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投資と融資の違いとは?お金を受け取る側と出す側の双方から解説!

投資と融資の違い

「投資」と「融資」はよく混同されがちですが、実は両者は全く異なる資金調達の手段です。

新規事業を立ち上げたり起業した方は、事業に必要な資金を調達する必要があります。

その際基本的には「投資」か「融資」のいずれかを選ぶことになるのですが、あまり二つの違いを分からずに資金調達に臨む方が意外と多いなと思います。

投資と融資は全く異なる方法であるため、何も考えずに選んでしまうと後ほど大きく後悔する恐れがあります。

この記事では、投資と融資の違いをお金を受け取る会社側とお金を出す側の両面からお伝えします。

新規事業を立ち上げたり起業したばかり(もしくは予定)で、 資金調達したいと考えている方は必見です。

投資とは?

まず初めに投資について、融資との違いを踏まえつつお伝えします。 

資金調達における投資の仕組み

資金調達における投資とは、事業を行う会社側が株式を投資家に付与し、その代わりに投資家がお金をその会社に投資する行為を指します。

証券市場を通じて上場企業が出資を募り、投資家が株式を購入する仕組みがこのケースです。

なお投資により資金調達した場合には、会社の純資産(自己資本)が増加します。

 

お金を受け取る企業側から見たメリット・デメリット

資金調達する側から見ると、受け取った資金に返済義務がない点が投資の最も大きなメリットです。

事業が失敗して返済できなくなった際はもちろん、事業が成功した場合でも資金を返済せずに済みます。

また成功している経営者など(俗に言うエンジェル)から投資を受ければ、有望な提携先を紹介してもらえたり、経営のアドバイスなどを受けられるメリットも得られます。

 

一方で投資を受ける代わりに株式を渡す必要があるため、経営の自由度が低下するデメリットがあります。

株式会社では、保有する議決権(株式)の数によって行使できる権限が変わります。

一人の投資家に一定以上の株式を保有されると、自社経営陣の意向で会社の意思決定を行えなくなってしまいます。(※種類株式を使って阻止する方法はありますが、話が難しくなるのでここでは割愛します。)

また複数の投資家に株式が分散した場合でも、意思決定がスムーズにいかなくなるなどのデメリットが生じ得ます。

よくベンチャー企業の界隈では、◯億円調達したみたいな話題が頻繁に出ています。

その影響で返済義務のない投資による資金調達が万能だと勘違いする方もいますが、下手したら首輪に繋がれた経営者になるリスクがあるので十分な注意が必要です。

 

お金を出す側から見たメリットとデメリット

投資する側から見た最も大きなメリットは、何と言ってもキャピタルゲイン(株式を売却した際に得られる利益)とインカムゲイン(配当金)です。

例えば1株100円の株式を1000株(100,000円分)購入したとします。この株式が1株1,000円になったタイミングで売却すれば、(1,000円×1000株−100,000円)=900,000円もの利益を得られます。

最初の投資額や株価の上がり幅が大きいほど、得られるキャピタルゲインは多くなります。

この仕組みがあるために、設立初期のベンチャーに投資した投資家や、事業売却に成功した経営者は莫大な資産を築けるのです。

また株式には配当金というものがあり、株式を保有しているだけで定期的に利益をもらえます。

 

このように投資には莫大な利益を得られる可能性があるというメリットがある一方で、投資した資金が0円になるリスクもあります。

後述する融資とは違い、投資した資金には返済義務がありません。仮に事業が失敗してしまうと、投資した資金を回収できなくなります。

 

融資とは?

