新規事業のアイデアを成功させる上で最低限意識すべきポイント
新規事業のアイデアを見つける方法や、創出する上で役立つフレームワークを紹介してきましたが、実はこれだけでは不十分です。
というのも、新規事業を成功させるには、ただ単にアイデアが優れているだけでは不十分だからです。
この章では、新規事業のアイデアを成功させる上で意識すべきポイントを3つご紹介します。
十分なニーズ(収益性)が見込めるアイデアを考える
自社の強みに着目したり、他業種のアイデアを活用する際に注意すべきなのが、そのアイデアに十分なニーズがあるかどうかという点です。
どれほど自社の強みを最大限発揮できて他社が真似できないビジネスでも、消費者からのニーズがなければ新規事業をスケールさせるのは困難です。
また、他の業種で成功したビジネスアイデアでも、自社が参入する業界で通用するとは限りません。
消費者にアンケートをとったり競合他社を分析するなどして、必ず十分なニーズ(収益性)があるかどうか確認した上で、新規事業を立ち上げましょう。
熱意を持って取り組めるアイデアを採用する
どれほど優れたアイデアでも、形にしてすぐに成功するとは限りません。
むしろ成功するまでに、何回も浮き沈みを経験し、やっとの事で成長を遂げるケースが大半です。
ただ稼げそうという理由で興味や熱意がない新規事業を始めてしまうと、成功するまでに稼げない時期が続くことで、途中でモチベーションがなくなって辞めてしまう可能性があります。
辛い時期を耐え抜くためにも、収益性のみならず熱意を持てるアイデアを採用した上で新規事業を始めましょう。
たくさんのアイデアを小さいスケールで検証し続ける
巷で言われている通り、新規事業のほとんどは失敗に終わります。
日経ビジネスのとある記事を参考にしたところ、ベンチャー企業の5年後生存率はわずか15%しかないとのことです。
どれほど緻密な経営戦略やマーケティング施策を練っても、そのほとんどは市場から姿を消してしまいます。
ほとんどの新規事業が失敗に終わることを踏まえると、一つのアイデアにお金や時間を懸ける戦略は好ましくありません。
仮に失敗してしまうと、何もかも無くなって再起するのが困難となるためです。
そこでオススメなのが、小さなスケールで新規事業のアイデアを検証する方法です。
具体的には、「ちょっとだけお金や時間をかけて検証し、ダメだったら次のアイデアを検証」というサイクルを回し続ける方法です。
一回あたりに費やす時間や資金が少なく済むため、何回も新規事業にチャレンジできます。
先ほどお伝えした通り、1つのアイデアが成功する可能性は極めて小さいです。
ならば1回のチャレンジにすべてを懸けるのではなく、小さなチャレンジを積み重ねた方が成功できる可能性は高いと言えるでしょう。
これから新規事業を立ち上げる方は、最初からすべての資金や時間を一つのビジネスに投入するのではなく、まずは小さなスケールで始めましょう。
そして何回も失敗を繰り返し、成功しそうなビジネスが見つかった段階で本格的に資金を投入すれば、時間や資金を無駄にせずに済みます。
実際にあった新規事業のアイデア例
最後に、実際に存在する新規事業のアイデアの事例を3つご紹介します。
新規事業のアイデアに悩んでいる方は、ぜひ成功事例を参考にしてみてください。
LINE証券〜利用者の多いLINEで手軽な資産運用を実現した事例〜
LINE証券は、メッセージアプリを手がけるLINEと野村ホールディングスが合弁で立ち上げた新規事業です。
従来の証券業界は、口座開設や資金の入金が面倒と感じる投資未経験者を取り込めないという課題を抱えていました。
しかしLINE証券は、多くの人が使っているLINEのアプリから手軽に口座開設や資金の入金ができる仕組みとなっています。
証券業界の抱える課題を解決しつつ、従来投資とは程遠かった若者に市場を拡大できている点で、画期的な新規事業のアイデアと言えます。
talkappi〜AI開発の強みを需要の大きいインバウンド市場に活かした事例〜
talkappiは、多言語でのコミュニケーションツールを手がけるIT企業アクティバリューズが開発したサービスです。
このサービスは、AI により多言語での問合せへの自動応答ができるチャットボットとなっており、WebブラウザーはもちろんLINEやFacebook messenger、WeChatなどのチャットアプリでも活用できます。
あらゆる言語やチャットツールに対応しているため、観光しに日本に来る外国人の問い合わせに対応できるとあり、ホテルニューオータニをはじめとして多くの有名ホテル・旅館で導入されています。
自社の強みである「AIに関する技術力」を活かして、近年需要が高まっているインバウンド市場に向けたサービスを開発している点で、あらゆる新規事業の参考になるアイデアの事例です。
助太刀〜建設業界の課題解決に役立つサービス事例〜
最後にご紹介する助太刀は、仕事を任せたい建設現場と仕事を行いたい職人をつなげるマッチングサービスです。
スマートフォンで職種や居住地を入力するだけで、簡単に現場の募集情報を探せるとあり近年大きな人気を集めています。
また、毎日の日当(報酬)を全国2万4千台あるセブンイレブン店舗のATMで受け取れる「即日受取サービス」の機能が導入されている点も大きな特徴です。
従来の建設業界では、職人に対する報酬の支払いは1ヶ月以上遅れるケースがほとんどでした。
ですがこの機能が導入されたことで、職人はすぐに報酬を受け取れるようになりました。
一方で建設業者側は、経理作業の軽減や人手不足の解消といった効果を得られるようになっています。
建設業界を取り巻く課題を解決できている点で、助太刀は社会的にも意義のある新規事業のアイデアです。
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新規事業のアイデアに関するまとめ
今回の記事では、新規事業のアイデアを見つける方法や、役立つフレームワーク、実際のアイデア事例などを詳しく解説しました。
新規事業のアイデアと聞くと難しく思えますが、コツを掴んだりフレームワークを活用すれば、割と本格的なアイデアを発案することは十分可能です。
ただし、どれほど優れたアイデアを思いついても、必ずしも新規事業が成功するとは限りません。
そのため、まずは小さなスケールからアイデアを形にし、ある程度稼げそうな目処が立った段階で本格的に新規事業をスケールさせるのがオススメです。
なお新規事業を立ち上げる際には、実際に成功している事例からアイデアのヒントを得るのも一つの戦略として良いでしょう。
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