突然ですが、組織が継続していく上で満たすべき要素は一体何だと思いますか?
企業や学校など、世の中には組織と呼ばれるものがたくさん存在します。
何十年と継続する組織もあれば、一年も経たずに崩壊してしまう組織も見られます。
企業を経営する上では、より長期的に組織を存続させたいと考えるのが一般的だと思います。
そんな組織の存続に役立つ考え方に、「組織の3要素(バーナードの組織論)」というものがあります。
「組織の3要素」とは、アメリカの経営学者兼社長であったバーナード氏が提唱したものであり、組織が満たすべき3つの要素を指します。
この記事では、組織の3要素についてわかりやすく解説しようと思います。
会社が存続し続ける上で不可欠な「組織の3要素」とは
組織の3要素とは、アメリカの経営学者・電話会社の経営者であったチェスター・バーナードが提唱した理論です。
バーナードは、企業などの組織が成立する上で満たすべき要素として、以下の3つを挙げました。
- 共通目的
- 貢献意欲
- コミュニケーション
そのとき置かれている状況に応じて、組織の3要素をバランスよく結合することが企業経営には重要です。
組織の3要素を適切に維持・調整することは、経営者や管理職の方が担う重要な役割といえます。
「共通目的」、「貢献意欲」、「コミュニケーション」が重要と言われても、それだけで納得できる方は中々いないと思います。
次の章では、組織の3要素それぞれについて、具体例を用いつつ解説していきます。
組織の3要素の概要と具体例
企業が存続する上で不可欠な「組織の3要素」とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
この章では、組織の3要素について詳しく解説します。
共通目的の概要と具体例
共通目的とは、経営理念や経営ビジョンなどの企業全体で目指す目的を意味します。
共通目的の具体例としては、「上場する」とか「新しい技術を世界に広める」といったものがあります。
こうした共通目的がなければ、各従業員が別々の方向を向いて仕事を進めることになります。その結果各メンバーが個人主義に走り、組織としての強みを発揮できなくなります。
企業組織が存続し続けるには、明確な共通目的が存在し、それが組織の各メンバーに理解されている必要があります。
貢献意欲の概要と具体例
貢献意欲(協働意欲)とは、組織(企業)や各メンバーのために貢献しようとする意思を指します。意味合い的にはモチベーションと似ています。
新規事業や部門横断的なプロジェクトを成功させるには、各メンバーの協力が不可欠です。
メンバー間に貢献意欲がなければ、どれほど個々の能力が高くてもそれが有機的に結びつかないため、新規事業やプロジェクトが成功しなくなります。
企業経営の成功にとって、各メンバーが貢献意欲を持つことは非常に重要となります。
では、どうしたら貢献意欲を高めることができるのでしょうか?
貢献意欲は、「自身が提供する貢献以上に、組織(企業)が提供する誘因が大きい」と従業員が認識した場合に高まると言われています。
誘因とは、給料やボーナス、昇進などの見返りを意味します。
つまり貢献意欲を高めるには、従業員の頑張りに相当するか、もしくはそれ以上の給料や昇進といった見返りを与える必要があります。
「うちの従業員はモチベーションや貢献意欲が低い」と愚痴を漏らす経営者もいますが、メリットがないのに貢献する人なんか存在しません。従業員の貢献意欲を高めたいのであれば、それ相応の見返りを与える必要があるのです。
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コミュニケーションの概要と具体例
コミュニケーションとは、文字通り「意思の伝達や伝達の経路」を意味します。
企業におけるコミュニケーションの具体例としては、主に下記があります。
- 上から下へのコミュニケーション(指揮命令、業績のフィードバックなど)
- 下から上へのコミュニケーション(報告や連絡、提案、相談など)
- メンバー間のコミュニケーション(ミーティング、普段の業務連絡など)
コミュニケーションが円滑に行われていないと、事業の遂行にも支障をきたします。また、働きづらい険悪な雰囲気となるため、従業員のモチベーション低下なども招きます。
コミュニケーションの流れを活発かつ円滑にすることが企業経営には欠かせません。
組織の3要素【バーナードの組織論】のまとめ
この記事では、バーナードが提唱した組織の3要素(バーナードの組織論)について、具体例を交えつつ解説しました。
今回見てきたように、組織の成立には「組織の3要素(共通目的・貢献意欲・コミュニケーション)」が欠かせません。
経営者の方や管理職の方は、組織の3要素を意識した上で事業を運営してはいかがでしょうか?
そうすれば、新規事業やプロジェクトがより一層うまくいくかもしれません。