入念に市場を調査して消費者のニーズを探ったとしても、必ずしも開発した商品・サービスが売れるとは限りません。
まったく商品やサービスが売れずに、それまで費やした費用や労力がすべて無駄になる場合もあります。
新商品・サービスのリリースが失敗に終わると、最悪の場合は事業の継続が困難となります。
そのようなリスクを回避するには、あらかじめ「テストマーケティング」を行い、商品やサービスが顧客に売れるかをあらかじめ判断するのが重要です。
今回の記事では、テストマーケティングのメリットや手法、最適な地域を解説します。
テストマーケティングとは
はじめに、テストマーケティングの意味とメリットを説明します。
テストマーケティングの意味
テストマーケティングとは、新商品やサービスを本格的に販売する前に、試験的に商品を消費者に利用してもらうマーケティング手法です。
事前に商品やサービスを利用してもらい、そこで得られたフィードバックを基にその後の行動を決めます。
問題点や改善点を指摘されれば、その部分を改良した上で商品を販売します。一方で特に問題がなければ、そのまま商品やサービスを本格的に販売します。
つまりテストマーケティングは、「このまま商品やサービスを販売して成功するのか」を判断する目的でおこなうわけです。
テストマーケティングのメリット
あらかじめ入念にターゲット消費者のニーズを調べても、必ずしもニーズに適した商品やサービスを作れるとは限りません。
消費者のニーズに合うと思って開発しても、いざ販売してみるとまったく顧客のニーズに合う商品でないケースは多々あります。
そのような状況に陥ると、それまで費やした費用や労力がすべて無駄となってしまいます。
一方でテストマーケティングを行えば、商品の販売を本格化する前に、その商品が本当に顧客のニーズを満たしているかを確認できます。
そのため、ニーズを満たさない商品を本格的に販売し、費用や労力を無駄にするリスクを大幅に削減できます。
テストマーケティングの手法5選
テストマーケティングは、実際に顧客と対面でおこなうもの(オフライン施策)もあれば、オンライ上で完結できるものもあります。
この章では、テストマーケティングの代表的な手法を5種類解説します。
モニター調査
モニター調査とは、テストする商品を消費者に渡し、普段の生活で実際に試してもらった感想を集めるテストマーケティングの手法です。
実際に利用してもらうため、的確な気づきや改善点を得られます。
一方で、競合他社に商品を知られてしまい、良い部分を模倣されるリスクがあります。
地域を限定した販売
テストマーケティングとして特に有名なのが、地域を限定して実際に商品を販売する手法です。
単に商品を使ってもらうだけでなく、集客や宣伝広告から価格設定など、マーケティング全体の施策を試すことができます。
商品の値段や集客方法などについても良し悪しを判断できるため、最も得られるフィードバックの精度が高いテストマーケティングの手法です。
ただし、地域を限定するとはいえ実際に商品を販売するため、費用や労力がある程度発生してしまいます。
インターネット上でのアンケート
インターネット上で使えるサービスならば、ネット上でのアンケートもテストマーケティングの手法となります。
実際にサービスを利用してもらい、その感想をネット上のアンケートで答えてもらう手法です。
この手法の長所は、圧倒的に低コストかつ少ない労力でテストマーケティングを行える点です。
サービスとアンケート内容さえ用意すれば、簡単に多数の消費者からフィードバックを得られます。
googleフォームなどのツールを使えば、かなり低コストでテストマーケティングできる点も魅力です。
ただし、直接顧客に質問するわけではないため、必ずしも得られるフィードバックの精度が高いとは限らないので注意です。
展示会への出展
ここまで紹介したのは、BtoCビジネス向けのテストマーケティング手法です。
BtoBビジネスのテストマーケティングならば、ある業界や商品に特化した展示会に出展するのがオススメです。
展示会には、特定の業界や商品に興味があったり、詳しい知識を持っている人や企業が訪れます。
そのため、実際に商品やサービスを体験してもらうことで、かなり役に立つフィードバックを得られる可能性があります。
ただし、展示会に出展するために準備や費用がかかるのが難点です。
外部の専門業者に依頼する
ここまで見てきたように、テストマーケティングにはかなりの労力や費用がかかります。
加えて、ある程度はマーケティングの専門知識やセンス、経験も必要です。
そのため、無理に自社でテストマーケティングをおこなうと、リソース不足で中途半端になったり、大して有益なフィードバックを得られない可能性があります。
リソースやマーケティングの経験・ノウハウに自信がなければ、外部の専門業者にテストマーケティングを依頼するのがオススメです。
外部の専門業者に依頼すれば、費用こそかかるものの自社の業務量を削減できる上に、質の高い検証結果を得られます。
テストマーケティングはどこの地域でおこなうべき?
地域を限定してテストマーケティングをおこなう場合、地域選びは慎重に行わなくてはいけません。
一部の地域や性別などに限定した商品・サービスでない限り、基本的には全国展開を前提にしてテストマーケティングを行います。
全国展開を前提とした場合、人口や年齢分布、年収などの要素が全国平均と近い地域を選ぶのがオススメです。
具体的に、テストマーケティングをおこなう上でオススメの地域は下記の5ヶ所です。
・大阪
・神奈川
・東京
・広島

テストマーケティングのまとめ
新商品・サービスの販売で失敗するリスクを減らす上で、テストマーケティングは非常に効果的な手法です。
テストマーケティングの手法にはさまざまあり、事業内容や予算などによって最適な手法は変わってきます。
地域を考慮するのはもちろん、事業内容や予算などの要素も含めて、最適な手法を決定しましょう。
なおテストマーケティングでかかる費用は、テストの手法や規模などによって異なります。
実際にどのくらいの費用がかかるかを知りたい場合には、外部のリサーチ会社に見積もりを出すのが楽で良いと思います。