内発的動機づけ・外発的動機づけとは?各理論の違いを解説

  • 2020年7月13日
  • 2020年7月13日
  • 組織論
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「部下や従業員のモチベーションアップに取り組んでいるけど、いまいち良い効果を得られていない」

このような悩みを抱える経営者やマネジメント層の方は多いと思います。

あらゆる理由が考えられますが、もしかしたら適切なモチベーションアップの施策を実施できていない可能性があります。

モチベーションを高める上では、「内発的動機づけ理論」と「内発的動機づけ理論」の違いを最低限知っておく必要があります。

その上で、内発的と外発的のどちらの方法でモチベーションを高めるべきかをその都度見極めなくてはいけません。

そこで今回は、内発的動機づけ理論と外発的動機づけ理論の違いについて、メリットやデメリットなども交えつつ解説します。

「動機づけ」とは

動機づけとは、ある目標に向かって行動を開始したりそれを維持する要因です。

要するに一言で表すと、動機づけとは「モチベーション」を意味します。

動機づけ(モチベーション)が高ければ目標に向かって行動を維持できたり、高いパフォーマンスを発揮できます。

したがって会社の業績を上げるには、部下や社員を動機づける(=モチベーションを高める)ことで、仕事のパフォーマンスを向上させることが不可欠です。

動機づけの方法は、大きく「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2種類に大別されます。

次章以降では、それぞれのメリットやデメリット、高める方法を詳しく見ていきましょう。

内発的動機づけ理論とは

内発的動機づけとは、その人自身の心の内側にある要因によって生じる動機づけを意味します。

内発的動機づけ理論は、そんな心の内側から生じるモチベーションの高まりに着目した理論です。

内発的動機づけの例

内発的動機づけが生じる要因としては、楽しさや満足感、面白さ、達成感、有能感、自己決定の感覚などが該当します。

たとえば趣味に没頭しているとき、大半の方は楽しさや達成感などのポジティブな気持ちが湧き上がるでしょう。

こうしたプラスの感情があるため、好きなことならば上手くいかなくてもやる気が湧き上がってくるわけです。

仕事でも同様で、仕事を楽しみながら行える人や、達成感を感じるために熱心に仕事を行う人は、内発的に動機づけられていると言えるでしょう。

内発的動機づけのメリット

内発的動機づけによってモチベーションが高まる最大のメリットは、モチベーションを長期間にわたって維持しやすい点です。

外発的な動機づけの場合、外からもたらされる報酬や評価がなくなると、モチベーションは減退する可能性が高いです。

一方で内発的動機付けの場合、自身の好奇心などの感情が続く限り、モチベーションを高い水準で維持できます。

また、自らの意思で行動を行うため、高い満足感や学習効果、経験値を得やすい点もメリットとなります。

内発的動機づけのデメリット

内発的動機づけに基づいてモチベーションを高める場合、自身の内から湧き上がる好奇心や達成感などを刺激する必要があります。

人によって好奇心や達成感などを持つ対象や要因は異なるため、手軽かつ自由にモチベーションを高められない点がデメリットとなります。

一度動機づけが成功すれば安定的かつ高い水準のモチベーションを維持できるものの、動機づけが成功するかは不確実なのです。

内発的動機づけを高める方法

内発的動機づけを高めるには、対象者の満足感や達成感、有能感などを刺激する必要があります。

従業員や部下の内発的動機づけを行う具体的な方法として有名なのが、「職務特性モデル」です。

職務特性モデルでは、下記5つの特性を満たす業務を部下や従業員に与えることで、満足感や達成感、有能感などを刺激し、内発的動機づけにつながるとしています。

・様々なスキルや技能を必要とする(単調作業でない)

