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経営資源とは?〜中小企業が活用すべき7つの経営資源〜

経営資源

ビジネスに携わる方や経営学を勉強している方であれば、「経営資源」という用語を一度は耳にした経験があると思います。

経営資源が会社経営にとって重要だというのは、多くの人が知っています。

しかし「具体的にどんなものが経営資源なのか」とか「経営資源はどのように活用すれば良いのか」といったことは意外と知られていません。

そこで今回の記事では、経営資源の意味やその種類7つ、経営資源の活用ポイント、そして経営資源の分析フレームワーク2つをご紹介します。

経営資源とは?経営資源の意味

経営資源とは、会社の経営を営む上で必要となる要素の総称です。

会社を経営するためには、機械設備や運転資金、労働力など様々なものが必要です。

このビジネスを営む上で必要となるのが「経営資源」であり、基本的には多ければ多いほど、質が良ければ良いほど事業の運営を有利に進めることができます。

経営資源の種類7つとその具体例

経営資源の種類といっても、厳密に何種類か決まっている訳ではありません。

学説や提唱者によって4種類だったり7種類だったりと、その数が異なってきます。

また種類数は同じでも、含まれるものが微妙に異なっていたりもします。

今回は様々な学説や現代の環境を踏まえ、特に大事だと思われる7つの経営資源をご紹介します。

経営資源①:ヒト

「ヒト」とは、会社のビジネスを遂行する人材(労働力)を意味します。

ビジネスを遂行するには、商品を企画する人やそれを製造する人、出来上がったものを販売する人など、様々な場面で「ヒト」が必要となります。

必要不可欠であるという意味で、「ヒト」は最優先で確保すべき経営資源であると言えます。

従業員のみならず、外注先のフリーランスや契約社員なども重要な経営資源となります。

経営資源②:モノ

 「モノ」とは、商品・サービスやそれを製造する機械設備を意味します。

商品を製造する上で欠かせない機械設備はもちろん、サービスの企画・運営を行う際に使うパソコンも立派な経営資源であり、ヒトと同様にビジネスでは不可欠です。

ただし多くのモノを持っていれば良いという訳ではありません。

商品の製造やサービスの企画など、価値の創出に貢献しない「モノ」は、保有していても意味がありません。

むしろ価値の創出に貢献しない経営資源は、費用を無駄に発生させる要因となります。

価値の創出に寄与するモノのみを保有するのが、会社経営では重要です。

経営資源③:カネ

カネとは、その名の通り「お金」のことです。

会社経営を続けるには、従業員の人件費や商品の製造費用など、ほぼ必ずお金が必要です。

会社経営においては、カネの管理(資金繰り)がとても重要です。

負債と自己資本の比率を適正水準で維持したり、事業を成長させるために資金調達を最適なタイミングで行ったりなど、カネをいかに有効活用できるかがビジネスの成功を左右します。

カネを多く持っているほど良いのは当然として、カネを上手に活用するスキルもビジネスではとても重要となります。

経営資源④:情報

情報とは、顧客の購買履歴や市場の動向などのビジネスで役に立つデータ全般を意味します。

従来は経営資源といったら「ヒト・モノ・カネ」の三つを指していましたが、IT技術の進歩に伴い「情報」の重要性がとても高くなりました。

たとえば顧客の過去の購買履歴があれば、顧客のニーズに沿った商品を販売できます。

他に最新の市場動向を知っていれば、他社に先駆けて新しいビジネスを展開できます。

このように質の良い情報をキャッチしてそれを活用すれば、ビジネスを有利に進められるようになります。

日頃から顧客や市場にアンテナを向け、質の良い情報を把握・有効活用するのがこれからの会社経営では重要になります。

経営資源⑤:スキル・ブランド

会社やその従業員が持つスキルやノウハウ、ブランド力といったものも重要な経営資源です。

どれだけお金を持っていても、エンジニアのスキルやマーケティングのノウハウといったものがなければお客さんに認められる商品やサービスを作り出すことはできません。

また商品やサービスをより長期的に使用してもらうには、会社や商品自体にブランド力が必要となるでしょう。

経営資源⑥:戦略

経営資源とは分けて考えることが多いですが、戦略も会社経営では大事です。

優れた商品やサービスを持っていても、それを適切なお客さんに適切な方法で売り出さなければ収益を生み出せません。

たとえば優れた技術力は持っているもののブランド力や知名度がないベンチャー企業は、大手企業がターゲットとしていないニッチ市場をターゲットにするなどの戦略を考える必要があります。

