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ローリングプランとは?具体例を交えつつ解説!

ローリングプラン

人口の変化や技術の進歩など、企業の経営に影響を与える要因は数多く存在します。

そのような環境の変化が生じると、従来の計画や戦略が効果的でなくなる恐れがあります。

自社を取り巻く環境変化に対応する方法として、ローリングプランがあります。

ローリングプランは、JALや商船三井などの大手企業も実践している経営管理の手法です。

この記事では、そんなローリングプランの意味やメリットなどを解説します。 

ローリングプランの意味

ローリングプランとは、中期〜長期計画の内容を周期的に見直して、部分的に改良を加える技法を意味します。

もしくは部分的に改良を加えた経営計画自体を、ローリングプランと呼ぶこともあります。

会社を経営するに際しては、今後「誰が」「いつ」「何を」を行うかを特定する目的で、今後2〜5年ほどの経営計画を策定します。

そして策定した経営計画に基づいて、PDCAサイクルを回すことで計画通りに行動できているかの進捗管理を行います。

一般的な企業では上記のプロセスで経営管理を進めますが、必ずしも計画通りに進むとは限りません。

技術の進歩や経済のグローバル化などの影響で、近年は企業を取り巻く環境の変化が激しくなっています。

それに伴い、あらかじめ策定した経営計画が通用しなくなる恐れがあります。

環境の変化に対応するためには、ローリングプランの実施(計画の修正)を行う必要があるのです。    

ローリングプランを立てるメリット

ローリングプランの技法を導入すると、経営環境の変化に対応しやすくなります。

例えばある旅館が売上高を伸ばす目標を掲げ、近年増加している外国人観光客をターゲットとした施策を計画に盛り込んだとしましょう。

ですが不景気などの影響で仮に観光客が減少した場合、このままでは目標の売上高を達成できなくなる可能性が高くなります。

そこでターゲットとなる顧客を変えるなどの修正を施したローリングプランを策定します。

状況に適応したローリングプランの策定により、目標達成に向けて軌道修正を行えます。

つまりローリングプランを策定するメリットは、目標達成に向けて適宜軌道修正を行える点なのです。

ローリングプランの具体例

ローリングプランの技法は、多くの大手企業でも導入されています。

今回は数ある中から、JALと商船三井のローリングプランをご紹介します。

JALのローリングプラン

航空会社の大手JAL(日本航空)では、2017年〜2020年の中期経営計画について、昨年(2018年)に続いてローリングプランを発表しました。

JALは「挑戦、そして成長へ」というテーマを掲げた上で、2017年〜2020年の中期経営計画を実践してきました。

具体的には、「フルサービスキャリア(複数の座席クラスや機内食を提供する旅客サービス)事業の磨き上げ」と「事業領域の拡大」に向けた計画を立てました。

ですが同社は、2018年に飲酒事例による業務改善命令などを受けて、旅客サービスとしての安全問題が浮き彫りとなりました。

そこで同社では、「安心・安全の再構築」を重視したローリングプランを作成し、安全の徹底を図ることを決めました。

また同社のローリングプランには、2020年に向けたネットワーク(乗り入れ都市の増加など)の強化も盛り込まれました。 

要約するとJALのローリングプランには、当初かかげた中期目標を達成する上で、不足する要素が加えられています。

中期経営目標を達成する上でプランの改良を加えている点は、非常に参考となるでしょう。

press.jal.co.jp

商船三井のローリングプラン

大手海運会社の「商船三井」も、ローリングプランを策定する企業の一つです。

商船三井では、10年後の目標とそれを達成するための目標を達成するための中長期的な経営戦略や取り組みを策定しています。

ですが経営環境の著しい変化を踏まえ、同社では1年ごとにローリングプランを策定し、その年度に重点的に取り組むことや利益目標の変更などを行なっています。

中長期的な経営計画(戦略)を毎年見直すことで、著しい環境変化に対応しながら着実に目標の達成に向けて進める可能性が高いと考えられます。

特に同社は、財務的な視点や事業領域の観点を重視して、ローリングプランを策定しています。

一般的な中小企業でも参考になる作り方なので、興味がある方はぜひ商船三井のローリングプランを参考にしてみてはいかがでしょうか?

www.mol.co.jp

ローリングプランのまとめ

今回の記事では、ローリングプランの意味やメリット、具体例をご紹介しました。

ローリングプランは、企業を取り巻く環境変化が激しい現代に効果的な経営管理の手法です。

どれだけ入念に完璧な計画を立てても、技術の進歩や市場の変化により、経営計画が通用しなくなるリスクは無きにしもあらずです。

自社を取り巻く環境の変化を察知したら、ローリングプランの実施を検討してみるのをオススメします。