市場浸透戦略とは?マクドナルドの成功事例も解説

市場浸透戦略は、企業にとってもっとも基本となる経営戦略です。

多くの中小企業にとって新製品の開発や多角化は困難であるため、今ある商品を今までと同じ市場(分野)で販売し、売り上げを伸ばすかを考えることが重要となります。

今回の記事では、市場浸透戦略の意味や実践する方法メリット・デメリットをわかりやすくお伝えします。

後半では、市場浸透戦略の成功事例としてマクドナルドを取り上げるので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

市場浸透戦略とは

まず最初に、市場浸透戦略の基本的な考え方を見てみましょう。

市場浸透戦略とは、すでに事業を展開している分野で、既存の製品やサービスの売り上げを増やそうとする経営戦略です。

つまり、「既存市場」で「既存製品」を販売することで、より業績を伸ばそうと目指すのが市場浸透戦略です。

例えば子供向けのゲームを販売している企業ならば、子供向けのゲームの売り上げを伸ばすために様々な策を講じるのが市場浸透戦略となります。

市場浸透戦略は、「製品」と「市場」という2つの軸から最適な経営戦略を導き出すフレームワーク「アンゾフの成長マトリクス」に出てくる経営戦略の一つです。

アンゾフのマトリクスでは、製品と市場の状況に応じて下記4つの経営戦略のうちいずれかを採用します。

・市場浸透戦略(既存製品と既存市場)

・新市場開拓戦略(既存製品と新規市場)

・新製品開発戦略(新規製品と既存市場)

・多角化戦略(新規製品と新規市場)

上記4つの経営戦略のうち、もっとも難しいと言われているのが多角化戦略です。

難しいながら多角化に成功すれば、多大なメリットを得られます。

そんな多角化戦略について知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

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市場浸透戦略を実践する方法

市場浸透戦略を実践する方法は、大きく分けて「新規顧客の獲得」と「既存顧客の客単価・購買頻度の増加」の二種類あります。

この章では、市場浸透戦略を実践する二種類の方法についてくわしく解説します。

新規顧客を獲得する

新規顧客を獲得すれば、新規顧客が支払ったお金の分だけ収益を増やせます。

市場浸透戦略により新規顧客を獲得するには、「その市場に関する製品を利用したことがない見込み顧客を獲得する」か「競合他社から顧客を奪い取る」のいずれかの方法が効果的です。

一つ目の方法は、例えばシステム開発の外注に興味があるけど、まだ実際には外注したことがない見込み客に営業をかけて、自社のサービスを利用してもらうイメージです。

顧客にとってのメリットや商品の魅力などを最大限伝えて、顧客の購買意欲を高めることが重要となります。

二つ目の方法は、文字通り競合他社のサービスや商品を利用している顧客に営業をかけて、鞍替えしてもらうイメージです。

単純にメリットや魅力を伝えるのではなく、競合他社と比較した場合の利点を強調するのがポイントです。

既存顧客の客単価や購買頻度を上げる

市場浸透戦略では、既存顧客の客単価や購買頻度を上げる方法も効果的です。

既存顧客の客単価や購買頻度を上げる方法はたくさんあるので、今回は主要なものをご紹介します。

・製品の異なる使い方を示す

・アップセル(顧客が購入した商品よりも高い商品の購入を勧める)

・クロスセル(顧客が購入した商品と関連する商品の購入を勧める)

・ダイレクトメールやメルマガの活用

・定期的な営業

・ブランディングやリレーションシップマーケティングの実施

・Web広告やメディアサイトでの情報発信

上記はあくまで一例なので、ご自身のビジネスや勤めている会社に合わせて最適な施策を実践してみましょう。
客単価や購買頻度の上げ方については、下記の記事も参考になると思います。
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市場浸透戦略のメリットとデメリット

市場浸透戦略には、下記にあげたメリットとデメリットがあります。

市場浸透戦略を実践するかどうかは、メリットとデメリットの双方を考慮して決めましょう。

市場浸透戦略のメリット

市場浸透戦略のメリットは、失敗するリスクが小さい点です。

他の経営戦略(多角化戦略や新製品開発戦略など)の場合、新しい市場への進出や新製品の開発が必要となります。

これまで培ってきたスキルや技術力、ノウハウがほとんど通用しないため、失敗する可能性が高いです。

営業ばかりやってきた人が、いきなりプログラミング言語を使ってアプリ開発しろと言われても、上手くいかないのと同じです。

一方で市場浸透戦略ならば、すでに熟知している市場で、引き続きこれまでと同じ商品やサービスを開発・販売します。

蓄積してきたスキルやノウハウなどを引き続き活用できるのはもちろん、既存顧客や自社製品の持つブランド力なども引き継げるため、失敗するリスクを大幅に減らせます。

市場浸透戦略のデメリット

前述した通り、市場浸透戦略で業績を伸ばすには、新規顧客を獲得するか既存顧客の客単価や購買頻度を増やす必要があります。

しかし市場自体が成熟もしくは衰退している場合、上記の方法で市場浸透戦略を成功させるのは困難です。

例えば市場が成熟しているということは、その市場の商品やサービスを利用する顧客数が最大となっている状態です。

つまりその市場で顧客はそれ以上増えにくいため、基本的には圧倒的な差別化や低価格で他社から顧客を奪う必要があります。

また、市場が衰退している場合は顧客の数が減少している状態であるため、より顧客の獲得が困難となります。

また、その市場のサービスや商品に対して既存顧客が持つ需要も弱くなるため、既存顧客からの売り上げを増やすのも難しいでしょう。

市場の成長度合いが高い状況でないと、十分な効果を得られにくい点は市場浸透戦略の大きなデメリットと言えます。

市場浸透戦略の成功事例〜マクドナルド〜

最後に、市場浸透戦略で成功した企業としてマクドナルドの事例をご紹介します。

今や外食チェーンの中でもトップクラスの成功を収めているマクドナルドですが、成功の背景には魅力的な新製品のみならず、地道な市場浸透戦略もあります。

例えば朝マックの導入により、朝食でハンバーガーを食べるという需要を生み出し、既存顧客の客単価や購買頻度の向上したと考えられます。

また、有名人を起用したCMやハッピーセットの導入で、子供から大人まで幅広い層の新規顧客を獲得し続けています。

どれも基本的な施策ではあるものの、基本を着実にこなしているからこそ、マクドナルドは大成功を収めていると言えるのです。

市場浸透戦略のまとめ

市場浸透戦略は、戦う場所や販売する商品を変えずに業績を伸ばす経営戦略です。

市場が衰退傾向にあると難易度が高まるというデメリットこそあるものの、失敗するリスクが低い上に、多角化や新製品開発と比べると費用や労力もあまりかかりません。

あまりリスクを負って大きなことをせずに業績を改善したいならば、今ある商品や市場でのポジションを使って実践できる「市場浸透戦略」にチャレンジしてみるのがオススメです。

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