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イノベーションとは?意味や種類、事例などについて解説!

イノベーションとは

ビジネスシーンに限らず普段の生活でも、「イノベーション」という用語は頻繁に耳にするかと思います。

イノベーションの意味を「技術革新」と理解している方は多いですが、実は技術革新はイノベーションの一部でしかありません。

今回の記事では、イノベーションの正確な意味や種類、具体的な事例などをお伝えしようと思います。 

イノベーションの意味とは?

イノベーションの意味を「技術革新」 と捉えている人が多いですが、実は技術革新に限った概念ではありません。

イノベーションとは、「創造的なアイデアを実行に移すことで、その企業自身や世の中に新しい価値や利益をもたらす変革」を意味します。

「イノベーション」という用語は、20世紀の初めに著名な経済学者「シュンペーター」が自身の著書で発表したのが起源となっています。

シュンペーターは自身の主張にて、イノベーションは経済発展を促す「新結合の遂行」であると定義し、具体的に下記の5つをイノベーションとして挙げました。

  • 新しい生産物または生産物の新しい品質の創出と実現
  • 新しい生産方法の導入
  • 産業の新しい組織の創出
  • 新しい販売市場の開拓
  • 新しい買い付け先の開拓

見てもらえるとわかるように、単に新しい製品を作るだけでなく、市場の開拓や組織の創出といったこともイノベーションに含まれます。 

シュンペーターが提唱したイノベーション理論は、その後の経済・経営学の理論にも大きな影響を与えています。

シュンペーターのイノベーション論に影響を受けた一人に、ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるクリステンセン氏がいます。

クリステンセン教授のジョブ理論では、顧客の購買行動に着目し、新しい商品やサービスのアイデアを見出す重要性や具体的な方法が述べられています。

新規事業の立ち上げにも役立つ考え方なので、下記の記事を詳しくご参照ください。

www.bizkurage.com

イノベーションの種類

イノベーションと一口に言っても、イノベーションにはさまざまな種類があります。

今回は色々とあるイノベーションの中から、主要な4種類をご紹介します。 

プロダクトイノベーション

プロダクトイノベーションとは、従来存在しなかった新製品や新サービスを作り出す種類のイノベーションです。

革新的な技術を用いて、これまで存在しなかった新しいモノを創造する行為です。

近年の例で挙げるとすれば、AI技術が搭載された製品がプロダクトイノベーションであると言えます。

一般的にイノベーションと聞くと、プロダクトイノベーションを思い浮かべる方が大半でしょう。

プロセスイノベーション

プロセスイノベーションとは、既存製品の生産方法や商品の提供方法を変える種類のイノベーションです。

商品やサービス自体が変わらなくても、従来と比較して圧倒的低コストで生産できるようになったり、全く異なる方法でお客さんが商品を購入できるようになれば、それはイノベーションと呼べるのです。

たとえば日本を代表する自動車メーカーのトヨタは、JIT生産方式と呼ばれる独自の生産プロセスを開発しました。

このプロセスイノベーションによりトヨタは、在庫管理費の削減や問題の見える化を実現しました。

インクリメンタルイノベーション(持続的イノベーション)

インクリメンタルイノベーションとは、既存製品の細かな部分改良や性能向上を目指すイノベーションです。

生産技術の向上に伴い、より顧客に求められる商品を生産・販売するのが持続的イノベションの目的です。

たとえば同じ機種のスマホであっても、年々バージョンアップした商品が発売されますが、あれこそが持続的イノベーションの典型例です。

イノベーションと聞くと画期的な商品を作り出すことと誤解されがちですが、実は既存商品のバージョンアップ的なものを作るケースもイノベーションと呼べるのです。

ラディカルイノベーション(破壊的イノベーション)

ラディカルイノベーションとは、従来とは全く異なる商品やサービスにより、市場に対して新しい価値基準をもたらす種類のイノベーションです。

たとえばガラケー全盛期だった時代に、突然スマートフォンが現れた時は多くの人が衝撃を受けました。

「携帯=単なる連絡手段」という価値観だった消費者に対して、これからは「ゲームやインターネットなどの機能を使うのが主流」という価値観をもたらしたのは、まさにラディカルイノベーションと呼べるでしょう。

