OEMとは?メリットとデメリットを徹底解説

「製造設備はあるけど、販売できる商品やアイデア、販売網がない」

「ヒットする商品のアイデアはあるけど、製造設備を作るだけの費用がない」

事業を行っている方の中には、上記のような悩みを抱えている方もいると思います。

このような悩みは一見すると解決できなそうですが、実は「OEM」という方法を活用すれば解決できるかもしれません。

今回の記事では、そんなOEMのメリットとデメリットについて、委託・受託双方の視点から分かりやすく解説します。

OEMとは?

OEM(Original Equipment manufacturer)とは、他社のブランドを自社で製造すること、もしくはその製造業者を意味します。

委託する側から見ると、他社に製造を依頼した商品を自社ブランドで販売する行為がOEMとなります。

自動車や携帯電話など、OEMはあらゆる業界で活用されています。

委託側におけるOEMのメリット

OEMにおける委託企業のメリットは下記の3つです。

多額の設備投資が不要となる

他社に製造を依頼するため、多額の設備投資を行わずとも商品を販売できます。

資金力に乏しいベンチャーや中小企業でも自社ブランドで商品を販売できる点で、OEMはメリットの大きい手法です。

生産量の変化に柔軟に対応できる

自社生産の場合、あらかじめ生産計画や生産規模が決まっているため、需要の変化に応じて生産量を柔軟に変えるのは難しいです。

一方でOEMの場合は、毎回生産量を決めた上で依頼できるため、生産量の変化に柔軟に対応できます。

生産量の変化に柔軟に対応することで、「需要に追いつけないことによる機会損失」や「在庫が余るリスクを減らせる」などのメリットを得られます。

製造に費やす経営資本を本業に集中できる

OEMを行えば、本来ならば製造に費やすはずの人員や資金を、収益性の高い本業に集中できるメリットも得られます。

あまり製造が得意でない企業の場合、収益性の高い本業に経営資源を集中投入した方が、より多くの利益を得られるようになります。

受託側におけるOEMのメリット

一方で受託企業は、OEMにより下記3つのメリットを得られます。

生産設備の稼働率を上げることが可能

受託側がOEMにより得られる最大のメリットは、生産設備の稼働率向上です。

どれだけ商品を生産しても、それを販売するだけのマーケティング力や販売先がなければ、費用だけかかって売り上げは得られません。

そのため販売力がない企業では、生産設備を活用したくても活用できない(=稼働率が低い)状況が続いてしまいます。

一方でOEMにより他社の製品を受託生産すれば、生産設備の稼働率を上げることが可能です。

生産量の増加により、結果的により多くの収益を得られるようになるのです。

規模の経済性や経験曲線効果によるコスト低減効果を得られる

規模の経済性や経験曲線効果により、生産コストを低減できる点もOEMによる受託生産のメリットです。

規模の経済性とは、生産規模の増大に伴う「製品1個あたりの固定費減少」や「大量仕入による仕入コストの低減」などにより、より少ない費用で商品を生産できるようになるメリットです。

一方の経験曲線効果とは、累積生産量の増加に伴う「製造の熟練度向上」や「作業方法の標準化」などにより、製品の生産コストが減少するメリットを意味します。

OEMにより他社ブランドの製品を大量生産すると、こうした規模の経済性や経験曲線効果を得られます。

その結果、より少ないコストで製品を生産できるようになり、結果的に手元に残る利益が多くなります。

技術力の向上につながる

前項で挙げたメリットに関連しますが、OEMは受託側に技術力の向上というメリットをもたらします。

たとえば大量生産を経験すれば、生産量の増加に伴い作業員の熟練度は高くなります。

また、これまで作った経験がない製品の生産を承れば、新しい技術力を獲得できます。

委託側におけるOEMのデメリット

一見すると万能でメリットの多いOEMですが、委託側にとっては下記のデメリットもあります。

製造のノウハウが内部に蓄積されない

OEMにより製造を委託する最大のデメリットは、製造のノウハウが社内に蓄積されない点です。

自社が苦手な生産分野を外注するという考え方は、一見すると合理的でメリットしかないように思えます。

しかし、たとえば委託先が倒産したり、自社でどうしても製造しないといけない理由があるケースが生じた場合、ノウハウがないため製品を作れなくなります。

製造に関するノウハウがないことで、イレギュラーな事態には対処できなくなるため注意が必要です。

設計変更や納期短縮に対する融通が効きにくい

委託先にもよるものの、OEMだと設計変更や納期短縮に対する融通は効きにくいです。

自社で製造していれば、指示一つで納期や設計は変更できてしまいます。

一方でOEMの場合、相手企業にも意思決定のプロセスや計画があるため、生産量は変更できても設計や納期などの大きな部分は変更してもらえない可能性が高いです。

受託先が競合となるリスクがある

委託側がOEMで被る3つ目のデメリットは、受託先が競合となるリスクがある点です。

前述したとおり、受託先は自社ブランドの生産により、着々とコスト低減や技術力向上といったメリットを享受します。

よって、ある日突然に受託先が自社と同じ分野で商品を販売し出した場合、強力な競合となってしまいます。

いわばOEMは受託先に成長の機会を与える行為でもあるため、十分な注意と対策を考えておく必要があります。

受託側におけるOEMのデメリット

委託企業と同様に、受託企業からみてもOEMにはいくつかのデメリットがあります。

自社ブランドの構築や育成が困難

受託側がOEMで気をつけるべき最大のデメリットは、自社ブランドの構築・育成が困難である点です。

経営資源には限りがあるため、OEMによる製造に注力すると、自社ブランドの開発や育成、販売が疎かとなってしまいます。

その結果、自社で一から商品を開発して、市場で販売する能力が身につかなくなります。

自社ブランドが育たないと、OEM契約が解消された場合に収益を得られなくなるおそれもあるので注意が必要です。

生産量が委託企業に依存してしまう

もう一つOEMで注意すべきなのが、生産量が委託した会社に依存するデメリットです。

たとえば商品の需要が減少すると、委託企業は生産量の減少を要請してきます。

その結果、自社の業績大幅に悪化するでしょう。

反対に生産量を増加したいと依頼が来ると、自社ブランドの製造販売を本格的に強化できなくなるおそれがあります。

エンドユーザーのニーズや市場の情報を得にくい

ヒットする商品を販売するには、日頃から消費者や顧客と接点を持ち、常にエンドユーザーのニーズや市場の情報を獲得し、それを分析した上で製品を開発する必要があります。

しかしOEMの場合はメーカーから依頼された商品を作るだけなので、市場や顧客との接点が中々持てなくなります。

その結果、ニーズや市場の情報を把握できずに、需要のある商品の開発が困難となる恐れがあります。

OEMのメリット・デメリットまとめ

委託・受託側双方にとって、OEMはあらゆるメリットをもたらす手法です。

しかし一方で、業績が相手方に依存するなど、いくつか注意すべきデメリットもあります。

メリットとデメリットの双方をよく比較・検討した上で、OEMを実施するようにしましょう。

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