リーダー戦略とは?同質化や非価格対応など具体例を解説

市場トップのシェアを誇る企業を、経営学では「リーダー」と呼びます。

そして、リーダー企業がとるべき経営戦略は「リーダー戦略」と呼ばれます。

今回の記事では、リーダー戦略の特徴や具体的な中身、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。

リーダー戦略を学ぶと、リーダー企業の経営に役立つのはもちろん、リーダーの手の内を知ることにもつながります。

あらゆるビジネスマンや経営者にとって役立つ内容なので、ぜひ参考にしていただければと思います。

リーダー戦略とは?リーダーの特徴

リーダー戦略とは、業界内で最大の市場シェアを誇る企業(リーダー)が実施する経営戦略を意味します。

たとえば自動車業界ならばトヨタ、家電業界ならばヤマダ電気などがリーダー企業に該当します。

業界で10〜50%ほどのシェアを誇るだけあって、リーダーの持つ経営資源の量は多い上に、その質も高いです。

豊富に存在する経営資源を用いて、市場におけるすべての顧客を対象に製品やサービスを販売する点が、リーダーに共通する特徴となります。

なお「リーダー」は企業の競争地位の一つであり、経営学者であるコトラー氏が提唱しました。

リーダー以外には、リーダー企業に果敢にチャレンジする「チャレンジャー」、現状維持で最低限の利益を目指す「フォロワー」、リーダーが着手していない分野で事業を行う「ニッチャー」という計3種類の競争地位があります。

それぞれの立場によって最適な経営戦略は異なるため、まずは自社がどの地位に属するかを判断することが大切です。

リーダー企業にとって最適な経営戦略

リーダーにとって最適な経営戦略は、具体的に下記の4種類となります。

周辺需要の拡大

周辺需要の拡大とは、市場そのものを拡大するリーダー戦略です。

たとえば商品の用途を増やすことで既存顧客の消費量を増やしたり、新しい顧客に向けて反則施策を行い需要量を増加させる方法などがあります。

最大の市場シェアの大きいリーダー企業は、市場に対する需要量が増加することで、その恩恵を最も受けることができるわけです。

同質化

同質化とは、チャレンジャーがとってきた差別化戦略を真似することで、差別化自体を無効化するリーダー戦略です。

基本的にチャレンジャー企業は、リーダーとの差別化を図ることで、市場シェアの奪取を目指そうとします。

そこでリーダーが行うべきは「同質化」です。

チャレンジャーの行う差別化を模倣することで、顧客から見てチャレンジャーが販売する商品やサービスを利用するメリットは薄まります。

その結果、リーダーはチャレンジャーに市場シェアを奪われずに済みます。

非価格対応

チャレンジャーやフォロワーの動きで注意すべきが価格競争です。

自らの市場シェアを高める目的で、価格を下げる方法で顧客を奪いにくる可能性があります。

ですが一度価格競争に巻き込まれると、たとえ勝ってシェアを維持できたとしても、十分な利益を手元に残せなくなります。

特にリーダーは、市場シェアがもっとも大きいため、価格競争でこうむる損失も大きくなります。

そのためリーダーは、価格面での勝負は行わないのが必須となります。

たとえばデザインや性能を良くしたり、アフターサービスを付けるなど、価格以外の面で市場シェアを維持するのがリーダー戦略にとっては不可欠です。

最適シェアの維持

リーダー戦略では、「最適シェアの維持」も非常に重要となります。

一見すると市場シェアは高めれば高めるほど良いと思えるかもしれません。

しかし市場シェアをむやみに高めすぎると、かえってコストがかかりすぎて、売り上げが伸びても利益率が低下する場合があります。

また、市場シェアを高めすぎて独占禁止法に抵触するリスクもあります。

無理なく最大限の利益率を維持できるラインで、市場シェアを維持するのがリーダー戦略のポイントです。

リーダー戦略のメリットとデメリット

上記で述べたリーダー戦略には、メリットとデメリット双方があります。

リーダー戦略を実践する際には、メリットのみならずデメリットにも注意を払う必要があるでしょう。

リーダー戦略のメリット

最大のメリットは、豊富で質の高い経営資源を活用できる点です。

チャレンジャーやフォロワーと比べて、リーダー企業は経営資源の質・量共に勝っています。

そのため、他社との顧客の奪い合いに発展した際にも、圧倒的な力量差で打ち勝つことが可能です。

リーダー戦略のデメリット

一方で、実施すべき戦略が多岐にわたる点がデメリットとなります。

チャレンジャーの場合は、ひたすらリーダー企業に勝つことだけを目標に、経営戦略を構築・実践するだけで問題ありません。

一方でリーダーは、競合他社から自社の地位を守りつつ、かつ市場を拡大して利益を増やす必要があります。

また、短期的な利益のみを求めた企業による価格競争に巻き込まれるリスクや、市場自体の需要が衰退するリスクにも対応しなければなりません。

あらゆる事態を想定して経営戦略を遂行する必要があるため、どこかの部分に漏れや甘さが生じないように注意を要します。

リーダー戦略のまとめ

リーダー戦略は、業界トップの企業がとるべき経営戦略であるため、ほとんどの企業にとっては関係ないように思えるかもしれません。

しかしリーダー戦略を知っておけば、自社が事業を行っていく上で、リーダーがどのような防衛行為に出てくるかを推測できるようになります。

あらかじめリーダー企業の行動を推測できれば、それに対処しつつ着実に市場シェアを伸ばしたり、ニッチ市場での地位を確実にできます。

リーダー企業に属する(経営する)方はもちろんのこと、すべてのビジネスマンにとってリーダー戦略は知っておいて損しない知識なのです。

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