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経営戦略の策定プロセスとポイント【経営者必見!】

経営戦略の策定
新規でビジネスを始めたい方は、マーケティングなどの実務的な部分のみならず、「経営戦略の策定」にもしっかり取り組むべきだと思っています。

経営戦略なしに実務面ばかり考えていると、途中でその事業が向かうべき方向性が分からなくなってくるためです。

今回の記事では経営戦略の策定について、プロセスや策定のポイントを自分なりにお伝えしようと思います。

経営戦略の策定とは

経営戦略の策定とは、経営ビジョンや目標を実現するための戦略(=経営戦略)を決めることを意味します。

経営戦略は具体的に、「企業戦略」「事業戦略」「機能戦略」の3つに分けられます。

企業戦略とは会社全体で行う戦略であり、新規事業への参入可否や事業ドメインの決定、複数事業での経営資源の配分などを定めます。

事業戦略とは事業ごとの戦略であり、自社の競争優位性を確立するための方向性を定めます。

そして機能戦略は事業内の各部門ごとに定める戦略を意味します。

経営戦略を策定する際には、企業全体のみならず各事業部門や事業部内の機能(購買や営業など)を考慮する必要があります。

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経営戦略の策定プロセス

経営戦略の策定は、「現状分析」→「事業内容の決定」→「事業の戦略策定」→「具体的な行動計画の策定」の順で実施するのがセオリーです。

具体的には、下記のプロセスで経営戦略を策定します。

手順①:経営環境の分析と把握

まず初めに、自社を取り巻いている環境を分析し、自社の強みや弱み、直面している機会や脅威を把握するプロセス経ます。

自社の現状や直面している環境を最初に把握することで、効果的な経営戦略を策定しやすくなります。

なお経営環境の分析に際しては、「SWOT分析」 というフレームワークを使用します。

SWOT分析のやり方については、下記の記事で詳しく解説しているのでご覧になってください。

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手順②:ドメイン(事業を行う範囲)の決定

経営環境を把握できたら、その結果に基づいて事業を行う範囲(ドメイン)を決定するプロセスに入ります。

言い換えるならば、経営戦略の中でも「全社戦略」の策定に関わるプロセスです。

ドメインには二種類あり、会社全体で行う事業の範囲を「企業ドメイン」、一つの事業部で行う事業の範囲を「事業ドメイン」といいます。

すでに他の事業を行なっている会社であれば、企業ドメインの範囲内で事業ドメインを決定します。一方で新しく事業を始める会社であれば、企業ドメインをあらかじめ決定した上で、事業ドメインを設定します。 

企業ドメインにしろ事業ドメインにしろ、自社が直面する経営環境に適したドメインを設定するのが、経営戦略の策定では重要です。

簡単にいうと、自社の強みを活かして直面するチャンス(機会)を掴めるようなドメインを設定するのがベストです。

たとえばAIに関する技術が強みであれば、今後訪れるAIの普及というチャンスを掴むために、AIに関連した事業ドメインを設定するのが望ましいです。

「強みで機会をつかめる」ドメインを設定すれば、成功可能性の高い経営戦略を策定できるのです。

一方で経営環境に応じて、既存のドメインを変更する必要も生じます。

たとえばある事業ドメインにて、弱みを抱えておりかつ市場縮小などの脅威に直面しているのであれば、そのドメインから撤退するなどの経営判断が必要となります。

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手順③:具体的な経営戦略(事業戦略)の策定

事業ドメインを決定したら、次はその事業での具体的な経営戦略(=事業戦略)を策定するプロセスとなります。

このプロセスでは、「どうやったら他社に対して競争優位を築けるのか」という視点で経営戦略を策定します。

「商品の質で勝負するのか?」「ニッチ市場にフォーカスして競争を回避するのか?」など、自社の状況に合わせて最適な戦略を探っていきます。

具体的に経営戦略を策定する際には、3C分析やVRIO分析など、様々なフレームワークを活用すると便利です。

下記の記事で経営戦略の策定に役立つフレームワークを7つご紹介しているので、興味があれば参考にしてみてください!

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手順④:経営資源の配分や行動計画の策定

事業戦略の策定プロセスが終わったら、最後は具体的な経営資源の配分や行動計画の策定を行います。

「いつまでに誰が何をやるべきか」を決めた上で、それを実現する上で必要な人員やカネなどの経営資源を最適に配分するのが重要です。

経営戦略策定のポイント

経営戦略を策定する際には、何を重視すれば良いのでしょうか?

この問いに対する明確な答えはないので、個人的な意見をお伝えいたします。

経営戦略の策定にあたっては、「自社の強みを活かし持続的な競争優位性を確立する」のを意識するのがポイントだと個人的に思っています。 

確かに「市場規模の大きさ」や「市場の成長性」を重視して、経営戦略を策定するのも悪くないと思います。市場規模が大きかったり市場の成長性が高ければ、それだけ多くの収益を得られる可能性が高まる方です。

しかし収益の観点でのみ経営戦略を策定すると、長期的に競争優位性を築けない恐れがあります。 

たとえば今現在市場が急成長を遂げている「youtubeの動画配信」で、素人がお金を儲けようとしましょう。今現在(2019年6月)は市場がまだまだ発展途上であるため、正直クオリティが低くても一定数の人が見てくれて収益を得られるかもしれません。

しかし時が経つにつれて本格的に企業や優秀なスキルを持つフリーランスの人が介入してくると、スキルの面で劣っているが故にお客さん(閲覧者)をそちらに奪われてしまいます。 

このように、市場の大きさや成長性だけで事業ドメインを決定すると、長期的にはその分野に強みを持つ競合に負ける可能性が高いです。

長期的に競争優位性を築くのであれば、「自社の強みを活かす」という視点で経営戦略を策定するのが大事です。

たとえば飽和状態にある飲食業界であっても、「自社でしか出せない美味しい味」や「常連客の存在」といった強みを持つ下町の飲食店は長期的に経営を継続できています。

以上の理由から、長期的に競争優位を築けるビジネスを始めたいのであれば、自社(経営者自身)の強みを活かす方向性で経営戦略を策定するのがおすすめです。

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経営戦略策定のまとめ

今回の記事では、経営戦略の策定に関して解説しました。

経営戦略の策定は、新しくビジネスを始める方はもちろん、複数の事業を行う経営者の方にとっても重要なプロセスです。

今回ご紹介した情報を活かして、経営戦略の策定に取り組んでもらえると嬉しいです。