イノベーションの事例

今回は世界的にインパクトを与えたイノベーションの事例として、AmazonとAirbnBをご紹介します。

事例①:Amazon

世界最大のECサイトを運営するAmazonが成功した理由の一つには、製品知識を重視していた従来のECサイトとは違い、顧客のデータを重視した画期的なECサイトを立ち上げたことがあると言われています。

顧客の購買履歴をはじめとしたデータを収集し、顧客の好きな商品を好きなタイミングで提案することで、Amazonは着実に顧客数や売上高を増やしていきました。

今ではアメリカの主要IT企業「GAFA」の一角にも数えられるほどの成長を遂げました。

「製品重視のECサイト」から「顧客重視のECサイト」へのイノベーションを起こしたことが、Amazonが成功した要因の一つであるのは確かでしょう。

※こちらの記事を参考にしました!

netshop.impress.co.jp

事例②:AirbnB

近年の宿泊業に大きなイノベーションを巻き起こしたのが、AirbnBというサービスです。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、AirbnBとは「空き部屋を持っている個人と安く宿泊したい旅行客」をつなげるプラットフォームビジネスです。

 

旅行客にとってホテルや旅館よりもより安価な値段で宿泊できる点や、一般人でも簡単に宿泊業に参入できるようになった点は、まさに画期的なイノベーションです。

またAirbnBは、宿泊業に「人とのふれあいを体験できる」という全く新しい価値をもたらしました。

AirbnBで部屋を借りる際には、基本的にホストと実際に対面して部屋の使い方などを教わります。

その際にたわいもない会話をしたり、場合によっては一緒に食事を楽しむこともあります。

現地の人との交流を楽しめる点は、AirbnBだからこそ体験できる価値です。

「宿泊させる・宿泊する」という単純な宿泊業のビジネスに、「人との交流」という新しい価値をもたらした点こそが、AirbnBが巻き起こしたもっとも大きなイノベーションだと個人的に思います。

ちなみに自分も海外旅行の際にAirbnBを活用していますが、ホテルよりも安い上に現地の人とも交流できるのでとてもオススメです!!

※こちらの記事を参考にしました!

medium.com

なぜリーダー企業は衰退してしまうのか?〜イノベーションのジレンマ〜

革新的な生産工程や新製品により一度は市場を席巻した企業が、数十年後には大幅に衰退してしまう現象は多々見受けられます。

一時は市場のリーダーとなるほどの実力があるにもかかわらず、どうして突然衰退してしまうのでしょうか?

結論を言うと、リーダー企業は既存の顧客からの要望に応えることで精一杯で、革新的な商品・サービスの開発などに着手しない(できない)からです。

ある商品やサービスを使用しているお客さんは、基本的に「製品の使い勝手をよくしてほしい」とか「デザインをもう少しスタイリッシュにしてほしい」という感じで、既存製品の延長線上の要求しかしません。

一方でリーダー企業からすると、既存顧客からの要求に応えるのが一番低リスクで確実に利益を得られる手段です。

そのためリーダー企業は、既存顧客からの要求に応えて、既存製品の改良をはじめとした持続的イノベーションに取り組み続けます。

持続的イノベーションを続けた結果、ある日突然破壊的イノベーションを巻き起こした企業に市場シェアを大きく奪われてしまうのです。

このような既存のリーダー企業が破壊的イノベーションに対応できなくなる現象は、「イノベーションのジレンマ」と呼ばれます。

イノベーションのジレンマの対策をしなければ、次世代のイノベーション競争に乗れずに市場から姿を消してしまいます。

イノベーションのジレンマの解決策について下記の記事で解説しているので、もしよければご覧ください。

www.bizkurage.com

イノベーションのまとめ

イノベーションは私たちの生活だけでなく、経済発展を促す要因としても非常に重要です。

イノベーションと聞くと高度な技術革新などが必要だと誤解されがちですが、今回ご紹介したように新しい生産方式や販売方法の開発もイノベーションに含まれます。

新規事業を始める際には顧客のニーズや市場のトレンドを踏まえ、小さくても良いのでイノベーションを起こせるようなビジネスプランを考えると、大きな収益を得られる可能性があると思います。