中小企業診断士クラゲの経営学・マーケティングラボ

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共同経営で自分が経験したトラブル〜契約書を結ばないとこうなる〜

共同経営

「共同経営 トラブル」→140

「共同経営 トラブル 弁護士」→30

突然ですが、上のキーワードと数字は何を表していると思いますか?

これは「Ubersuggest」というツールで調べた、左側のキーワードに関する一ヶ月間あたりの検索ボリュームです。

要するに、「共同経営 トラブル」と調べられた回数が月間140回、「共同経営 トラブル 弁護士」と調べられた回数が月間で30回あったのを意味します。

あくまで推測ですが、共同経営で何かしらのトラブルに巻き込まれた人が約140人、そしてトラブルを解決するために弁護士に相談するか迷っている人が約30人もいると推測できるわけです。

新しく起業するにあたって、親しい友人や会社の上司や部下と一緒に経営していこうと考えている方は多いかもしれません。

気心知れた相手と一緒に互いに足りない部分を補いながら経営できる点で、一見すると共同経営は魅力的に思えるでしょう。

しかし実は、共同経営にはトラブルが付き物であり、大きなリスクがある行為でもあります。

事実最初にお伝えしたように、共同経営のトラブルで弁護士に相談しようと考えている方が、毎月30人程度もいるのです。 

実際自分も過去の記事でお伝えしましたが、共同経営で大きなトラブルに巻き込まれ、約一年間の労力や時間を無駄にしてしまいました。

そこで今回は、共同経営の恐ろしさについて、自分が実際に体験したトラブルを交えつつご紹介します。

それと合わせて、共同経営で意図しないトラブルに巻き込まれないために、契約書を結ぶ重要性についてもお伝えします。

共同経営を検討している方は、是非ご参考にしてほしいと思います。

共同経営とは

そもそも共同経営に関しては、正式な定義があるわけではありません。お金を出した人が経営者だとか、重要な意思決定を行う人が経営者だとか、人によって定義は様々だと思います。

自分個人的には、「複数の人で経営に関する重要な意思決定を行うケース」や「複数人で経営に直接関わる業務を行うケース」が共同経営だと思います。

たとえば資金調達の実行や事業ドメインの決定など、会社経営の根幹部分に関して複数の人で決定していれば、十分共同経営と呼べるでしょう。

もしくは創業したばかりの状況で、会社を成長させる上で不可欠な業務を複数人で行っている場合も共同経営と呼べると思います。

後述しますが、この点に関する認識が創業者の間で違っていると共同経営で後々トラブルに発展しかねません。

「お金を出している人が経営者」だと考えている人と、「重要な意思決定や業務を行っている人が経営者」だと考えている人とでは後々大きなトラブルに発展する恐れがあります。

