中小企業診断士クラゲの経営学・マーケティングラボ

中小企業診断士の資格や新規事業の経験を持つクラゲが、経営学やマーケティングをゆるく分かりやすく伝えます。

ストックオプションを付与するメリットとデメリットをわかりやすく解説!

ストックオプションのメリットとデメリット

急成長を遂げているベンチャー企業を筆頭に、ストックオプションを取り入れる企業が近年増えています。

そもそもストックオプションとは、前もって決められた値段で株式を購入できる権利を意味します。

ストックオプションを交付された従業員は、株価が上昇したタイミングで権利を行使し、獲得した株式を市場で売却する事で、多くの利益を得られる可能性があります。

以上のように、従業員にとってのメリットが大きいのはご存知の方も多いと思います。

一方でストックオプションを交付する会社側には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

そこで今回の記事では、ストックオプションを交付する会社側が得られるメリットと、それと同時に生じ得るデメリットをお伝えしようと思います。

ストックオプションを従業員に与えるメリット

ストックオプションを交付する会社は、下記3つのメリットを得られます。 

メリット①:従業員のやる気がアップする

ストックオプションで利益を生み出すには、基本的に付与時点と比べて株価が上昇している必要があります。

株価は業績に応じて上昇する傾向があるため、従業員にとっては自分の頑張りによって株価上昇による利益を得られることになります。

そのためストックオプションを付与された従業員は、業績を上げるため(利益を得るため)に普段よりも頑張って働こうとする可能性が高くなります。

つまりストックオプションを付与すれば、従業員のやる気を向上させられるメリットを得られるのです。 

www.bizkurage.com

メリット②:資金がなくても優秀な人材を確保できる

本来優秀な人材を雇うには多額の人件費を毎月支払う必要があるため、資金力に乏しい会社にとって中々仕事ができる人材を雇うのは難しいのが現実です。

しかしストックオプションがあれば、仕事ができる人材に対して「将来的に大きな利益を渡せる可能性がある」というアピールができます。

仕事ができる優秀な人材からすると、自分の頑張りによって圧倒的な利益を得られる可能性があるので、給料が多少低くてもその会社に入りたいと思う可能性が出てきます。

以上の理由から、ストックオプションを提示すれば、資金力に乏しくても優秀な人材を獲得できるわけです。

メリット③:人材流失の防止につながる

ストックオプションには、「交付されてから◯年後から権利行使できる」といった形で、権利を行使できるタイミングに制限をかけるのが可能です。

この制限をうまく活用すれば、権利行使せずに辞めるのは勿体ないと社員に思わせることができ、人材流失の防止につながります。

ストックオプションを従業員に与えるデメリット

上記のようなメリットがある一方で、ストックオプションを与える際には下記3つのデメリットにも注意を払う必要があります。

デメリット①:業績が悪化するとかえって従業員のやる気が低下する

業績が思うように伸びなかったり悪化すると、基本的には株価も上昇しません。

株価が上昇しないとストックオプションによる利益を享受できないので、従業員のやる気がかえって低下する恐れがあります。

あまり業績が伸びる自信がない場合には、他の形で従業員のやる気を上げる方が良いかもしれません。

デメリット②:成長性が鈍化している企業ではインセンティブの効果が薄い

社員がストックオプションにより利益を得るためには、前提として株価が上昇する(会社が成長する)必要があります。

上場企業ですでに十分株価が上がりきっており、今後二倍三倍と株価が上昇しそうにない会社の場合は、社員に対するインセンティブの効果が薄まってしまいます。

つまり成長性が鈍化した企業では、ストックオプションによる「やる気の向上」や「デキる人材の確保」といったメリットはあまり得にくいのです。

ただし「株式報酬型」のストックオプションを活用すれば、従業員の退職金を確保することは可能です。

株式報酬型ストックオプションとは、権利行使価格が極めて低い価格(1円など)に設定されたものです。このタイプのストックオプションを付与された人は、「権利行使時点の株価×株式数」とほぼ同額の利益を獲得できます。

この仕組みを利用して、従業員の退職金を確保する企業も少なくありません。

デメリット③:ストックオプションを保有する人とそうでない人の間で軋轢が生じるリスクがある

三つめのデメリットは、ストックオプションを与えた人とそうでない人の間で、軋轢が生じる恐れがある点です。

ストックオプションをもらっていない人からすると、同じ量だけ頑張って業績が向上しても、ストックオプションを持っている人と比べて得られる利益は少なくなってしまいます。

そのためストックオプションを与えられていない人の間で不公平感が生じ、結果的に軋轢が生じて生産性やモチベーションが下がってしまう可能性があります。

ストックオプションを付与する相手を決定する際は、各従業員の成績や勤続年数などをベースに公平性の高い基準を設けるのが大事です。

ストックオプションのメリットとデメリットに関するまとめ

ストックオプションの付与は、仕事ができる人材を確保したり従業員のモチベーションを高める上でとてもメリットの大きい施策です。

しかし一方で、業績が上がらなかった際にかえってモチベーションが低下するなどのデメリットもあります。

自社の状況を踏まえて、メリットの方が大きくなる場合にストックオプションを取り入れるのがベストと言えるでしょう。