次に投資との違いを踏まえつつ、融資の概要をお伝えします。

資金調達における融資の仕組み

資金調達における融資とは、事業を行う会社側が第三者から事業に使う資金を借りる行為です。

銀行からお金をお金を借りた上で、事業を立ち上げたり運転資金に充てる行為が融資であり、多くの中小企業で使われている資金調達の方法です。

なお融資により資金調達した場合には、会社の負債が増加します。

お金を受け取る企業側から見たメリット・デメリット

資金調達する側から見ると、経営の自由度を保った上で資金調達できる点が融資のメリットです。

融資により資金調達する場合、投資とは違い株式を相手に交付する必要がありません。そのため、相手側の意向に左右されることなく自由に経営できます。

また必要なタイミングで必要な額を調達しやすい点も、融資の大きなメリットです。投資では相手の評価や事業内容次第で調達できる額が決まりますし、調達が決定するプロセスが長いです。

融資であれば、必要な時に必要な金額だけ調達しやすいので、事業計画に合わせて資金調達できます。

 

一方で融資で受け取った資金には、返済義務と利息の支払い義務が発生します。

一部のビジネスモデルを除けば、時期や景気などによって業績は毎月毎月変動します。状況によっては業績が一時的に大きく低下するタイミングもあるでしょう。

融資で得た資金に関しては、原則そのような業績変動に関係なく毎月一定額返済する必要があるため、資金繰りが狂う恐れがあります。

特に新規事業を立ち上げたばかりで十分な利益を得られていない会社にとっては、毎月利息の支払いや元本の返済が生じる点は大きなデメリットになります。

 

お金を出す側から見たメリットとデメリット

お金を融資する側から見た大きなメリットは、貸したお金を原則回収できる点です。 

お金が返ってこないリスクがある投資とは違い、融資の場合は毎月一定額ずつ返済してもらえます。

また元本を返済してもらうだけでなく、利率に応じた利息を定期的に受け取れる点も融資のメリットです。 

一方で投資と比べると、得られる利益が基本的に少ない点が融資のデメリットです。

投資とは違い大きな利益は見込めませんが、ほぼ確実に利益を得られる点が融資の特徴です。 

 

投資と融資の違いから見える資金調達のポイント

最後にこれまで見てきた投資と融資の違いから、どのように資金調達の方法を選べば良いか自分なりの意見をお伝えします。

融資を受ける際は「事業の堅実性」、投資を受ける際は「事業の将来性」をアピールする

融資を行う金融機関は、「相手が確実に資金を返済してくれるか?」という観点から融資するかどうかを決定します。

つまり金融機関側は、安定的に返済資金を賄えるほどの利益を得続けられるかを重視しています。

それを踏まえて資金調達する際には、融資の審査に通る可能性を1%でも高めるために、事業で堅実に利益を得続けられる点をアピールするのが良いでしょう。

既存のビジネスモデルの延長線上にあり、安定的に利益を得られる事業を行なっている方には融資での資金調達が向いていると思います。

 

一方でビジネスにお金を出す投資家は、一般的に「より多くの利益を得られるか・その事業がどの程度成長するのか?」という観点から投資するかどうかを決定します。

つまり投資家は、多少リスクが大きくても成長性の高いビジネスかどうかを重視する傾向があります。

それを踏まえて資金調達する際には、投資を受けられる可能性を1%でも高めるために、市場自体の成長性の高さや事業の将来性の高さをアピールするのが良いでしょう。

既存のビジネスモデルとは違い、画期的で先進的なビジネスを行なっている方には投資での資金調達が向いていると思います。

 

融資の場合は「資金繰り」、投資の場合は「経営権の確保」を重視しよう

先ほどお伝えした通り、融資を受けると毎月資金の返済や利息の支払いが発生するため、資金繰りが悪化するリスクがあります。

融資を受ける際には資金繰りが悪化しないようにあらかじめ入念に資金繰り計画を立てるのが大事となります。

一方で投資は、融資とは違い株式の分散により経営の自由度が低下するリスクがあります。

投資を受ける際には経営権を自社で維持できるように対策を練る(種類株式の活用や過半数以上の議決権保持など)のが大事となります。

投資と融資の違いのまとめ

今回の記事では、投資と融資の違いをお伝えしました。

今回お伝えした通り、投資と融資は全く趣旨のことなる資金調達の方法です。

新規事業立ち上げや起業の際には、投資と融資の違いを明確に認識した上で資金調達するのをオススメします!