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スパンオブコントロールとは?直接管理できる部下の数には限度がある

スパンオブコントロール

一人の上司が管理できる人数は、専門的な用語で「スパンオブコントロール」と呼ばれています。

適切な範囲を超えて部下を管理すると、管理に非効率が生じてしまいます。

今回は、そんなスパンオブコントロールについてわかりやすくご説明します。

今現在上司として部下を管理している方や、従業員を多数抱えている経営者の方は必見です。

スパンオブコントロールの原則とは?スパンオブコントロールの意味

スパンオブコントロールとは、 一人のマネージャーが直接的に指揮監督できる部下の人数を意味します。

業種や上司・部下の能力にも左右されますが、一般的にスパンオブコントロールは5人〜8人程度と言われています。

マニュアル化しやすい業務や従業員間で行う作業が類似している場合には、スパンオブコントロールが大きくなります。

一方で、案件ごとに作業の内容が異なるケースや個々の従業員が異なる作業を行う場合には、スパンオブコントロールが小さくなります。

適切なスパンオブコントロールの範囲内で上司が部下を管理することで、業務の効率化や組織全体でのパフォーマンス向上を期待できます。

スパンオブコントロールの原則は、会社などの組織を構築する際に最優先で考慮すべき5つの原則に含まれています。

会社を設立して従業員を多数雇用する際には、最適なスパンオブコントロールを考慮した上でマネジメント体制を敷くようにしましょう。

スパンオブコントロールを超えた数を管理するとどうなるか

組織のフラット化などを行うと、管理者の数を減らすことができ、効率的かつスピーディーに事業を運営できるようになります。

しかし一方で、管理者の数が減ると一人の上司が管理する部下の数が増えてしまいます。

仮に部下の数がスパンオブコントロールの範囲を超えてしまうと、かえって業務の効率性やスピーディーさが低下する可能性があります。

たとえばこれまで5人の部下を直接管理・指導するのがやっとである場合、管理する人数が倍になったらどうでしょうか?

全員の進捗状況を正確に把握することが困難となったり、全員の進捗状況を管理するのに時間がかかるようになります。

組織のフラット化はしばしばもてはやされますが、スパンオブコントロールを考慮せずに行ってしまうと逆に非効率になるので注意しなくてはいけません。

スパンオブコントロールを拡大する方法

スパンオブコントロールを超えて部下を管理すると、かえって業務の効率性が低下します。

とはいえ、状況次第では管理者の数を減らす(≒上司が管理する人数を増やす)必要が出てくることもあるでしょう。

業務の効率性を低下させずにマネジメント層が管理する人数を増やすには、スパンオブコントロールを拡大する必要があります。

この章では、スパンオブコントロールを拡大する方法を4つご説明します。

作業の標準化を進める

どの従業員でも上司の指示がなく同じクオリティで作業を行えるようになれば、上司が指示したり手直しを行う必要がなくなります。

上司の負担が大幅に軽減すれば、スパンオブコントロールも拡大します。

情報の共有方法を変える

何かあるたびにわざわざ合って進捗状況を報告し合っていると、その分だけ時間が無駄になります。

チャットツールや業務管理システムの導入により、インターネット上でも進捗状況を報告・管理できるようにすれば、その分だけ時間や労力を省くことができます。

IT化はスパンオブコントロールの拡大の効果を手軽に得られる方法なので、積極的に導入しましょう。

マネージャーの管理能力を高める

上司(マネージャー)の管理能力が十分でなければ、訓練次第でスパンオブコントロールを拡大させる余地があるでしょう。

たとえば優れたマネージャーが実践しているマネジメント手法を取り入れたり、セミナーなどに参加してマネジメント手法を学んで実践すると、管理能力の向上につながります。

部下の意思決定や作業の能力を高める

部下の意思決定や作業の能力を高めることも、スパンオブコントロールを拡大する上で有効な方法です。

一人一人が上司の指示なく満足に仕事を行えるようになれば、上司が部下を管理する労力や時間を削減することができるわけです。

スパンオブコントロールのまとめ

なるべく多くの部下を一人で管理できたほうが良いのは確かですが、スパンオブコントロールを超える範囲で管理しても、かえって効率性が低下してしまいます。

自身に適したスパンオブコントロールを見極めた上で、最適な範囲でマネジメントを行うことが業務の効率化には欠かせません。

どうしても多くの人数を管理したいのであれば、今回お伝えした方法でスパンオブコントロールを拡大するのも一つの手です。