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ポートフォリオ効果とは?相関係数との関係もわかりやすく解説!

ポートフォリオ効果

今回の記事では、投資において重要な概念である「ポートフォリオ効果」の意味や相関係数との関係などをわかりやすく解説します。

ポートフォリオ効果を知っておけば、リスクを抑えた上で投資で利益を得られる可能性があります。

またポートフォリオ効果の概念は、自身で会社を経営する際にも役に立つことでしょう。

投資やビジネスを行なっている、または今後行いたい方は必見です!

ポートフォリオ効果とは

ポートフォリオ効果とは、価格の動き方が異なる証券を複数持つことで、安定的にリターンを得られるようになる(≒リスクが低減する)効果です。

価格の動き方が異なるとは、たとえば円安によりA証券の株価が上がったらB証券の株価は下落し、A証券の株価が下がったらB証券の株価は上がる感じです。

ポートフォリオ効果をより詳しく確認するために、単純化した二つの例を見てみましょう。

例1)二つの証券がまったく同じ値動きを示すケース

前提条件

  • 投資金額:1,000万円
  • 投資比率:A証券50%、B証券50%
  • A証券の収益率:円高時は10%、円安時は5%
  • B証券の収益率:円高時は10%、円安時は5%

以上の例を基に、円高時と円安時それぞれのポートフォリオ全体の収益を計算してみましょう。

  • 円高時

500万円×10% + 500万円×10% = 100万円

  • 円安時

500万円×5% + 500万円×5% = 50万円

以上のように、円高時は100万円の収益を得られる一方で、円安時は半分の50万円しか収益を得られません。

近い値動きをする証券を組み合わせたポートフォリオであるほど、状況が異なる場合の収益に大きな差が生じます。

例2)二つの証券がまったく異なる値動きを示すケース

前提条件

  • 投資金額:1,000万円
  • 投資比率:A証券50%、B証券50%
  • A証券の収益率:円高時は10%、円安時は5%
  • B証券の収益率:円高時は5%、円安時は10%

見ればわかるように、B証券の収益率を逆にしただけです。

果たして、たったこれだけの条件変化で計算結果は変わってくるのでしょうか?

  • 円高時

500万円×10% + 500万円×5% = 75万円

  • 円安時

500万円×5% + 500万円×10% = 75万円

驚くべきことに、B証券の収益率を変えたことで、円高か円安かに関係なくポートフォリオの収益額は75万円で一定となります。

このように異なる値動きをする証券を組み合わせることで、状況ごとの収益のばらつきを小さくできます。

たくさんの利益を得るには収益のばらつき(リスク)をある程度許容する必要がありますが、莫大な金銭的損失をこうむる可能性があります。

一方で値動きの異なる株式を組み合わせれば、大きく稼ぐのは難しくても、ローリスクで安定的に収益を得られるようになります。

ここで説明した話がちょっと難しく感じた方は、下記記事を参照してみてください。

www.bizkurage.com

ポートフォリオ効果を大きくするには「相関係数」に着目!

ポートフォリオ効果を大きくするには、前述したとおり値動きの異なる複数の証券を組み合わせる必要があります。

ところで証券の値動きがどの程度異なっているかは、どのようにして判断すれば良いのでしょうか?

各証券の間で値動きの類似性を調べる場合には、高校数学で習う「相関係数」が便利です。

相関係数とは

相関係数とは、ある複数の事柄における関連性の強さです。

相関係数は1から-1の間で表すことができ、値が大きいほど(=1に近づくほど)二つの事柄の関連性が強いといえます。

たとえば「教育費に多くのお金を使うほど、子供の学力が高くなる」という事実があれば、「教育費」と「子供の学力」の相関係数は強い(1に近い)と判断できます。

逆に「教育費に多くのお金を使うほど、子供の学力は低くなる」という事実があれば、「教育費」と「子供の学力」の相関係数は弱い(-1に近い)となります。

ある変数xとyがある場合、相関係数は「xとyの共分散」を「xの標準偏差 × yの標準偏差」で割ることで求めることができます。

証券(株式)の相関係数を求める場合は、各証券の期待収益率(リターン)を基に相関係数を求めます。

この記事は数学の解説記事ではないので、相関係数のくわしい求め方は割愛します。

相関係数の求め方を詳しく知りたい方は、下記の記事が分かりやすいので参考にしてみてください。

sci-pursuit.com

ただし相関係数を求めるには面倒な計算をこなす必要があるため、現実的にはExcelを使ったりインターネット上のツールを用いることが多いです。

相関係数が小さいほどポートフォリオ効果は大きくなる

相関係数を理解できれば、どのようにしてポートフォリオ効果を高めれば良いかも分かります。

結論から言うと、相関係数が小さくなるように証券を持っておけば、ポートフォリオ効果を高めることができます。

先ほどお伝えしたように、相関係数は複数変数間の関連性を表します。

つまり相関係数が-1に近づくように証券を組み合わせれば、各株式の値動きをバラつかせてポートフォリオ効果を高めることができます。

ポートフォリオ効果を株式投資やビジネスで役立てるには

最後にポートフォリオ効果を株式投資やビジネスで役立てる方法について解説します。

分散投資

ポートフォリオ効果を使って安定的に利益を出したいのであれば、分散投資がおすすめです。

分散投資とは、その名の通り複数の投資先に資金を分散させる投資手法です。

株式投資に興味がある方であれば、さんざん分散投資が大事というワードを耳にしていると思います。

しかし単に分散投資を行っても、安定的に収益を得られるとは限りません。

と言うのも、ポートフォリオ効果は「値動きの異なる」複数の証券を組み合わせることではじめて得られる効果であり、同じ動き方をする(相関係数が1に近い)証券を組み合わせては意味がないからです。

分散投資によるポートフォリオ効果の恩恵を得たいのであれば、「値動きが異なる(相関関係数が小さくなる)」ように証券を保有する必要があります。

また株式をはじめとした証券は、景気や政治的動向などによって突発的に変化することもあります。

そのため、過去のデータである相関係数が必ずしも役に立つとは限らない点にも十分注意してください。

多角化

ポートフォリオの考え方は、投資のみならずビジネスの場面でも役に立つでしょう。

具体的には、多角化経営を推し進めることで収益の安定化を図れる可能性があります。

一つの事業しか行なっていないと、その事業がダメになった際に経営を続けるのが難しくなります。

一方で多角化経営を行なっていれば、仮に一つの事業の収益力がダメになっても、他の事業の収益があれば全社的な業績を悪化させずに済みます。

多角化には、リスク分散の効果を得られる以外にも、さまざまなメリットがあります。

多角化についてより詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事を参考にしてみてください!

www.bizkurage.com

ポートフォリオ効果のまとめ

今回お伝えしたように、ポートフォリオ効果は株式投資やビジネスの場面で役に立つ概念です。

投資にしろビジネスにしろ、なるべくリスクを小さくした上で収益を得ることはとても重要です。

あまりにも大きなリスクを背負ってしまうと、成功した時は大きな利益を得られるものの、失敗した際に取り返しのつかないほどの損失を被る可能性があります。

リスクを抑えつつ利益を得たい方は、ぜひポートフォリオ効果を意識して投資やビジネスを行ってみてください!