中小企業診断士クラゲの経営学・マーケティングラボ

中小企業診断士の資格や新規事業の経験を持つクラゲが、経営学やマーケティングをゆるく分かりやすく伝えます。

サービスマーケティングは7Pで考えよう!〜ディズニーの事例もご紹介〜

サービスマーケティングの7P

前回の記事では、サービスマーケティングの意味や、サービスの特性とサービスマーケティングで解決すべき課題についてご紹介しました。

今回の記事では、サービスマーケティングを進めていく上で役立つ「サービスマーケティングミックス」や「マーケティングの7P」などのフレームワークをご紹介しつつ、それを基にディズニーの成功要因を自分なりに分析してみようと思います。

今回ご紹介するサービスマーケティングのフレームワークを応用すれば、サービスの上手い売り出し方を考えられるようになるかもしれません!

なお今回の記事では、前回の記事でご紹介した情報を基に話を進めていきます。

ですので、サービスマーケティングについてあまりよく知らない方は、まず前編の記事をご覧になるのが良いかと思います!

business-kurage.hatenablog.com


サービスマーケティングは「7P」で考えよう!〜マーケティングミックスの考え方〜

サービスマーケティングでは、自動車や飲料などの有形財に用いられる4Pではなく、以下の7Pでマーケティングミックス(マーケティング施策の組み合わせ)を考えていきます。

つまり簡単に言うと、以下に示す7つのPの観点からマーケティング施策を考えることで、サービスを上手に顧客に販売する(売り上げを伸ばす)ことが出来ます。

①Product(製品・サービス)

Productとは、自社が提供するサービスや製品を指します。

サービスマーケティングでは、どんなサービスを提供するのかを決める事を意味します。 

②Price(価格)

Priceとは、サービスや製品の価格、提供するまでに要するコストを意味します。

サービスマーケティングでは、提供するサービスの価格や、サービスをお客さんに提供するまでに要する費用(人件費など)を決定することを指します。

③Prace(流通・チャネル)

Praceとは、サービスや製品を「どこで」「どのように」提供するのかを意味します。

サービスマーケティングでは、サービスを提供する際のチャネル(流通経路)や店舗の立地、サービスを提供する時間や手段などを決めていきます。

④Promotion(販売促進) 

Promotionとは、PR活動などの販売促進活動を指します。

サービスマーケティングでは、サービスの魅力をどうやって魅力的に伝えるのかを考えていきます。

以上4つのP(4P)は、サービスだけでなく製品についても該当する要素です。

これ以降の要素は、サービスマーケティング独自のものになるので、注意してご確認ください。

⑤People(人)

Peopleとは、サービスをお客さんに提供する従業員や提携先の会社などを指します。

場合によっては、お客さん自身も含めるケースもあるようです。

サービスマーケティングを効果的に進める為には、お客さんを最大限満足させる様に、従業員教育を施したり、顧客対応の方針を定める施策が大切です。 

⑥Process(提供過程)

Processとは、サービスをお客さんに提供するまでの流れを意味します。

お客さんに満足してもらえる様に、業務プロセスの効率化や待ち時間の短縮化などを実現するのが、サービスマーケティングにおいて重要となります。

⑦Physical evidence(物的証拠・環境要素)

Physical ecvidenceとは、サービスを受けるお客さんが感じる安心感や快適感など、五感で感じる要素を意味します。

安心感を与える為に契約書にてサービスの品質を保証したり、音楽やデザインによって快適感や贅沢感を顧客に与えるのが、サービスマーケティングの実施には不可欠です。

以上がサービスマーケティングを効果的に進める上で役立つ「7P」になります。

7Pの各要素に基づいてマーケティングミックス(施策)を考えれば、サービスの提供方法を考えやすくなるかと思います。

サービスマーケティングの事例〜ディズニーの成功要因を7Pを基に考えてみる〜

サービスマーケティングの7Pについて理解を深めるために、具体的な企業の事例に当てはめてみましょう。

今回は世界的な大人気を誇る「ディズニーリゾート」を例にとり、サービスマーケティングの7Pについて考えようと思います。

①Product(製品・サービス)

