中小企業診断士クラゲの経営学・マーケティングラボ

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フリーミアムのメリット・デメリット〜何故ゼロ円ビジネスは成功するのか?〜

フリーミアムのメリット

基本的なサービスは無料で提供し、さらなるサービスを有料で提供するフリーミアムモデルは、Webサービスを中心に多くの事業で活用されています。

とくに近年は、成功したWebサービスの大半はフリーミアムモデルを取り入れており、今後Webのマーケティングに携わる方にとってフリーミアムに関する知識は必須であると言えます。

ではどうして、多くのフリーミアムビジネスは成功しているのでしょうか?

結論から言うと、フリーミアムには強力なメリットがあるからです。

この記事では、フリーミアムモデルのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。 

フリーミアムに興味がある方はもちろん、インターネット関連のビジネスを行いたい方・現時点で携わっている方は必見です!

フリーミアムモデルのメリット

後述するデメリットこそあるものの、フリーミアムモデルにはそのデメリットを上回るほどのメリットがあります。

実際に以下3つのメリットがあるために、今では多くの企業がフリーミアムモデルにより成功を収めています。

メリット①:「ゼロ円」なので利用してもらいやすい

フリーミアムビジネスの持つ最大のメリットは、「ゼロ円」なので抵抗なく利用してもらいやすい点です。

想像してもらいたいのですが、月3回無料で缶ジュースをもらえるサービスと、月間100円で無制限に缶ジュースをもらえるサービスがあったらどちらを利用するでしょうか?

たった100円の差ですが、多くの人は無料のサービスを利用するでしょう。

心理的な傾向として、人は無料(ゼロ円)のものに大きな魅力を感じます。

実際にある大学が無料とそうでない場合で同じ商品の需要を比較する調査を行なったところ、無料になった途端需要が大きく伸びることが判明しています(くわしくは行動経済学や心理学の本を参照してください)。

新商品やサービスを売り出す上で、新規の顧客を獲得することはとても難しい課題です。

なぜなら、ブランド力もなければ知名度もない商品にお金を出す顧客はなかなかいないからです。

よくわからない会社がよくわからないサービスを月1万円で販売していたら、購入したいとは思いませんよね。

一方で無料の場合はどうでしょうか?お金の支出がない(損しない)ので、なんとなく面白そうであれば、とりあえず利用してみようとなるはずです。

みなさんの想像以上に「ゼロ円」「無料」の魅力は大きいため、フリーミアムモデルは新規顧客の獲得で大いに有利に働くでしょう。 

メリット②:サービスが早く成長しやすい

フリーミアムモデルの持つ二つ目のメリットは、サービスが早く成長しやすい点です。 

まずゼロ円の魅力で多くの顧客を引き付けるため、サービスの利用者が急速に増えます。

そしてサービスを利用したユーザーがSNSや口コミでサービスの良さを伝えてくれるため、さらに新規ユーザーを集めることができます。

フリーミアムモデルはこのサイクルがスピーディーに回り続けるため、通常の有料サービスと比べて早くサービスが成長しやすいわけです。

また多くの顧客を短期で集めるので、より素早く多くのフィードバックを獲得できます。

多くのフィードバックを素早く得る結果、より早く顧客に求められるサービスを作り上げることが可能です。

メリット③:最初から有料の場合よりもお金を払ってもらいやすい

フリーミアムモデルの持つ三つ目のメリットは、最初から有料の場合よりもお金を払ってもらいやすい点です。

その理由は二つあります。

一つ目の理由は、フリープランを利用してすでにサービスの良さをわかっているから、お金を出しやすいからです。

たとえば有料ゲームの場合、自分がやったことのあるゲームでない限り、そのゲームが面白いかつまらないかは分かりません。

何千円ものお金を出してつまらなかったら嫌なので、購入するのをためらう可能性は十分考えられます。

しかし一方で、途中まで無料で遊べてそれ以降は有料のゲーム、だとしたらどうでしょうか?