商品やサービスの収益を最大化するために、経営やマーケティングは戦略的に行うのが大事です。

経営資源⑦:組織

ヒトやカネといった経営資源は、それを有効活用できる組織があって初めて最大限の効果を発揮します。

たとえば現場では何も判断できない会社の場合、意思決定が遅くなるため、変化の早いビジネスには対応できません。

経営資源を最大限に活用してビジネスチャンスを掴むには、その市場や事業の特性に適した組織を構築する必要があります。

経営資源を活用するポイント

会社の経営が成功する可能性を1%でも高めるには、経営資源を有効活用する必要があります。

経営資源を活用するに際しては、「競争優位性の確立」と「選択と集中による経営資源の最適配分」がポイントとなります。

競争優位性を確立するために「量」ではなく「質」を意識する

会社経営を維持・成長させるには、他社よりも優れている要素(競争優位性)が必要です。

たとえばディズニーであれば優れたブランド力、トヨタ自動車であれば技術力や製造のノウハウなどが競争優位性として考えられます。

ただ単に経営資源をより多く持てば良いという考え方では、競争優位性を確立できません。

なぜなら名の知れた大手企業の方が絶対的に量の面では優れているからです。

大手企業のように、何十万人といった労働力や何千億円といったカネを持つのは難しいですよね。

中小企業やベンチャー企業がビジネスで勝つには、経営資源の質を意識しなくてはいけません。

たとえば「大手企業との競争を回避できるニッチ市場で優位に立つ戦略」や「大手企業にも勝るスキル・技術力」といったことです。

ビジネスを営む上では、常に「競争優位性を確立するにはなにが必要なのか?」という視点で経営資源を確保・強化するのが大事です。

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「選択と集中」により経営資源を最適配分しよう

ほとんどの中小・ベンチャー企業では、保有する経営資源に限りがあります。

無駄なく経営資源を活用して結果を出すには、「選択と集中」を常に意識して経営資源を配分するのがとても大事です。 

どういう意味かというと、 収益を生み出している(もしくは将来的に生み出す)事業や部門には経営資源を重点的に配分し、収益性が低い(もしくは今後衰退する)事業や部門にはあまり経営資源を配分しないという戦略が大事ということです。

すごく単純な例ですが、1億円をA事業に振り分けた場合は5億円、B事業に振り分けた場合は2億円の収益をそれぞれ生み出せるとします。

この場合、より多くの収益を生み出せるA事業に1億円を配分するのが最適な選択であると言えます(ただし各事業の将来性次第で意思決定は変わってきます)。

現時点の収益性や将来的な成長性を総合的に考えて、もっとも効率的に収益を生み出すような経営資源の配分を考えるのが大切です。

経営資源の分析に役立つフレームワーク

経営資源を最大限活用する上では、「経営資源の持つ競争優位性」や「最適な配分」を分析するのが有効です。

この項では、経営資源の分析に役立つフレームワークを2種類ご紹介します。

VRIO分析〜経営資源の持つ競争優位性を確認しよう!〜

VRIO分析とは、「Value(価値)」、「Rarity(希少性)」、「Imitability(模倣困難性)」、「Organization(組織)」という4つの要素で、経営資源が持つ競争優位性を分析するフレームワークです。

V→R→I→Oの順でその要素を持つかを分析し、競争優位性の有無や競争優位性の持続性を見極める事が可能です。

VRIO分析の使い方を詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

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PPM分析〜経営資源の最適配分を考えてみよう!〜

PPM分析とは、「市場成長率」と「相対シェア(自社の持つシェアの割合)」という二つの要素から、経営資源の最適配分を分析するフレームワークです。 

自社の行う事業を「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」の 4つに分類し、どこに重点的に経営資源を配分すべきかを可視化できます。

PPM分析の使い方を詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

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経営資源のまとめ

今回の記事では、経営資源の意味や種類、活用のポイント、分析に役立つフレームワークをご紹介しました。

中小・ベンチャー企業や個人事業主は、保有する経営資源に限りがあります。

限られた経営資源を最大限活用して結果を残すために、戦略的に経営資源を育成・活用していきましょう!