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ゴールデンパラシュートとは?意味やメリットをわかりやすく解説!

ゴールデンパラシュート

上場している企業は、常に他の会社から買収されるリスクと向き合わなくてはいけません。

そこで多くの上場企業は、経営陣の意図しないM&A(敵対的買収)を仕掛けられた際に備えて、買収防衛策と呼ばれる施策を何かしら考えていたり準備しています。

今回はそんな買収防衛策の一つである「ゴールデンパラシュート」を取り上げてみようと思います。

ゴールデンパラシュートとは

まず最初に、ゴールデンパラシュートの基本的な意味をお伝えします。

ゴールデンパラシュートとは、敵対的買収により現経営陣が解雇された際に、経営陣に対して巨額の退職金を支払うように設定しておく手法です。

買収が行われた時点で経営陣に莫大な金額の退職金が支払われるようにしておくことで、買収に必要となる費用が大幅に増加します。

買い手側からすると買収により多額のお金が必要となるため、結果的に敵対的なM&Aを実行する意欲を減退させる効果を見込めます。

また、買収時に従業員や株主を差し置いて、経営陣に巨額の退職金が支払われると、株主や一般の人から抱かれる印象が悪くなります。

つまり相手からすると買収した途端に会社の価値が低下する恐れがあるため、敵対的なM&Aに踏み切れにくくなります。

ドラマ「ハゲタカ」でも話題となったゴールデンパラシュート

そんな絶大な効果を発揮するゴールデンパラシュートは、その名前のインパクトも相まって買収ファンドを題材にしたドラマ「ハゲタカ」でも出てきて話題となりました。

なおハゲタカのドラマでは、買収防衛策としてではなく、買収者側が相手経営陣に退職を迫る際の交渉材料として「ゴールデンパラシュート」が用いられました。

本来は経営陣が自らの経営権を守る目的で用いる手法ですが、近年のアメリカではハゲタカの劇中で出てきたように、買い手側の交渉材料として用いるケースも多いようです。

そのため最近は、敵対的買収の対象に対して巨額の退職金の支払いを提案する行為も、ゴールデンパラシュートと呼ばれています。

ゴールデンパラシュートのメリット 

ゴールデンパラシュートのメリットは、買収防衛策としての効果も発揮しつつ、万が一買収された際の保険としても活用できる点です。

他の買収防衛策を講じた場合、万が一買収を強行された場合、経営陣は会社の外から追いやられて手元には何も残らなくなります。

一方でゴールデンパラシュートの場合は、仮に買収が実行されたとしても、経営陣は多大な退職金を受け取ることができます。

退職金で得た多額のお金を使って、他の事業を始めるといった行動に移りやすくなります。

また前述したように、買収意欲を削ぐ効果が高い点で、本来の買収防衛策としてのメリットも十分期待できます。

ゴールデンパラシュートのデメリット

買収防衛策や経営陣の保険として大きなメリットのあるゴールデンパラシュートですが、無視できない大きなデメリットもあります。

そのデメリットとは、ゴールデンパラシュートの設定難易度が非常に高い点です。

ゴールデンパラシュートは経営陣に多額の退職金を設定することにより、買収から防衛する策です。

そのため、外部の株主から経営陣の保身であると見なされやすいのが難点です。

基本的に株式会社では、大多数の株主から承認を得てはじめてゴールデンパラシュートなどの防衛策を設定できます。

そのため、経営陣の保身であると見なされて株主からゴールデンパラシュートを導入することを認めてもらえない可能性が高いです。

どれほど優れている買収防衛策でも導入できなければ意味がないので、導入する際には経営陣の保身が目的ではない点を真摯に説明する必要があります。

ゴールデンパラシュートのまとめ

今回の記事では、買収防衛策の一つであるゴールデンパラシュートの意味やメリット、デメリットをご説明しました。

経営陣にとってゴールデンパラシュートは、単なる買収防衛策としてのみならず、多額の退職金をもらえる点でメリットの大きい手法です。

しかし株主からは、多額のお金を持ってやめることができる点で、経営陣の保身であると見なされる可能性があります。

そのため実務上は、導入や実行には至りにくいのが現状となっています。

今回ご紹介したゴールデンパラシュートの他にも、買収防衛策には様々なものがあります。

過去の記事では、防衛策の一つである「ポイズンピル」について詳しく説明しています。

他の手法にも興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください!

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