利益の種類【総利益・営業利益・経常利益・純利益の違いを解説】

損益計算書には、「総利益」や「営業利益」、「経常利益」、「純利益」といった様々な種類の利益が並んでいます。

大した違いがないように思えますが、これらの利益が表す事柄には大きな違いがあります。

そこで今回は、利益の種類とそれぞれの違いについて詳しく解説します。

売上総利益(粗利益)とは

売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いて求める利益を意味します。

売上原価とは、商品を作るために直接要した費用であり、原材料や商品の仕入費用が該当します。

なお実務では、粗利益と呼ばれることも多いです。

売上総利益(粗利益)の計算式

売上総利益は、下記の計算式で求められます。

売上総利益(粗利益) = 売上高 − 売上原価
例)売上高6,000万円、売上原価2,000万円
  • 売上総利益 = 6,000万円 − 2,000万円 = 4,000万円
なお売上高に占める売上総利益の割合は、「売上高総利益率(粗利益率)」と呼ばれます。
売上高総利益率(%) = 売上総利益 ÷ 売上高
上記の例だと、売上総利益率は下記になります。
  • 売上総利益率 = 4,000万円 ÷ 6,000万円 ≒ 66.7%

売上総利益(粗利益)は何を表しているの?

売上総利益は、売上から商品を作るのにかかった原価を差し引いた部分の利益です。

つまり売上総利益は、販売している商品やサービスの付加価値を表しています。

商品やサービスに大きな付加価値をつけることができれば、それだけ売上総利益は増えます。

反対に、商品やサービスに原価にプラスアルファの付加価値がなければ、売上と原価の差額が小さくなるため、売上総利益は少なくなります。

企業の商品・サービスそのものの収益力を見たいならば、売上総利益を確認すると良いでしょう。

営業利益とは

営業利益とは、売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いて求める利益です。

販売費および一般管理費とは、商品やサービスの販売業務や、販売を管理する業務に関して発生した費用です。

具体的には、従業員の給与や広告宣伝費、事業所の家賃、減価償却費などが該当します。

営業利益の計算式

営業利益は、下記の計算式で求められます。

営業利益 = 売上総利益 − 販売費および一般管理費
例)売上高6,000万円、売上総利益4,000万円、販売費および一般管理費500万円
  • 営業利益 = 4,000万円 − 500万円 = 3,500万円
なお売上高に占める営業利益の割合は、「売上高営業利益率」と呼ばれます。
売上高営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高
上記の例だと、売上高営業利益率は下記になります。
  • 売上高営業利益率 = 3,500万円 ÷ 6,000万円 ≒ 58.3%

営業利益は何を表しているの?

営業利益は、売上から商品の原価や人件費など、事業を営むうえで直接必要な費用をすべて引いた利益です。

つまり営業利益は、本業(商品やサービスの販売)で得られた利益を表します。

言い換えると、営業利益を見れば本業で稼ぐ力がわかるのです。

営業利益が高いということは、あまり販売や宣伝、商品の製造にお金をかけずに利益を稼げている状態であり、商品力の高さや一人ひとりの稼ぐ力、マーケティング戦略の力が高いと言えるでしょう。

商品・サービスに加えて、マーケティング戦略や従業員の優秀さなど、あらゆる要素を考慮して企業の稼ぐ力を判断したい場合は、営業利益を重視するのがオススメです。

経常利益とは

経常利益とは、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引く方法で求める利益です。

営業外収益とは、企業本来の営業活動(商品・サービスの販売)以外の活動で得る収益を意味します。具体的には、貸付金により得られる利息(受取利息)や、他社株式の配当金(受取配当金)が該当します。

一方で営業外費用とは、企業本来の営業活動(商品・サービスの販売)以外の活動で生じる費用を意味します。具体的には、借入金の利息(支払利息)が該当します。

経常利益の計算式

経常利益は、下記の計算式で求めます。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用
例)売上高6,000万円、営業利益3,500万円、営業外収益400万円、営業外費用900万円
  • 経常利益 = 3,500万円 + 400万円 − 900万円 = 3,000万円
なお売上高に占める経常利益の割合は、「売上高経常利益率」と呼ばれます。
売上高経常利益率(%) = 経常利益 ÷ 売上高
上記の例だと、売上高経常利益率は下記になります。
  • 売上高経常利益率 = 3,000万円 ÷ 6,000万円 = 50%

経常利益は何を表しているの?

経常利益は、事業の運営に限らず、他社への投資や貸付、他社からの借入など、全社的な経営活動をすべて反映しています。

つまり経常利益は、普段の経営活動で得られた利益を表しています。

商品やサービスの販売のみならず、財務面での能力も確認したい場合は経常利益を確認すると良いでしょう。

純利益とは

純利益とは、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いて求める利益です。

細かく見ると、純利益には、「税引前純利益」と「税引後純利益」の二種類に分けられます。経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いて求めた利益は「税引前純利益」となります。一方で税引前純利益から法人税などの税金を差し引いた利益は「税引後純利益」と呼びます。

特別利益とは、臨時または例外的に発生した利益を意味します。具体的には、固定資産売却益などが該当します。

一方で特別損失とは、臨時または例外的に発生した損失を意味します。具体的には、固定資産売却損や災害による損失が該当します。

なお年度末の純利益は「当期純利益」と呼ばれます。

純利益の計算式

税引前純利益は下記の計算式で求めます。

税引前純利益 = 経常利益 + 特別利益 − 特別損失
一方で、法人税や住民税、事業税などの税金を差し引いた「税引後純利益」は下記の計算式で算出できます。
税引後純利益 = 税引前純利益 − 法人税等
例)売上高6,000万円、経常利益3,000万円、特別利益200万円、特別損失200万円、法人税等900万円
  • 税引前純利益 = 3,000万円 + 200万円 − 200万円 = 3,000万円
  • 税引後純利益 = 3,000万円 − 900万円 = 2,100万円
なお売上高に占める純利益の割合は、「売上高純利益率」と呼ばれます。
売上高純利益率(%) = 純利益 ÷ 売上高
上記の例だと、売上高純利益率(税引後)は下記になります。
  • 売上高純利益率 = 2,100万円 ÷ 6,000万円 = 35%

純利益は何を表しているの?

純利益は、臨時的な収入や損失も考慮した上で、最終的に手元に残る利益を表します。

あらゆる支払いをすべて終えた上で手元に残った利益であり、この利益を使って黒字か赤字かを判断するケースが多いです。

利益の種類とそれぞれの違いを理解しよう!

今回ご紹介したように、一口に利益といってもその種類はさまざまあり、それぞれの利益が表す内容も大きく違います。

単純に損益計算書に載る利益の計算方法を覚えるだけでなく、それぞれの利益が表す意味を理解することで、その会社の財務的な状況や強み・弱みを分析できるようになります。

今回お伝えした利益の違いをマスターし、ぜひご自身が経営・勤務している会社の分析に役立てていただければと思います。

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