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マトリックス組織のメリットとデメリット〜かんたんな事例も交えて解説!〜

マトリックス組織のメリットとデメリット

企業の組織形態には、過去の記事でご紹介した通り様々なものがあります。

各々異なるメリットやデメリットを持つため、企業の規模や事業内容に応じて適切な組織形態を選ぶのが大事です。

今回の記事では、「マトリックス組織」のメリットとデメリットにフォーカスしてご紹介します。

マトリックス組織とは?

マトリックス組織とは、購買や営業などの「機能」と エリアや商品に応じた「事業部」が格子状に組み合わさった組織形態です。

製品やエリアに応じた事業部が存在しながら、営業や購買などの各機能も(事業部の下位機関としてではなく)独立して存在します。

マトリックス組織で働く従業員は、「営業部でありA製品事業部でもある」といったように機能と事業部の双方に所属するので、機能部門と事業部それぞれの上司のディレクションに従います。

またマトリックス組織は、事業部制組織のメリットである「権限の分散」を実現しつつ、機能別組織のメリットである「専門性の発揮」も実現できる組織形態です。

「事業部制組織と機能別組織の良いとこどり」と言われたりもします。

なお事業部制組織や機能別組織の特徴やメリットについては、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

※機能別組織のメリット

www.bizkurage.com

※事業部制組織のメリット

www.bizkurage.com

マトリックス組織のメリット

先ほどお伝えしたように、マトリックス組織は事業部制組織と機能別組織双方のメリットを得られる組織形態です。

それによりマトリックス組織には、「情報や人員をはじめとした経営資源を全社的に分かち合える」という独自のメリットがあります。

たとえば事業部制組織や機能別組織の場合、各事業部や機能で活動が完結するため、他の事業部や機能で持っている経営資源を把握したり活用するのが困難です。

一方でマトリックス組織の場合は、各機能と事業部が互いに密接しているため、情報や人員を把握・共有しやすいです。

全社的に経営資源を共有できるため、たとえばA製品事業部のマーケティングで得たデータをC事業部のマーケティングに活用するといった柔軟な対応が可能となります。

また全社的に経営資源を分かち合うため、複数の事業部で少ない経営資源を効率的に活用できるメリットも得られます。

事業部制組織の場合は各事業部がそれぞれ営業や購買などの機能を持つ必要があるため、全社的に見るとかなりの経営資源が必要となってしまいます。

一方でマトリックス組織では、状況に応じて営業部門の社員が複数事業部の仕事を兼任するといったことが可能となるため、少ない経営資源を効率的に活用できます。 

マトリックス組織のデメリット

ヒトや情報の共有により柔軟かつ効率的な活動が可能となる点では、マトリックス組織大きなメリットを持っています。

ただしマトリックス組織には、「機能」と「事業部」が並立して存在するが故のデメリットがあります。

そのデメリットとは、「複数の上司から部下が指示を受けることにより、意見の対立や意思決定が困難となるリスクがある点」です。

機能部門の責任者と事業部の責任者では、達成する目標が異なるために意見に違いが出る可能性もあります。

意見の違いから一人の部下に対してそれぞれが異なる指示を与えた場合、部下はどの上司に従えば良いか分からなくなり、意思決定が困難となります。

また考えの違いから上司の間で対立が生じるケースもあり、こうなるとマトリックス組織のメリットである柔軟性やスピーディーさが失われてしまいます。

上記のようなマトリックス組織特有のデメリットを回避するには、上司同士でのコミュニケーションを徹底させるのが大事です。

上司同士で話し合いの場を設けるなどして、あらかじめ互いの指示に違いが生じないようにするのが大事です。

また経営陣が会社全体が向かうべき方向性を明確に示すのも、マトリックス組織では非常に重要です。

あらかじめ目標や事業の方向性を社内で共有し、認識の違いを極力防ぐ必要があります。 

マトリックス組織のメリット・デメリットのまとめ

今回の記事では、マトリックス組織のメリットとデメリットをお伝えしました。

マトリックス組織には柔軟さや迅速さを得られるメリットもあれば、意思決定が複雑になりやすいデメリットもあります。

マトリックス組織は成立させるのが難しい形態なので、メリットだけでなくデメリットも踏まえた上で導入するか決めるのが良いと思います。

そしてマトリックス組織を実際に導入する際には、命令系統面でのデメリットが生じないように対策を講じるのが大切です。