共同経営のメリット

共同経営について危機感を煽るような事柄ばかりお伝えしましたが、共同経営だからこそのメリットもあります。

ここでは、実際に共同経営に携わって感じた2つのメリットをお伝えします。

互いに足りない部分を補える

新しく設立した会社を成長させるには、ITや営業、会計・ファイナンス、人事などあらゆる分野をこなす必要があります。

しかし何もかもできる人は中々存在せず、大抵の人は得意な分野と不得意な分野の両方を持っています。

得意な分野が異なる人同士で共同経営を行えば、互いに足りていない部分を補って経営できます。

たとえば会計・ファイナンスが得意な人と、プログラミング・デザインができる人、そして営業や人事管理ができる人が集まれば、十分会社経営を回せます。

このように苦手な部分を互いに補える点は、共同経営の大きなメリットだと思います。

単純にできる仕事量が増える

創業したての会社が事業を軌道に乗せるまでには、やるべきタスクがたくさんあります。

営業やマーケティングはもちろん、地道な日々の業務もやらなくてはいけません。

一人で会社を経営する場合、どれだけ優秀な人でも1日にできる業務量には限界があります。

業務を外注するにしろ、設立当初では外注する費用も惜しいでしょうし、何より業務の質が担保されているわけではないのでリスクが高いです。 

しかし共同経営であれば、単純にできることが2倍かそれ以上になるので、会社全体でできる仕事量が増えます。

スピーディーな成長が求められるベンチャー企業にとっては、こなせる仕事量が増える点はとても大きなメリットでしょう。

自分が実際に体験した共同経営のトラブル

共同経営を進めていくと、必ずと言って良いほど創業者の間でトラブルが発生します。

ここでは、自分が新規事業の立ち上げ後に体験したトラブルを2つご紹介します。

割と一般的に起こり得るトラブルなので、参考になるかと思います。

意見や考え方の相違

どれだけ親しい間柄で共同経営していると言っても、やはり人ですから考え方は違ってきます。

日々の業務の進め方などの身近な面はもちろん、経営方針などの大きな部分で違いが出てくるケースもあります。

意見や考え方が相違するたびに言い争っていては意思決定に遅れが生じてしまうと思い、自分はその都度我慢していました。

しかし黙っていた結果、段々と自然に上下関係が出来てしまい、理不尽な要求などを突きつけられてしまいました。

それがストレスとなり、半分うつ状態になってしまうほど悩みました。

度々考え方や意見の違いが生じますが、共同経営する以上は避けて通れない部分です。

「そんなの大した事じゃない」と思うかもしれませんが、ただでさえ利益がまだ得られていない設立当初であるのも相まって、非常にストレスが溜まります。

事業売却の時に約束していた分の利益を貰えない

他のサイトでも言われていますが、共同経営における一番のトラブルは利益配分です。

利益配分についてしっかり定めていないと、大きなトラブルに発展する恐れがあります。

生々しい話になりますが、自分の場合は当初から事業売却を目指して共同経営を始めました。

当初は2人で共同経営を始めましたが、当初は事業売却時の利益の3割もらえるという条件で共同経営の誘いを受けました。

しかし徐々に事業が拡大するにつれて、2割→1割ともらえる取り分がなぜか少なくなっていきました。

自分の方が経験が少ない上に、本当に少しですが報酬をもらっていた(業務量とは釣り合わないですが)ため、会う度に利益の取り分が減っていくことに文句を言えませんでした。

結局事業売却が決まった際には、「学生だから」とか「リスクをとっていないから」という理由で最終的に1円たりとも貰えませんでした。それどころか、買収先の会社で相場よりもはるかに低い単価で働かされるところでした。

正直その事業に費やした時間はその人と同じかそれ以上でしたし、事業の根幹部分を担っていたので不服に感じました。

最後は言い争いになったものの、なんとか抜け出すことが出来ましたが利益は1円も貰えずに終わりました。

このように共同経営では、利益の取り分をしっかり決定しなかったために、大きなトラブルに巻き込まれて大損する可能性があるので注意が必要です。

なぜ共同経営でトラブルが生じたのか?

ではなぜ、共同経営でトラブルが生じてしまったのでしょうか?

自分なりに当時を振り返ると、以下3つの原因が考えられました。

仕事内容や事業に関する考え方が違ったから

自分自身は設立当初から事業売却に至るまで、事業の成長に関わる根幹部分の業務を行ったり、もう一人の創業者が不得意なファイナンスや会計の部分を担っていました。

一方でもう一人の創業者は、設立費用を出したり営業を主な仕事としていました。

自分的にはその人の功績は十分大きいけど、自分の功績も十分大きいと思っていました。

ですが相手としては、営業をしたりお金を出してリスクをとっている自分と比べると、お前はリスクをとっていないからお金をそこまで渡せないという考え方でした。

このように根本的な考え方が違かったために、共同経営の結果大きなトラブルが生じたのだと考えられます。

根本的な考え方の違いをあらかじめ把握しておけば、こんな結果にはならなかったのかなと思います。

具体的な利益配分を決めずに突っ走ったから

共同経営するのであれば、まず初めに具体的な利益配分を決めるべきでした。

具体的に決めずに事業を進めていくと、いざ利益を得た時に利益配分について互いの意見が真っ向から対立し、トラブルとなってしまいます。

事業計画や日々の業務を進めるのも重要ですが、将来的な事も考えてあらかじめ利益配分は決めた上で、それをしっかり契約書に明記するのが重要です。

共同経営のトラブルを回避するには契約書が必須!

色々と回りくどく言ってきましたが、結局共同経営のトラブルは、価値観や考え方の相違や利益配分が原因で生じます。

「自分の方が仕事をたくさんやった」とか「自分の方が大きなリスクをとった」といった考え方が対立し、いざ利益を分配しようとなった際にトラブルが生じてしまうのです。

最初に口約束で利益配分を約束したとしても、事業を進めていくうちに考え方が変わってしまうことは多々あります。

共同経営を持ちかけられる側は、自分のように後々口約束を破られて、大きな損を被る恐れがあります。

利益配分や価値観の相違などのトラブルを避けるには、共同経営を始める時に、最初に契約書で「利益配分」や「それぞれの責任の範囲」、「業務の分担」について定めておくのが重要です。

あらかじめ共同経営契約書にて利益配分や責任範囲などを定めておけば、万が一約束違反があった際に記載内容の実行を請求できます。

また正しい方法で作成した共同経営契約書には法的効力を持たせられる(間違っていたらすみません)ため、作成するだけで相手側に記載内容を守るようにプレッシャーをかけることができます。

親しい間柄で契約書を作成したくない気持ちもわかりますが、共同経営のトラブルを避ける上では必須です。

共同経営ではいつどんなトラブルが生じるか分からないので、必ず契約書を作成するのをオススメします。

でないと、「利益を全く配分してもらえなかった」などの事態になりかねません。

なお共同経営契約書の作成にあたっては、弁護士の方に相談した上で、効力を持つ契約書を作成するのが大切だと思います。

自己流で作成した契約書は、効力を持たない恐れがあるためです。 

共同経営に関するまとめ

今回は共同経営に関して、メリットやトラブル、トラブルへの対処法についてお伝えしました。

共同経営では、考え方の違いによる衝突や利益を貰えなかったなどのトラブルが多々発生します。

いざトラブルが発生した際に、口約束だけでは責任を追求するのは原則不可能です。

いざという時のために、たとえ親しい相手との共同経営であっても、必ず契約書で重要な事項は定めておくのが良いでしょう。