新規事業のアイデアを考えるにしろ、既存の商品やサービスの改善策を考えるにしろ、まずは消費者がどんなニーズを抱えているかを知るのが大切です。
では消費者の考えは、一体どのように知れば良いのでしょうか?
消費者の考えやニーズを知るには、「マーケティングリサーチ」というものを行う必要があります。
マーケティングリサーチを正しく行えれば、質の高いマーケティング施策を実行できるようになります。
この記事では、マーケティングリサーチの意味や手順について分かりやすく解説してみようと思います。
最後にはマーケティングリサーチを勉強する上でおすすめの本も紹介するので、ぜひ参考にしてくれると嬉しいです!
マーケティングリサーチとは?
マーケティングリサーチとは、マーケティングの施策や戦略を行う際に必要となる情報を収集する目的で行う調査を意味します。
新規事業を立ち上げる際には、どんな商品をどのように販売したら消費者に受け入れられるかを把握する必要があります。
マーケティングリサーチを実施すると、消費者に受け入れられる商品やサービスを作り出すヒントを得られます。
また既存の自社商品が、消費者にどのように思われているかを把握する上でもマーケティングリサーチは役立ちます。
マーケティングリサーチの結果をもとに商品やサービスを改良すれば、より顧客からの支持を得られるようになるでしょう。
要するにマーケティングリサーチとは、マーケティングの戦略や施策のヒントを得るプロセスであり、新規事業のアイデアや既存商品・サービスを改良する上で不可欠だと言えます。
特に近年注目されている「ジョブ理論」では、顧客の行動や心理を把握することが重要とされています。
顧客の行動や心理を把握するには、適切なマーケティングリサーチを行わなくてはいけません。
下記の記事でジョブ理論についてわかりやすく要約しているので、興味のある方は読んでくれると嬉しいです!
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マーケティングリサーチの手順
マーケティングリサーチは、一般的に以下の手順で進められます。
手順①:課題を明確にする
まず初めに、マーケティングリサーチにより、どのような課題を解決したいのかを明確にする必要があります。
例えば「より顧客のニーズに沿った商品を作りたい」とか「新規事業でターゲットとする顧客のニーズを知りたい」などの課題を立てると良いでしょう。
手順②:仮説を立てる
マーケティングの課題を明確にしたら、次は「仮説」を立てます。
マーケティングリサーチは、「あらかじめ立てた仮説が正しいかどうか?」という観点で進めていきます。
マーケティングリサーチを成功させる上では、いかに優れた仮説を立てられるかが重要です。
最初に立てた仮説次第で、リサーチ結果に基づいた施策や、課題の解決可否が変わってくるためです。
マーケティングリサーチを成功させるには、具体性のある仮説を立てるのが最重要です。
たとえば新規事業のターゲットを決めたいのであれば、商品やサービスの性質を吟味した上で、どんな顧客が好んで購入するのかを具体的に仮説立てる(年齢や性別、価値観などを考える)のが重要です。
また、「現状と理想とのギャップ」を意識して仮説を立てるのも効果的です。
たとえば既存商品の改良を意図するのであれば、以下のように仮説を立てると良いでしょう。
- 現状:顧客は現時点でこんな商品を使っているけど、その商品に対してこんな不満を持っている
- その後:その不満を解決する〇〇という機能を商品に付けたら、より顧客に受け入れられるのではないか?