・社内の業務プロセスに大きく関与する

・業務の良し悪しが社内外の業務に大きく影響を与える

・自分で工夫できる仕事である

・業務を行うことで相応の手応えを感じることができる

職務特性モデルについて詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。

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外発的動機づけ理論とは

外発的動機づけとは、外部の要因によってもたらされる動機づけを意味します。

外発的動機づけ理論は、その人自身の外側からもたらされるモチベーションの高まりに着目した理論です。

外発的動機づけの例

外発的動機づけが生じる要因としては、報酬や言語報酬(賞賛)、評価などが該当します。

わかりやすいのが、親御さんがお子さんに言う「テストで良い点数を取ったら、ゲームを買ってあげる」といった発言です。

この発言により子供は、ゲームを買うためにテスト勉強を頑張ります。

この時子供は、「ゲーム」という報酬があることで、外発的に動機づけられているわけです。

仕事を例にすると、高額なボーナスや昇進、昇給などが外発的動機づけの最たる要因となります。

年収アップや昇進のために、毎日夜遅くまで身を粉にして働いている人は、外発的に動機づけられているわけです。

外発的動機づけのメリット

外発的動機づけでモチベーションを上げるメリットは、誰でも簡単に実施しやすい点です。

たとえば仕事ならばボーナスや昇進などのご褒美を用意すれば、簡単に外発的動機づけを行えます。

また、内発的動機づけと比較して、短期間ですぐにモチベーション向上の効果を得られる点も大きなメリットです。

外発的動機づけのデメリット

一見するとメリットの多い外発的動機づけですが、「効果が持続しにくい」というデメリットがあります。

外発的動機づけでモチベーションを維持するには、ずっと報酬や昇進などのご褒美を用意しなくてはいけません。

予算の限度や制度上ご褒美を永続的に準備するのは困難であるため、外発的動機づけで長期的にモチベーションを高い水準に維持するのはほぼ不可能です。

また、自主性が失われやすい点や実力以上のパフォーマンスを発揮しにくい点もデメリットとなります。

加えて企業の場合は、成果を追求するあまり、他人の利益を無視した個人プレーに走りやすいといった成果主義の弊害も生じてしまいます。

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外発的動機づけを高める方法

外発的動機づけを高める上で、もっともオーソドックスなのは分かりやすい「ご褒美」を提示することです。

特別ボーナスや昇進・昇給などのご褒美を用意すれば、従業員や部下を簡単に外発的に動機づけられるでしょう。

また、「褒める」という言語報酬も外発的動機づけの方法として有効です。

「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」どちらが良いの?

ここまで内発的動機づけと外発的動機付けについて説明しましたが、果たしてどちらの方法を採用するのが良いのでしょうか?

この章では、ビジネスで使うことを想定し、内発的動機づけと外発的動機づけのどちらが有用かを解説します。

最終的には「内発的動機づけ」によってモチベーションが上がる状態がベスト

特定の分野で成功するには、長期間にわたる根気的な努力を要することが一般的です。

そのため、内発的動機づけの方法で従業員や部下のモチベーションを高めるのがベストです。

従業員のモチベーションが内発的に動機づけられれば、長期間にわたって高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。

やる気の無い人に対しては外発的動機づけが有効

最終的な理想としては、内発的動機づけによりモチベーションを高めるのがベストです。

しかし、すべての従業員や部下にとって、内発的動機づけが有効というわけではありません。

なぜなら、仕事を嫌々仕方なくやっている人には、業務を行っても達成感や満足感などの気持ちは湧き上がってこないからです。

そういう人を無理やり内発的に動機づけようとしても、ほとんど効果は得られません。

むしろ、不満をもたれて離職するといったリスクもあります。

したがってやる気がない人には、まずは外発的動機づけを行うのが有効となります。

先ほどお伝えしたとおり、誰にでも適用できるのが外発的動機づけのメリットです。

したがって、短期的とはいえ報酬などのご褒美を準備すれば、やる気のない人にもモチベーションを高めてもらうことが可能です。

ただし予算等に限界がある点や、長期的なモチベーションにはつながらない点を踏まえると、いずれは内発的な動機づけにも着手する必要があります。

外発的動機づけである程度モチベーションが高まったタイミングで、徐々に内発的な動機づけを行うようにしましょう。

外的な報酬は内発的動機づけを低下させるため危険

特定の状況下では有効な外発的な報酬ですが、かえって内発的な動機を低下させるリスクがあるため注意が必要です。

たとえば「単純に楽しいから」という理由で新技術の開発に取り組む社員がいたとしましょう。

この社員の取り組みに対してボーナスを支給すると、モチベーションが低下する可能性が高いことが先人の研究により明らかとなっています。

社員や部下のモチベーションを高めたい場合は、まずはその社員が「内発的に動機づけられているか」を確認した上で、最適な方法を実践するようにしましょう。

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動機づけに関するまとめ

内発的動機づけと外発的動機づけの違いを知れば、従業員や部下ごとに最適なモチベーション向上の施策を実施できるようになります。

今回お伝えした内容を参考にして、ぜひ従業員や部下のモチベーションアップに取り組んでいただければと思います。

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