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SWOT分析のやり方をわかりやすく解説【3ステップで簡単!】

SWOT分析のやり方

経営戦略を構築・分析するフレームワークとして有名なものに「SWOT分析」というものがあります。

SWOT分析というワードは知っていても、具体的なやり方はいまいちよくわからないという方もいるかと思います。

そこで今回は、具体的な例を用いつつSWOT分析のやり方を解説します!

今回はSWOT分析のやり方を直感的にイメージしてもらえるように、「外部環境・内部環境の分析」→「SWOTの各項目への整理」→「クロスSWOT分析」という2つのステップに分けて説明を進めます。

SWOT分析のやり方を知って、実務に役立てたい方は必見です!

ステップ①:外部環境・内部環境についてそれぞれ分析・整理する

まず初めに、外部環境と内部環境についてそれぞれ分析・整理します。

外部環境と内部環境の分析・整理のやり方は少々異なるので、それぞれ分けてご説明します。

外部環境分析のやり方

外部環境分析を行う際は、自社を取り巻く下記項目について書き出します。

  • 市場規模
  • 市場の成長性
  • 競合他社の状況(競争の激しさ)
  • 経済状況
  • 政治状況

その際には「市場規模はどれくらいか?」「競争の激しさはどのくらいか?」といった質問を自分自身に問いかければ、答えを導き出しやすくなります。

もしくは、「ファイブフォース分析」や「PEST分析」などのフレームワークを活用するのも一つの手です。

各項目について書き出したら、各項目が自社にとって機会と脅威のどちらとなるのかを考えていきます。

例えば、市場規模が縮小傾向にあったら「脅威」、競争が激化していたら「脅威」といった感じで振り分けます。

※PEST分析のやり方はこちら!

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内部環境分析のやり方

内部環境分析を行う際は、下記の項目を分析対象として書き出しましょう。

  • 技術力
  • ノウハウ
  • 資金力
  • 認知度
  • ブランド力
  • 人材の多さや優秀さ
  • 製品やサービスの品質

上記項目を書き出す際は、先ほどお伝えした通り、数字や根拠となるデータを基に分析するやり方がオススメです。

もしくは、「バリューチェーン分析」や「VRIO分析」などのフレームワークを用いるやり方も一つの手です。 

内部環境についても、それぞれの項目が自社にとって強みとなるのか、それとも弱みとなるのかを分析する必要があります。

例えば競合他社と比べて認知度が低ければ「弱み」、容易に真似できない技術力を持っていれば「強み」として考える事が出来るでしょう。

※VRIO分析のやり方はこちら!

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ステップ②:内部環境を「S(強み)とW(弱み)」に、外部環境を「O(機会)とT(脅威)」に分類する

内部と外部の要素を分析したら、その結果を「S(強み)」「W(弱み)」「O(機会)」「T(脅威)」の4項目にそれぞれ分類します。

一体どのようなやり方でSWOTの4要素に分類するのでしょうか?

内部環境を「S(強み)」と「W(弱み)」に分けよう

まず内部の要素を強みと弱みに分けるやり方を説明します。

Strength(強み)は自社にとって武器となる経営資源を意味します。

営業力の高い会社ならば、優れた営業マンや会社内に蓄積された営業ノウハウなどが強みとなるでしょう。

一方でWeakness(弱み)は自社にとって苦手な分野や、不足している経営資源を意味します。

人材不足に悩む中小企業ならば、人員不足が弱みとなるでしょう。

競合他社と比較したり客観的なデータを参考にすると、正確に強みと弱みに分けられます。

外部環境を「O(機会)」と「T(脅威)」に分けよう

次に外部の要素を機会と脅威に分けるやり方をお伝えします。

機会(Opportunity)は自社にとってチャンスをもたらす状況またはできごとです。

つい最近でいうと、タピオカ飲料の販売店から見たタピオカブームが機会となります。

他方脅威とは、自社にとって好ましくない状況やできごとです。

例えば、近年は若者の居酒屋離れが進んでいると言われていますが、これは居酒屋にとって大きな脅威です。

機会と脅威に分類する際は、自社の事業内容とリンクさせるのが大事です。

例えばゲームの販売会社からすると、若者の居酒屋離れは全く売上高に影響しないため脅威とは呼べません。

自社の事業に影響があるかどうかという基準で分類するのがコツです。

SWOTの各要素について、もっと詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください!

