集団凝集性とは?意味やメリット・デメリットを解説

会社などの組織では、一緒に働くメンバー同士の団結力が重要視されます。

社内のメンバー同士の団結度合いは、専門用語で「集団凝集性」と呼ばれます。

集団凝集性は高ければ高いほど良いと思われがちですが、実は高すぎるとデメリットが生じるおそれがあります。

そこで今回は、集団凝集性を高めるメリットやデメリットをわかりやすく解説します。

集団凝集性とは

はじめに、集団凝集性という用語の意味と、集団凝集性が高まる要因について解説します。

集団凝集性の意味

集団凝集性とは、集団の各構成員がお互いに引き合う心理的な力の度合いを意味します。

企業を例にすると、従業員同士の団結度合いが集団凝集性に該当します。

集団凝集性が高いほど、集団内のメンバー同士が持つ仲間意識や連帯感、帰属意識は高まります。

そのため、各メンバーには集団内で採用されている基準や規範に従うよう圧力がかかります。

集団凝集性の種類

集団凝集性は、「対人凝集性」と「課題達成凝集性」の2種類に大別されます。

対人凝集性とは、メンバー同士が好意的な人間関係を構築することで生じる凝集性です。

一方で課題達成凝集性は、集団への所属により自己実現や権利の獲得などのメリットを得られるという理由から生じる凝集性を意味します。

集団凝集性が高まる要因

集団凝集性を高める要因は以下の5つです。

・集団が小規模である(設立されたばかりのベンチャー企業など)

・メンバーの共有する時間が多い

・集団に参加する難易度が高い(特殊なスキルを持つ人材のみが入社できるなど)

・外的脅威(ライバルとなる企業や危機的な状況など)が存在する

・集団での成功体験が存在する

つまり集団凝集性を高めたいならば、メンバーの共有する時間を増やしたり、成功体験を積み上げたりすれば良いのです。

集団凝集性の向上で享受できるメリット

集団凝集性を高めると、仲間意識や一体感、チームワークの向上といった効果を実感できます。

その結果、下記に挙げた2つのメリットを得られます。

チーム全体で生産性や効率性が向上する

集団凝集性を高める最大の魅力は、チーム全体で業務の生産性や効率性が高まる点です。

社員のチームワークや一体感が高まることで、お互いが苦手な部分をカバーしあったり、連携がスムーズに進むようになります。

その結果、より短い時間で多くの仕事をこなせるようになったり、仕事のクオリティが上がったりするのです。

また、目標の達成や課題の解決も近づくでしょう。

離職率が低下する

集団凝集性が高い組織では、各メンバーがその集団や他の人に対して愛着を持ちます。

楽しく人間関係などをあまり気にせずに働けるため、離職率が低下する傾向にあります。

離職率が低下することで、長期的には採用や人材の教育にかかるコストの削減メリットも得られるでしょう。

集団凝集性が高いことでもたらされるデメリット

「生産性や効率性が向上するならば、従業員の団結度合いは高いほど良いのではないか?」と考える経営者の方は少なくありません。

しかし集団凝集性を高めすぎると、かえってデメリットが生じる可能性があるので注意を要します。

具体的には、集団凝集性が高い状態により以下2つのデメリットが生じ得ます。

グループシンク(集団浅慮)に陥るリスクがある

集団凝集性が高いことで生じる最大のデメリットは、グループシンクに陥ることです。

グループシンク(集団浅慮)とは、集団での合意形成を図った結果、短絡的で誤った意思決定を行ってしまう現象です。

具体的には、集団で会議した結果、成功可能性が低い案が採用されてしまうケースなどが該当します。

そんなグループシンクは、集団凝集性が高いほど生じやすい現象と言われています。

集団凝集性が高いほどグループシンクに陥りやすい背景には、「嫌われたくない」とか「集団の和を乱したくない」などの感情が生じるからです。

もしくは、お互いに無意識で同調圧力をかけ合うことも影響します。

たとえば自分以外のメンバー全員が間違った案に賛成している状況では、仲間外れになることを恐れて、間違っていると分かっていてもその意見に賛同してしまうものです。

グループシンクを防ぐには、「メンバー間の仲が良い(集団凝集性が高い)ほど、その関係性が崩れることを恐れて正しい意見を主張しにくくなる」ということを各メンバーが認識しておくことが重要です。

そうすれば、各々が正しいと思うことを主張できるため、結果的に集団の意思決定は正しい方向に向かいやすくなるでしょう。

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かえって効率性や生産性が低下するリスクがある

集団凝集性が高い場合に注意すべきなのが「馴れ合い」です。

仲の良さがチーム内での連携に向かえば良いですが、一歩間違えると馴れ合いに発展する可能性があります。

メンバー同士が馴れ合う状況となると、お互いの重大なミスを見過ごしたり、仕事のスピードが低下するといったパフォーマンス面での弊害が生じやすくなります。

こうした効率性や生産性の低下を防ぐには、定期的に馴れ合いが生じていないかを確認し、早めに対処することが不可欠です。

適度な集団凝集性を保つことが重要

今回ご説明したように、集団凝集性はメリットにもデメリットにもなります。

なさすぎる状態はもちろん、集団凝集性が高すぎる状態も、馴れ合いやグループシンクの原因となり得るため好ましくありません。

したがって、会社などの組織は常に適度な集団凝集性を維持することが重要です。

人間関係と同様に、適度な距離感や関係性を維持することを心がけましょう。