ディズニーリゾートのProductは、「ディズニーリゾートという非日常的な楽しい空間」と考えられます。

ミッキーマウスなどのキャラクターやビックサンダーマウンテンなどのアトラクションなど、あらゆる要素が組み合わさって、あの楽しい空間が生み出されているのです。

②Price(価格)

ディズニーリゾートの価格(1デーパスポート)は、以下のように設定されています(2019年3月現在)。

  • 大人→7,400円
  • 中人→6,400円
  • 小人→4,800円 

他のテーマパークと比べると、非常に高価格に設定されています。食事代やお土産代を含めると、1万円以上の支出となると考えられます。

他のテーマパークと比べて高価格なのにも関わらず大人気である理由は、「ディズニーが確固たるブランドを築いており、根強いファンからの需要があるから」であると考えられます。

シャネルなどの高級ブランドの製品も、大衆的な製品と比べて圧倒的に高価格であるにも関わらず売れていますよね。

ディズニーやシャネルのようにブランド力のある製品は、強い需要があるために、高価格でも十分顧客からの支持を得られると思われます。

なおこの話題に関連して、以前「価格設定の方法」について記事を書きました。

気になる方は見てくださると嬉しいです。

business-kurage.hatenablog.com

③Prace(流通・チャネル)

東京ディズニーリゾートの立地については、千葉県浦安市にある舞浜駅の近くにあります。

舞浜駅は、東京駅から電車で約20分弱で訪れるところにあります。

立地の面で考えると、非常に訪れやすい場所にあると言えるでしょう。

④Promotion(販売促進)

Promotionの最たる例としては、 テレビで流れるCMや宣伝番組でしょう。

例えば休日の昼頃やっている某番組では、10〜20分に渡りディズニーの魅力を伝えるコーナーが設けられています。

他には、パーク内にある隠れミッキーなどの要素も、販売促進に一役買っていると言えると思います。  

⑤People(人)

ディズニーの成功要因を考えてみたら、従業員の応対が大きく貢献していると思いました。

普通テーマパークの従業員といったら、どうしても「バイトでやっています感が出ているな〜」って思ってしまいます。

しかしディズニーのスタッフさんは全く違います。

アトラクションを案内するスタッフさんは、まるで役者さんのように振舞っていて、本当に別世界に来たかのような感覚にしてくれます。

掃除をしているスタッフさんも、時折ディズニーのキャラクターを水で書いてくれたりと、サービス精神が旺盛です。

さらにはパレードの出演者に至っては、映画やアニメからそのまま出て来たかのように、完成度の高いショーを見せてくれます。

このようにディズニーのスタッフさんは、100点満点と言える言動や立ち振る舞いを実践しており、これが「ディズニー独自の非日常的な空間」を作ることに一役買っていると考えられます。 

⑥Process(提供過程)

ディズニーで遊ぶ上でどうしても気になるのが、「とてもとても長い待ち時間」です。

日にちやアトラクション次第では、3時間〜4時間待ちとなる場合も多々あります。

顧客満足度の低下に繋がり得る待ち時間に対処するために、ディズニーでは様々な対策を施していると考えられます。

例えば「ファストパス」という券をあらかじめ発行してもらえば、指定された時間帯に通常よりも少ない待ち時間でアトラクションに乗れます。

また、待ち時間に少しでも退屈させないために、アトラクションの近くで陽気な音楽を流したり、原作の楽しさを再現するような空間を設置したりしています。

このようにディズニーでは、待ち時間の短縮化や退屈にさせないための施策をいくつか実施しており、サービスマーケティング的には100点と言えると思います。

⑦Physical evidence(物的証拠・環境要素)

ディズニーでは、非日常的な空間をお客さんに体験してもらうために、様々な施策を行なっています。

例えば、施設外部の様子を内側からは全く見えないようにして、ディズニーの世界観にどっぷり浸かれるようにしています。

また、アトラクションや施設の見た目、パーク内で流れている音楽は、ディズニーの世界観を体現したものとなっています。

五感で非日常的な空間を体験できるのが、他のテーマパークにはないディズニー独自の良さなのかもしれません。

以上で、サービスマーケティングの7Pで分析した「ディズニーの成功要因」になります。

見て来たように、ディズニーは7P全ての要素を重視したマーケティングミックスを実践しています。

サービスマーケティングのお手本とも言える事例ですので、サービスの提供を今後事業として行う方は参考にすると良いかと思います!