SECIモデルとは【社員の持つ知識を企業の成長につなげる理論】

  • 2019年12月30日
  • 2020年3月21日
  • 組織論
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組織を取り巻く経営理論には様々なものがありますが、日本発の有名な理論といえば「SECIモデル」です。

今回の記事では、SECIモデルの意味や活用するメリット、使い方などを事例を交えつつ詳しくご説明します。

SECIモデルとは?

まず初めに、SECIモデルの概要や活用して得られるメリットをご紹介します。

暗黙知と形式知

SECIモデルについて理解するには、「暗黙知」と「形式知」について知っておく必要があります。

暗黙知とは、言葉や文字で表現できない主観的なノウハウや信念などの、他人に伝えるのが難しい知識です。

一方で形式知とは、文字や言葉で表現できる客観的な知識を意味します。

SECIモデルの概要

SECIモデルとは、暗黙知と形式知の相互変換により組織全体で新しい価値を創造する取り組みである「ナレッジマネジメント」を実践するためのフレームワークです。

一橋大学の教授である野中郁次郎氏が提唱したSECIモデルは、今や組織的な強みを確立する理論として世界的に支持されています。

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ナレッジマネジメント

SECIモデルを活用するメリット

SECIモデルを活用すれば、それぞれの従業員が持つノウハウや知識を会社全体で共有し、全社的な競争力を高める効果が期待できます。

たとえばある従業員が、業務を短時間で行えるノウハウを持っているとしましょう。

何もしなければ、その従業員のみしかそのノウハウを活用できません。

しかしSECIモデルを活用すれば、従業員の持つノウハウを従業員全員が活用できます。

その結果、全社的に業務時間を短縮し、コストカットや生産性の向上を期待できます。

また、他の従業員の持つノウハウと組み合わさることで、より優れたノウハウを生み出せる可能性もあります。

実際に野中氏は、1980年代にアジアの小国にすぎない日本の企業が世界的な躍進を遂げたのは、暗黙知から形式知への変換の面で優れているからだと述べています。

SECIモデルのプロセス(使い方)

ここでは、SECIモデルを実際に使う際のプロセスをわかりやすく解説します。

SECIモデルを実際のビジネスで役立てたい方は、ここで紹介する使い方を参考にしてください。

Socialization(共有化)

SECIモデルでは、まず初めにSocialization(共有化)が必要だとしています。

共有化とは、複数の従業員が同じ経験をすることで暗黙知を獲得し、それを他の人に伝えるプロセスです。

例えば各従業員が同じ業務を経験すれば、それぞれが自分なりのノウハウや信念を持つようになります。

同じ経験を経ることで、他の従業員のノウハウや信念を理解(共有)できるようになるのです。

Externalization(表出化)

次に行うのは、各自が持っている暗黙知を形式知に変換すること(表出化)です。

つまり暗黙知を言葉で表せるようにするのが表出化です。

暗黙知を形式知に変換するには、従業員同士の対話やミーティングにより、各自が持っているノウハウや考え方を自らの口で言葉にするのが効果的です。

また、演繹法や帰納法を使って論理的に言語化する方法もあります。

Combination(連結化)

連結化とは、従業員それぞれが持っている形式知を一つに結びつけるプロセスです。

単純に複数の知識を一つにまとめるのではなく、良い面を組み合わせてより優れた知識を作り出すことが連結化のポイントです。

例えば従業員同士で、お互いの持つ業務のやり方について議論しあうことで、各自が行なっているやり方の良い面のみを組み合わせ、より優れた業務のやり方を創出できます。

膨大にある形式知を効率的に組み合わせるためには、ITツールやデータベースの活用が求められます。

Internalization(内面化)

SECIモデルでは、最後に「内面化」というプロセスを行います。

内面化とは、各メンバーが新しく生み出した形式知を自身のものとするプロセスです。

例えばマニュアル化した形式知をそれぞれが実践し、マニュアルを見なくても形式知を使いこなせるようになる(≒暗黙知化する)のが内面化です。

各自が内面化を図ることで、会社全体としての能力が強化され、結果的に業績の向上にもつながるのです。

SECIモデルのプロセスは以上となります。

ただしSECIモデルは、一度行えば良いというものではありません。

企業を取り巻く環境は常に変化するため、定期的にSECIモデルを回すことが重要です。

下記にてSECIモデルのプロセスを簡単に説明しているので、こちらも参考にしてもらえると嬉しいです。

SECIモデルのプロセスを簡単に説明すると

①各自でスキルやノウハウを身につけよう

②スキルやノウハウを他人に伝えやすいように言葉にしよう

③みんなのノウハウから良いとこどりして、もっと良いノウハウを作り出そう

④作り出したノウハウを各自で使いこなせるようになろう

SECIモデルの事例〜エーザイによる知の創造〜

SECIモデルを実際の企業経営に活用している事例といえば、医薬品で有名なエーザイが有名です。

エーザイは、患者とその家族がヘルスケアの主役であると考え、患者やその家族が最大限の利益を得ること(ヒューマンヘルスケア)を目指しています。

そこで同社ではSECIモデルを活用し、患者に対してより優れた製品やサービスを提供することに努めています。

SECIモデルを実際に活用したい方は、エーザイの詳細な事例を参考にしてみると良いでしょう。

エーザイ株式会社の企業サイトです。知の創造とはをご紹介しています。…

SECIモデルのまとめ

SECIモデルを活用すれば、従業員一人一人の持つ強みを全社的に共有し、より優れた強みを生み出すことができます。

実際にバブル期や高度経済成長の時期に日本企業が急成長を遂げたのも、暗黙知と形式知の相互変換が上手かったからであると言われています。

この記事を読んでいる方も、是非一度職場や自身のビジネスでSECIモデルを応用してみてはいかがでしょうか?

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