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ステップ③:具体的な経営戦略を立てる(クロスSWOT分析を行う)

内部と外部の要素をSWOTの項目に分類できたら、それを基に具体的な経営戦略を立ててみましょう。

その際は、「クロスSWOT分析」というやり方を用います。

クロスSWOT分析では、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の組み合わせごとに、取るべき経営戦略を考えていきます。

今回はクロスSWOT分析をわかりやすく伝えるために、以下のモデルケースを用いてやり方を説明していきます。

○前提条件

  • 業種→地方にある旅館
  • 強み→日本文化を感じられる料理や庭園
  • 弱み→外国人を接客できる従業員がいない
  • 機会→近年外国人観光客が増加している
  • 脅威→近隣にビジネスホテルができた

クロスSWOT分析のやり方①:「強み×機会」

「強み×機会」に関しては、強みの活用により機会による恩恵を最大限得るための戦略を考えます。

自社の強みがプラスに作用する機会を探し、その機会を最大限活用できる施策を実行する事で、収益の増大や市場シェアの向上などを期待できます。

事業規模の拡大や事業の大幅な成長を目指す際は、この観点から経営の方向性を考えるのがオススメです。

先ほどの例で言えば、下記のような戦略(施策)が考えられます。

「日本文化を感じられる料理や庭園(強み)を活かし、近年増加している外国人観光客(機会)をターゲットとした施策を行う」

クロスSWOT分析のやり方②:「強み×脅威」

「強み×脅威」に関しては、強みの活用により脅威による悪影響を最小限に留める方針で戦略を立てます。もしくは強みを用いて差別化を図り、脅威を機会に変える施策を考える事もできます。

自社の持つ強みを用いて脅威に対処する事で、外部要因による脅威が強まった際に、自社の市場シェアや収益、市場での地位を守る事ができます。

外部環境の変化により、自社の経営に悪影響が及びそうな際には、この観点から戦略を考えるのがオススメです。

先ほどの例で言うと、下記のような戦略(施策)が考えられます。

「日本文化を感じられる料理や庭園(強み)を活かし、昨年近隣にできたビジネスホテル(脅威)との差別化を図り、収益や顧客シェアの低下を防止する」 

クロスSWOT分析のやり方③:「弱み×機会」

 「弱み×機会」に関しては、機会を逃さないために弱みを補強・克服する方針で戦略を考えます。

収益の増大や顧客シェアの向上をもたらし得る機会が生じた際、弱みがあるために機会を逃しては非常に勿体無いですよね。

またとない機会を逃さないためにも、機会を逃す要因となり得る弱みは積極的に克服する必要があります。

機会を得る上で弱みが支障となり得そうな場合には、この観点から今後の戦い方を構築していきましょう。

先ほどの例で言うと、下記のような戦略(施策)が考えられます。

「近年増加している外国人観光客(機会)の宿泊需要を取り込むために、外国人を接客できる従業員がいない(弱み)という課題を、英語教育や翻訳機の導入により克服する」

クロスSWOT分析のやり方④:「弱み×脅威 」

 「弱み×脅威」に関しては、脅威による悪影響を最小限に留める(回避する)為にはどうすべきか?という観点から戦略(施策)を考えます。

必ずしも脅威を回避する上で役立つ強みがある訳ではない上に、全く強みが役に立たず、脅威による甚大な悪影響を受ける可能性は0ではありません。かえって弱みが原因となり、脅威による影響がさらに深刻化するリスクもあります。

よってSWOT分析を用いる際は、弱みによって生じ得る最悪の場合も想定した上で戦い方を立てるのが理想です。

場合によっては、事業からの撤退も視野に入れる必要もあります。

先ほどの例で言うと、下記のような戦略(施策)が考えられます。

「外国人を接客できる従業員がいない(弱み)のが理由で、昨年近隣にできたビジネスホテル(脅威)に収益や顧客シェアを奪われる可能性が高い。したがって、宿泊サービス事業から撤退を図る」

SWOT分析のやり方まとめ

今回の記事では、SWOT分析のやり方を3つのステップに分けて説明しました。

SWOT分析を実務で役立てるには、やり方を覚えるだけでは意味がありません。

実際にSWOT分析を使い続けることで、SWOT分析を使いこなせるようになります。

みなさんも自分が働いている会社や興味のある会社の事業を、今回お伝えしたやり方でSWOT分析してみてはいかがでしょうか?

なお下記の記事では、某大手企業2社を事例にSWOT分析を行なってみました。

SWOT分析の事例をさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参照してくださると嬉しいです!

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