その人にとってゲームが面白いと感じられたら、面白さをすでに知っているので、後半を遊ぶ分のお金を安心して出せるでしょう。

フリーミアムモデルは、サービスの良さを知った上で課金できるので、結果的に有料のサービスと比べてお金を支出しやすくなるのです。

二つ目の理由は、フリーミアムモデルは利用者の「より便利(快適)にサービスを使いたい」という欲を掻き立てる効果があるからです。

フリープランを使っていくうちに、「より便利に使いたい」とか「より快適にサービスを使いたい」という欲がお客さんの心の中に湧き上がってきます。

たとえば音楽を無料で聴けるサービスをダウンロードしたとしましょう。そのサービスは無料で音楽を聴けるものの、2〜3曲に一回長ったらしい広告が流れてきます。

最初は良いかもしれませんが、使っていくうちに広告がうざったらしくなり、「広告に邪魔されずに音楽を聴きたいなあ」と思うでしょう笑

そこでもし広告を消せる有料会員プランがあったら、お金を払ってしまう人は少なくないと思います。

フリーミアムモデルのデメリット

次に、フリーミアムモデルのデメリットをお伝えします。

メリットばかり語られることの多いフリーミアムモデルですが、まったく欠点がないビジネスモデルという訳ではありません。

フリーミアムモデルを使いこなしたいのであれば、メリットのみならずデメリットにもしっかり目を傾けましょう。

フリーミアムモデルのデメリットは以下の二つです。

デメリット①:仕組みづくりがとても難しい

フリーミアムモデルにおける最大のデメリットは、収益を生み出す仕組みを作るのが非常に難しい点です。

「ゼロ円」「無料」といった魅力的なフレーズで多くの人にサービスを利用してもらえるのがフリーミアムのメリットですが、利益を確保できるかはまったく別の話です。

多くの顧客が無料のプランで満足してしまうと、有料プランを利用してもらえないため利益を確保することができません。 

フリーミアムのむずかしさは、この無料プランと有料プランの仕組みづくりです。

もっというと、「どこまで無料にして、どこから有料にするか」を間違えると、全然利益を得られなくなります。

たとえば動画保存のアプリを運営しているとして、月間10個まで無料で動画を保存でき、それ以上の数を保存する場合には有料となるプランを用意したとしましょう。

仮に多くの顧客が5〜6個の動画を保存できれば満足だとすれば、有料プランはほとんど利用してもらえません。

この場合無料プランと有料プランの境界を3〜4本程度にすれば、顧客に有料プランを使ってもらえる可能性が高くなります。 

つまりフリーミアムで成功するには、顧客に有料プランを使いたいと思わせなくてはいけないのです。

有料プランを利用させる策を見つけるのが困難な点は、フリーミアムのビジネスを行う上で見落としがちなデメリットなので注意しましょう。

デメリット②:黒字にするまで長い期間を要する

フリーミアムにおける 二つ目のデメリットは、黒字にするまで長い時間を要する点です。

そもそもフリーミアムは、無料サービスを利用する顧客の一部に課金してもらうビジネスモデルです。

そのため、運用に要するコストよりも多くの収益を獲得し、黒字化するまでには長い時間を要します。

事業を運営してからしばらくは赤字が続く可能性が高いため、フリーミアムモデルを運営するにはあらかじめ十分な資金を確保しておく必要があります。

フリーミアムのメリット・デメリットまとめ

 「ゼロ円」や「無料」という強力な武器を持つフリーミアムは、新規顧客を迅速にたくさん獲得できる上で非常にメリットの大きいビジネスモデルです。

しかしフリーミアムモデルには、利益を生み出す仕組みづくりが難しい点や黒字化までに時間がかかる点など、厄介なデメリットも存在します。

ビジネスにフリーミアムを取り入れる際には、メリットのみならずデメリットについても考慮し、十分な勝算を見出してから始めるのがオススメです。

フリーミアムモデルの事例や成功ポイントについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください!

www.bizkurage.com