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シナジー効果とは?M&Aとの関係やシナジー効果の成功事例をご紹介!

シナジー効果とは

経営やマーケティングに携わると、一度は「シナジー効果」という用語を耳にする機会があると思います。

経営戦略やマーケティング施策の効果を高める上で、シナジー効果は重要な概念です。

そこで今回の記事では、シナジー効果の意味について、M&Aとの関係や成功事例を交えつつご紹介します。

経営におけるシナジー効果とは?

シナジー効果とは、ある要素が他の要素と合わさることで、各要素を合計した場合以上の結果が出る現象であり、「相乗効果」とも呼ばれています。

経営(ビジネス)の場面に限定すると、複数の事業を行うことで、それぞれを別々に行う場合よりも大きな成果を得られる効果を意味するケースが多いです。

つまりシナジー効果とは、「1 + 1」が2よりも大きくなる効果を意味しています。

例えばテーマパークを運営する企業がテーマパークの近くでホテル運営を始めたとします。

ホテルに宿泊した人がテーマパークを利用し、テーマパークに遊びに来る人がホテルを利用するという形で、それぞれの事業がそれぞれに良い影響をもたらします。

このように互いが互いに良い影響をもたらし、純粋に足し合わせた場合以上の効果が出る現象をシナジー効果と呼ぶわけです。 

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シナジー効果にはいくつかの種類がある

シナジー効果と一口に言っても、シナジー効果には下記の2種類があります。

種類①:事業シナジー

事業シナジーとは、本業での活動で得られるシナジー効果を意味します。

具体的には、複数の事業を行うことでそれぞれに共通するコストをカットできる効果や、複数の人材が一緒に働く結果、画期的なアイデアを発想したり技術力が向上する効果などが事業シナジーと言われます。

また単純に収益や利益が多くなるケースも、事業シナジーに含まれます。

種類②:財務シナジー

財務シナジーとは、ファイナンス面で得られるシナジー効果です。

例えば買収した企業から債務を引き継ぐことで、節税効果を得られるケースなどが財務シナジーに該当します。

シナジー効果を生む方法とは

シナジー効果を上手く利用できれば、より大きな成長を実現できます。

この項では、シナジー効果を生み出す方法を3つご紹介します。 

他社とのアライアンス

一つ目は、他社とのアライアンスです。

関連度の高い事業を行う企業同士がアライアンス(事業提携)を行えば、その事業間でシナジー効果が生まれる可能性があります。

例えばゲーム会社とテーマパークの運営会社がアライアンスを行えば、それぞれが別々に事業を行う場合と比べてより大きな集客効果を期待でき、結果的に多くの収益を生み出す効果を期待できます。 

互いに関連性の高い事業を複数展開する(多角化)

二つ目は、自社内で多角化を行う方法です。

本業と関連性の高い事業を展開することで、事業間でのシナジー効果が生み出される可能性があります。

例えば飲食店を経営する会社が、自社で使用する独自のドレッシングを販売する事業を行えば、飲食店での食事に満足した人がドレッシングを購入してくれたり、ドレッシングを美味しいと思ったお客さんが飲食店に来てくれるかもしれません。 

複数の強みを持つ

複数の事業を行わなくても、複数の強みを持つことでそれぞれの強みがシナジー効果を発揮する可能性はあります。

例えば機能性の高い時計を作るスキルと、洗練されたデザインを生み出すスキルは、それぞれ単体でも利益を生み出す強みとなります。

しかしそれぞれ単体では、単純に受注した仕事を行うことしかできず、大きな収益は期待できないでしょう。

一方で両方のスキルを持っていれば、デザイン性・機能性共に高い独自の腕時計を作ることができ、より大きな利益を得られる可能性があります。

このように複数の強みを持つ事でも、シナジー効果は十分得られるのです。

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M&Aとシナジー効果の関係とは

M&Aとは会社を買収・売買したり、複数の会社が合併する行為を意味します。

そんなM&Aでは、上手くいけば大きなシナジー効果を得られます。

例えば節税の効果や、自社と買収先の人材が交流する事で面白い発想が得られたり、収益が単純な足し算以上に増えたりと、M&Aでは様々なシナジー効果を期待できます。

しかしM&Aでは、社風や事業内容が異なる複数企業が一つとなるため、順調に成功する可能性は高くありません。

買収した会社から来た人材と自社の人材が対立し、従業員のモチベーション低下や離職率の上昇が生じるリスクがあります。

また、社内のITシステムや経営方針を上手く統合できなかったが故に、双方企業の良い面が上手い具合に調和されなかったりするケースもあります。

上記の事態に陥るとシナジー効果は当然生み出されないため、M&Aは失敗となります。

シナジー効果が生み出されない事態を防ぐためにも、M&Aの際には「PMIのプロセス」が重要となります。

PMIとはM&A後の統合プロセスを意味し、「人や企業文化」、「業務・戦略」、「管理システム」などをどのように統合するかを考えていきます。

PMIを成功させシナジー効果を生み出すには、M&Aの交渉段階から売り手と買い手が協力し合ってPMIの計画を策定しつつ、双方の認識を擦り合わせることが大事です。

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企業がシナジー効果を生み出した成功事例

シナジー効果を活用し急成長を遂げた最たる成功事例としては、楽天のM&Aによる事業拡大が挙げられます。

楽天は2000年代初頭から、金融や旅行など、多方面にわたる企業をM&Aにより自社に取り込んでいきました。

そして買収した事業をITシステムで結びつけることで、楽天エコシステム(経済圏)を確立しました。

楽天エコシステムとは、金融や買い物など複数のサービスで共通したIDやポイントを利用できる仕組みであり、いわば楽天独自の経済圏です。

それぞれの事業が別々に行われていては実現し得ないことなので、まさしくシナジー効果であると言えると思います。

M&Aにより買収した数々のサービスと自社ITシステムとのシナジー効果により、楽天は今現在の地位を確立したと言っても過言ではありません。

シナジー効果のまとめ

今回の記事では、シナジー効果とは何なのかを説明しました。

シナジー効果とは、事業規模を成長させる上で不可欠な概念であり、多くの大手企業がシナジー効果による成長を遂げています。

基本的には多角化やM&Aによりシナジー効果を得るのが一般的ですが、単一事業を行う中小企業でも十分シナジー効果は得られると思います。

強みとなる経営資源(ノウハウや技術など)を複数持ち、それらを組み合わせればシナジー効果を創出できるでしょう。