点です。

つまり定量発注方式では、在庫量が発注点まで減ったタイミングで発注を行います。

発注点は以下の計算式で算出します。

  • 発注点 = L × α +  安全在庫

L:調達リードタイム

α:調達リードタイム中の1日あたりの平均需要量

経済的発注量の計算式

経済的発注量とは、ある一定期間における発注費用と在庫費用の合計を最も小さくする発注量です。

 

結論から言うと、経済的発注量は「年間在庫費用」と「年間発注費用」が同じとなる時の発注量になります。

なぜそうなるかは定量発注方式の本筋からズレるため、今回は割愛します。

この前提を踏まえると、経済的発注量は下記の通り計算できます。

  • 経済的発注量 = √ (2SR ÷Pi)

S:1回あたりの発注費用

R:年間需要量

P:在庫品の単価

i:在庫費用率(保管する在庫の価格のうち、在庫の保管費用が占める割合)

定量発注方式による計算の具体例

定量発注方式の計算式が分かっても、実際に使いこなせなければ意味がないですよね。

より定量発注方式の理解を深めるために、定量発注方式による計算の具体例をお伝えします。

例)下記の条件の時の発注点と経済的発注量を求める

  • A原材料の調達リードタイム:10日
  • A原材料の1日あたり使用量:30個
  • 安全在庫:400個
  • 1回あたり発注費用:200円
  • 在庫品の単価:4,000円
  • 年間需要量:11,000個
  • 在庫費用率:10%

STEP1:発注点を求める

まず初めに発注点を求めます。

前述した計算式に当てはめると、発注点は下記のとおり算出されます。

  • 発注点 = 10 × 30個 + 400個 = 700個

つまり定量発注方式に基づくと、在庫が700個になったタイミングで発注を行えば良いとなります。

STEP2:経済的発注量を求める

つぎは経済的発注量を求めます。

前述した計算式に当てはめると、経済的発注量は下記のとおり算出されます。

  • 経済的発注量 = √ {(2 × 200 × 11,000) ÷ (4,000 × 0.1)} ≒ 105個

つまり定量発注方式に基づくと、毎回105個だけ発注することが最適であるとなります。

定量発注方式のまとめ

今回の記事では、定量発注方式の意味やメリット・デメリット、計算方法などを解説しました。

需要変動に弱いと言うデメリットこそ持つものの、事務処理や管理が簡単と言うメリットもあります。

そのため、需要量が安定していたり、値段が安い商品や原材料とは相性が非常に良いです。

飲食店や小売店など、在庫を抱えるビジネスを実施する際にはぜひ定量発注方式を活用してみてください。 

なお下記の記事では、定期発注方式のメリット・デメリットや計算方法を解説しています。

定期発注方式を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてくれると嬉しいです。

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