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成果主義は万能なのか?〜成果主義のメリットとデメリットを考察〜

成果主義

「成果主義」と聞くと、すごく万能な考え方だと思う方も少なくないかと思います。

実際自分も、以前は成果主義こそ絶対だと思っていた時期がありました。

しかしよく考えると、成果主義にもデメリットがあり、必ずしも万能な考え方ではありません。

今回の記事では、成果主義のメリットとデメリット、そして成果主義を導入するポイントを自分なりにお伝えします。

そもそも成果主義とは

成果主義とは、仕事の成果(出来栄え)を基に、賃金や賞与、昇進を決定する考え方です。

成果主義の考え方に基づくと、仕事で良い結果を出せば、より多くの給料をもらえたり昇進できることになります。

従来の日本企業では、勤続年数の長さや学歴などにより賃金や昇進を決定するケースが一般的でした。

しかし高齢化による人件費の増大や従業員のモチベーション低下を理由に、近年は日本国内でも成果主義を導入する企業が増えています。 

なお成果主義と能力主義はしばしば混同されやすいですが、両者は全く異なる考え方なので注意してください。

能力主義とは、その人の持つ技能や知識、姿勢といった仕事を遂行する能力を重視する考え方です。

仕事の結果で待遇が決まる成果主義とは異なり、能力主義では事前の期待値や業務遂行の過程によって評価が決まります。

成果主義のメリット

成果主義を導入すると、以下3つのメリットを期待できます。

メリット①:社員のモチベーションが向上する

成果主義では、年齢や勤続年数・学歴などに関係なく、仕事で結果を残すほど給料が増えたり昇進できます。

仕事で結果を残せば誰でも平等に評価されるので、若い社員を中心にモチベーションの向上に繋がります。

メリット②:無駄な人件費を削減できる 

従来の年功序列制度では、たとえ仕事ができない従業員だとしても、勤続年数が長い人には多くの給料を支払う必要があります。

そのため、会社全体として人件費を無駄に多く支出する可能性があります。

一方で成果主義では、結果をあまり出さない従業員の人件費は削減するため、全体的に無駄な人件費を削減できます。

高齢化が進む日本の企業においては、この点は成果主義の最も大きなメリットだと思います。

メリット③:優秀な人材を集めやすくなる

仕事ができる優秀な人は、結果を出すほどより待遇が良くなる会社を好みます。

そのため結果に関係なく評価される年功序列の会社よりも、成果主義の会社の方が好まれる傾向があります。

成果主義を取り入れれば、より優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。

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成果主義のデメリット

成果主義にはメリットばかりではなく、下記でお伝えするようなデメリットもあります。

デメリット①:短期的思考や個人主義に走りやすくなる

成果主義では個々人の結果で評価が決まるため、部署や会社全体での利益よりも個人の結果を優先する従業員が出てくる可能性があります。

また研究開発や新規事業などは、長期的に見ると会社にとって重要な仕事であるものの、個々人の成果には貢献しないため軽視されがちです。

成果を出すことを重視するあまり、すぐに成果として表れる仕事ばかりを行う従業員が増える点は、会社にとっては大きなデメリットです。

デメリット②:定量的に評価しづらい仕事もある

営業などの部門は数字で成果が表れるため、成果主義を導入しやすいです。

しかし会社の中には、研究開発や法務・購買など、定量的に成果を評価しづらい部署 (仕事)も存在します。

また新規事業などのプロジェクトでは、すぐには結果が出ないため、こちらも成果主義で評価するのは難しいです。

成果主義を導入する際には、全ての仕事で明確に成果が目に見えて表れる訳ではない点を十分留意しなくてはいけません。

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成果主義をうまく活用するにはどうすれば良いか

成果主義にはメリットとデメリットの両面があるため、導入すれば必ずしも上手くいくとは限りません。

実際に成果主義を導入した結果、かえって生産性や業績が低下した事例もあります。

この項では、中小企業診断士の学習で得た知見や自らの経験を基に、成果主義を少しでも上手く活用する方法を3つお伝えします。

評価基準の公平性と透明性を担保する

成果主義を取り入れるのであれば、成果の評価基準について公平性と透明性を担保するのが重要です。

公平性や透明性のない評価基準では、従業員のモチベーションがかえって低下し、生産性の低下などの事態を引き起こします。

また公平な評価を下せるように、評価者自体の教育も重要です。

表面的な仕事ぶりで過大評価したりせず、全員を等しく同じ視点で評価できるようになるのが成果主義を取り入れる上で重要です。

適材適所の人事配置を心がける

全ての仕事を満遍なくできる人よりも、むしろ得意不得意が分かれている人の方が多いです。

成果主義の公平性や従業員のモチベーション向上を担保するためには、各従業員が得意な仕事に集中できるように仕事を任せるのが望ましいです。

成果主義に偏り過ぎないようにする

成果主義には前述した通り、短期的目線や個人プレーに陥りやすいデメリットがあります。

そのため成果主義一辺倒にすると、長期的に取り組むプロジェクトやチームで行うプロジェクトが上手くいかなくなる可能性があります。

また安定的に給料を貰いたい人にとっては成果主義は不安定なので、かえって離職率が高まる危険もあります。

そのようなリスクを考慮し、年功序列や能力主義の良い面と成果主義をバランスよく取り入れるのがおすすめです。

結果だけでなくやる気や実績なども含めて評価した方が、中長期的な視点で人材を育成できて良いと思います。 

成果主義に関するまとめ

今回の記事では、成果主義のメリットとデメリットをお伝えしつつ、成果主義を導入するポイントをお伝えしました。

モチベーションが向上する点で、自分としても成果主義は好きです。

ですが成果主義に偏りすぎると、会社経営の面では長期的に見てかえってマイナスの影響が生じるおそれもあります。

何事もバランスが大事なので、成果主義と能力主義、年功序列をバランスよく取り入れるのが大切なのだと思います。