「具体性」と「現状と理想とのギャップ」を意識した仮説を立てれば、より質の高いマーケティングリサーチを行えるでしょう。
手順③:リサーチ対象者とリサーチ手法を決定する
次にリサーチ対象者とリサーチ手法を決定します。
リサーチ対象者を決める際は、仮説を十分立証できる「具体的な相手を設定する」必要があります。
自社商品の改善点に関する仮説を立てたにもかかわらず、自社の商品を利用しない消費者を対象としてもあまり意味がありません。
年齢や性別、使用頻度など多面的な視点で対象者を設定しましょう。
一方でリサーチ手法を決める際には、リサーチ手法によって異なるメリットやデメリットを考慮した上で、最適な手法を決定するのが重要です。
必要である場合には、複数の手法を組み合わせて使用するのも効果的でしょう。
手順④:リサーチの実施
対象者とリサーチ手法が決まったら、実際にリサーチを実行していきます。
たとえば面接などで直接消費者の考えをリサーチするのであれば、あらかじめ聞きたいことをリストにしてなるべく効率的に調査を進められるようにしましょう。
手順⑤:リサーチ結果の分析
消費者への調査が終わったら、その結果を分析するプロセスに入ります。
多変量解析やクロス集計などの方法でデータを分析し、あらかじめ立てた仮説が正しいかどうかを判断する作業になります。
マーケティングリサーチでは、分析結果を実際のマーケティング施策や戦略に役立てるのが最も重要になります。
ただ単に分析して終わりではなく、分析結果を活用できて初めて、マーケティングリサーチを行う意味があると言えるでしょう。
マーケティングリサーチの勉強に役立つ本
マーケティングリサーチは、自社で行わずともマーケティングリサーチを専門的に行う会社に依頼すれば代行してもらえます。
確かに専門業者に頼めば、ある程度質の高いマーケティングリサーチを実行してもらえるでしょう。
しかしやはり外部に委託すると、ある程度費用がかかってしまいます。
なるべく費用をかけずにマーケティングリサーチをしたいのであれば、自分でマーケティングリサーチをできるようになる必要があります。
そこで今回は、マーケティングリサーチの勉強に役立つおすすめの本を3冊ご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
おすすめ本①:マーケティング・リサーチの基本
マーケティングリサーチについて、とりあえず網羅的に学びたいという方におすすめなのが、「マーケティング・リサーチの基本」です。
こちらの本では、マーケティングリサーチの手順や計画の立て方、具体的なマーケティングリサーチの手法、そしてデータから役立つ情報を得るための分析方法などが幅広く網羅されています。
この本を一冊読めば、マーケティングリサーチの基礎知識は十分身につくでしょう。
巷には色々なマーケティングリサーチの本がありますが、初めて勉強する方はこの本一択だと思います!
おすすめ本②:マーケティングリサーチの論理と技法
「マーケティングリサーチの論理と技法」も、マーケティングリサーチについて網羅的に学びたい方にはおすすめの本です。
ただし先ほどの本はある程度初学者でも理解できますが、こちらはある程度マーケティングについて知識がある方に向けた内容となっているため、全くの初学者ではやや難しく感じるかもしれません。
一方でマーケティングについて基礎的な知識がある方にとっては、知識を実務に役立てるための架け橋として非常に役立つ一冊だと思います。
おすすめ本③:データ・統計分析ができる本
マーケティングリサーチを実務で役立てるには、計画・仮説の策定や手法について知るだけでなく、調査結果を適切に処理するスキルも必要です。
こちらの本で勉強すれば、マーケティングリサーチの結果を、実務で役立つデータに変えるスキルを身に付けることができると思います。
やや数学や統計に関する知識が必要となるので難しく感じるかもしれませんが、実用的なマーケティングリサーチを行いたい方には必須の内容が盛り込まれています。
ある程度マーケティングリサーチの概要を知っている方は、データの分析にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
マーケティングリサーチのまとめ
今回の記事では、マーケティングリサーチの意味や手順、おすすめの本をご紹介しました。
マーケティングリサーチは、新規事業のアイデア創出や既存事業の改善を図る上で、とても重要なプロセスです。
今回ご紹介した内容が、マーケティングを勉強している方や実際に携わっている方のお役に立てれば幸いです。
自社にマーケティングを行える人材がいない、忙しいという場合は前述した外部の専門業者に依頼するのがオススメです。
なおマーケティングリサーチで実際に使われている手法については、下記の記事でご紹介しています。
マーケティングリサーチの具体的な手法に興味がある方は、是非ご覧になってみてください!
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