中小企業診断士クラゲの経営学・マーケティングラボ

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サイコグラフィックとは〜消費者の心理をマーケティングに役立てよう〜

サイコグラフィック

マーケティングの仕事に携わる方が知っておくべき用語の一つに「サイコグラフィック」というものがあります。

サイコグラフィックとは、消費者を一定の大きさに切り分ける上で役立つ手段の一つであり、消費者の考え方が多様化する近年は特に重要な切り口となっています。

今回の記事では、そんなサイコグラフィックの意味や具体例、マーケティングでの活用方法をお伝えします。

マーケティング担当者はもちろん、今後自分で事業を行いたいと思っている肩も必見です!

サイコグラフィックとは?サイコグラフィック変数の具体例

サイコグラフィックとは、消費者の心理的な要因を変数とする市場細分化(セグメンテーション)の物差しです。

具体例なサイコグラフィック変数としては、ライフスタイルや価値観、趣味・嗜好が該当します。

理解を深めるために、サイコグラフィック変数を使ったセグメンテーションの例を下に示します。

  • 「健康的なライフスタイルを重んじる」
  • 「安さより品質の良さを重んじる」
  • 「週末は家でのんびり過ごす」

サイコグラフィックの変数により市場を細分化したら、その細分化したデータをもとにターゲティングやポジショニングを行なっていきます。

ターゲットマーケティングの一連の流れやポイントを知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

www.bizkurage.com

サイコグラフィックとデモグラフィックの違い

セグメンテーションの変数には、サイコグラフィックのみならずデモグラフィックも用いられます。

この章では、サイコグラフィックとデモグラフィックの違いをお伝えします。

デモグラフィックとは?サイコグラフィックとの違い

デモグラフィックとは、人口統計学の観点からセグメンテーションを行なった際の変数を意味します。

具体的なデモグラフィック変数には、性別、年齢、年収、職業などが該当します。

つまり消費者の内面に着目するサイコグラフィックとは違い、定量的なデータに基づいて消費者を分析するのがデモグラフィックとなります。

デモグラフィックとサイコグラフィックは併用するのがベスト

一昔前までは、年齢や性別といったデモグラフィック変数でセグメンテーションを実施することで、消費者をある程度明確に分けることができました。

しかし生活様式や消費の多様化に伴い、同じ年齢や性別でも購入する商品やサービスが異なる傾向が強くなり、消費者を単純には分けられなくなりました。

たとえば大人でもゲームをしますし、美容に関心を持つ男の人もいますよね。年齢や性別だけで分けてしまうと、このような多様性に対応できなくなります。

そこで近年は、消費者の価値観や趣味嗜好といった心理的な側面からマーケティングを実施するサイコグラフィックの考え方が重視されるようになりました。

とはいえサイコグラフィックだけを重視すると、かえってターゲットが漠然とします。

実際にターゲットマーケティングを実施する際は、サイコグラフィック変数とデモグラフィック変数(もしくはジオグラフィック変数)を併用します。

サイコグラフィックとデモグラフィックを同時に活用することで、よりマーケティングに役立つ粒度でセグメンテーションを行えます。

例えば健康食品の販売事業でセグメンテーションを実施する場合、サイコグラフィックとデモグラフィックそれぞれを単独で使うと下記のようになります。

  • サイコグラフィック→しわやたるみに悩みを抱えている、安さよりも効き目を重んじる
  • デモグラフィック→女性、40代、世帯年収1,200万円

サイコグラフィック変数だけではターゲットの範囲が広すぎますし、かといってデモグラフィック変数だけでは多様にある消費者のニーズに対応できません。

そこで下記のように、サイコグラフィックとデモグラフィックを併用します。

「40代女性。世帯年収1,200万円なので比較的経済的な余裕がある。しわやたるみに悩みを抱えており、多少高くても良いから的確にしわやたるみに効果のある美容用品が欲しいと考えている。」

サイコグラフィック変数とデモグラフィック変数の両面から市場セグメンテーションを実施することで、より的確にターゲットとすべき消費者が明確になります。

サイコグラフィックの情報収集方法

サイコグラフィックの変数として使える情報は、主に「アンケート」と「インタビュー」により収集することができます。

この章では、それぞれの情報収集方法のポイントをわかりやすくお伝えします。

アンケート

まず一つ目の方法としてご紹介するのは、消費者にアンケートをとる方法です。

例えば店舗を訪れたお客さんにアンケートをとることで、顧客のライフスタイルや価値観を把握できます。

また、自社のWebサイトやSNSを活用してアンケートを取るのも一つの手です。費用や手間をあまりかけなくても、消費者の生の声を聞ける点が魅力的です。

ただし手軽に情報を収集できる反面、得られた回答が必ず正確とは限らない上に、複雑な質問は投げかけにくいのて注意が必要です。

アンケートでデータを集める際には、一つの質問に聞きたい内容を盛り込み過ぎないようにしましょう。

インタビュー

サイコグラフィックの情報を得るもう一つの手段はインタビューです。

直接消費者と対話することで、心理的な側面を知れる点が魅力です。

またアンケートと比べると、複雑な質問を投げかけやすい点が大きなメリットです。

より質の高いサイコグラフィックデータを得やすい一方で、データの母数を増やしにくいという難点があります。

質に重きをおくならインタビュー、量に重きをおくならアンケートがおすすめです。

サイコグラフィックの情報収集に限らず、マーケティングに役立つデータを集める行為は「マーケティングリサーチ」といいます。

マーケティングリサーチについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。 

www.bizkurage.com

サイコグラフィックの情報をマーケティングで活用する方法

サイコグラフィックの情報を収集したとしても、その情報を有効活用しなければマーケティング的には無意味です。

この章では、サイコグラフィックのデータをマーケティングで活用する具体的な方法をお伝えします。

結論からいうと、サイコグラフィックで細分化した消費者に対して、的確なマーケティング施策を考案・実行することが不可欠です。

商品の品質はもちろん、広告や販促でのアピール内容や価格、キャッチコピーや商品名など、あらゆるものセグメンテーションにより絞り込んだ消費者に適した形で展開しましょう。

例えば価格よりも品質を重視する消費者に対しては、品質の良さを化学的なデータや実績を基にアピールする広告を作ると良いでしょう。

このように、ターゲットとする市場に刺さる形でマーケティング施策を考えていく必要があります。

サイコグラフィックやデモグラフィックは、あくまで市場細分化の手段にすぎません。

セグメンテーションした上で、その市場の消費者に的確な形で商品やサービスを提供できて初めて、効果が出るマーケティングとなります。

サイコグラフィックのまとめ

消費者の消費が多様化している近年、ライフスタイルや価値観といったサイコグラフィック基準でセグメンテーションすることはとても効果的だといえます。

デモグラフィックやジオグラフィック変数と組み合わせれば、商品・サービスを売りたい相手の人物像をより明確にできるでしょう。

アンケートやインタビューにより市場細分化に必要な情報を集めたら、その情報を基に商品開発や広告運用を進めていくことが求められます。