ポーターの3つの基本戦略とは?意味と事例を解説!

会社経営を成功させるには、他社との競争に打ち勝ち、より多くの利益を得つづける必要があります。

アメリカの有名な経営学者ポーター教授は、他社との競争に打ち勝つための「3つの基本戦略」を提唱しました。

今回の記事では、ポーターの3つの基本戦略について、それぞれの意味やメリット・デメリット、事例などをくわしくご説明します。

3つの基本戦略を知って、事業の経営に役立てたい方は必見です!

3つの基本戦略とは?

アメリカの経営学者ポーターが提唱した「3つの基本戦略」とは、他社との競争に勝つために取るべき3つの経営戦略の総称です。

ポーターは、「戦略の優位性」と「戦略ターゲット」という2つの軸から、競争優位性の確立に有効な3つの基本戦略を以下のように示しました。

・差別化戦略

・コストリーダーシップ戦略

・集中戦略

上記3つの基本戦略が上手く行けば、他の企業よりも利益やシェアを多く得られるわけです。

基本的には3つの基本戦略の中から、どれか一つの経営戦略を実行することになります。

ただし状況次第では、複数の経営戦略を同時に実現可能とポーター教授は述べています。

次の章からは、3つの基本戦略それぞれを具体的にご説明します。

差別化戦略

差別化戦略とは

差別化戦略とは、顧客にとって競合他社とまったく異なるサービスや商品を提供することで、競争優位性を確立する経営戦略です。

差別化の具体的な方法は、下記の3種類に分けられます。

製品(サービス)そのものの差別化:性能やデザイン、品質など

・製品(サービス)以外の面での差別化:アフターサービス、代金の支払い方法、品揃えなど

・顧客との関係性:ブランドや企業のイメージなど

価格を安くするのではなく、他社とは異なる魅力的な価値を提供することで、より多くの利益を得ようとする点が差別化の特徴です。

差別化戦略のメリットとデメリット

差別化戦略を行うと、主に下記のメリットを得られます。

価格競争を回避できる

・高価格を設定することで大きな利益を得やすい

一方で差別化戦略には、下記のデメリットもあります。

他社に真似されることで差別化の要素が無くなってしまう

差別化戦略を成功させるポイントとは

差別化戦略を成功させるには、顧客から見て他社製品よりも優れている価値を提供する必要があります。

ただ違うだけで顧客にとって価値のないものであると、誰も自社の製品やサービスを利用してくれないからです。

差別化戦略の事例

下記の企業は、差別化戦略で成功した企業の一例です。

・スターバックス:「おしゃれさ」や「居心地の良さ」で既存カフェと差別化

・モスバーガー:「健康志向」や「品質の高さ」でマクドナルドと差別化

・アップル:「シンプルな操作性」や「デザイン」で既存電子機器と差別化

差別化戦略についてくわしく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください!

関連記事

「ビジネスで成功するには差別化が大事!」こんな感じのフレーズを、経営やマーケティングに携わる方であれば一度は耳にした経験があると思います。考えてみると差別化は大事だなあ・・・と何となくは思うでしょうが、差別化はなぜ大事なのでしょうか?[…]

差別化戦略

コストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略とは

コストリーダーシップ戦略とは、他社よりも低コストで商品やサービスを生産・提供する形で、競争優位性を築く経営戦略です。

あくまで低コストで生産する戦略であり、必ずしも低価格で販売する訳ではありません。

コストリーダーシップを実践するには、下記いずれかの条件を満たすことで低コスト生産を実現する必要があります。

・経験曲線効果

・規模の経済性

・製造や製品提供プロセスの最適化

・技術力の向上

コストリーダーシップ戦略のメリットとデメリット

コストリーダーシップ戦略は、企業に下記のメリットをもたらします。

・低価格で販売すれば顧客に利用してもらいやすくなる

・低コストで販売することで多くの利潤を得られる

・新規参入の企業に高い参入障壁を築ける

一方でコストリーダーシップ戦略では、下記のデメリットに注意が必要です。

・利益度外視の価格競争に巻き込まれるリスクがある

・規模の経済性や経験曲線効果を実現するのが困難(莫大な初期投資や時間がかかる)

コストリーダーシップ戦略を成功させるポイントとは

コストリーダーシップ戦略を成功させるには、何と言っても他社よりも低コストでの製品生産や提供を実現する必要があります。

しかし前述したように、低コストを実現するには、莫大な初期投資や多大な時間がかかります。

したがって、3つの基本戦略の中でも、主に大手企業に適した経営戦略であると言えます。

一方で、経営資源を多く持っていない中小企業やベンチャー企業にはあまりオススメできません。

コストリーダーシップ戦略の事例

下記の企業は、コストリーダーシップ戦略で成功した企業の一例です。

・ユニクロ:SPAという独自のビジネスモデルで圧倒的な低コスト生産を実現

・サイゼリヤ:食材調達から販売までを自社で行うことで低コストを実現

・マクドナルド:製品開発プロセスの最適化により低コストを実現

コストリーダーシップ戦略については、下記の記事がより詳しいです。

関連記事

世界的に有名な経営学の教授ポーター氏は、企業が競争優位を確立する手段として、三つの基本戦略を提唱しました。その中の一つに「コストリーダーシップ戦略」があります。コストリーダーシップは有名な経営戦略ですが、すべての企業に適しているとは[…]

集中戦略

集中戦略とは

集中戦略とは、特定の小さな市場にターゲットを絞ることで競争優位性の確立を目指す経営戦略です。

また集中戦略は、小さな市場内で差別化を図る「差別化集中戦略」と、低コスト生産を図る「コスト集中戦略」に分けられます。

つまり集中戦略とは、ある商品・サービスの市場を細分化し、そのうちの一部の市場に照準を合わせて差別化や低コスト化を図る経営戦略です。

集中戦略のメリットとデメリット

集中戦略には、主に下記のメリットがあります。

・経営資源の量が少ない企業でも競争優位性を築ける

・強力な大手企業との競争を回避できる

・ブランディングを行いやすい

上記メリットがあるため、3つの基本戦略の中でも、とくにベンチャーや中小企業に最適の戦略であると言えます。

ただし集中戦略には、下記のデメリットもあります。

・新規参入の増加により市場が大きくなってしまう(集中戦略のメリットが失われる)リスク

・代替品の出現などにより顧客の需要が減少するリスク

・強力な競合企業が参入した場合に、シェアを大幅に失ってしまうリスク

集中戦略を成功させるポイントとは

集中戦略を成功させるには、自社の強みを最大限発揮できる市場をターゲットとするのが大事です。

前述した通り集中戦略は、3つの基本戦略の中でも、少ない経営資源で優位性を築ける優れた経営戦略です。

しかしせっかく少ない経営資源を市場に集中させても、経営資源を役立てることができなければ、集中戦略のメリットは得られません。

集中戦略を実施する際には、差別化にしろコストリーダーシップにしろ、自社の強みを活かせる市場を選定することに重点を置きましょう。

集中戦略の事例

以下の企業は、集中戦略で成功した企業の一例です。

・スズキ:軽自動車市場に特化

・しまむら:主婦層をターゲットとした衣料品市場に特化

集中戦略を成功させるコツをもっとくわしく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください!

関連記事

あらゆる物事に幅広く手をつけるよりも、何か一つに特化(集中)した方が、大きな結果を得られる可能性が高いです。これはビジネスでも同じことが言えます。幅広いターゲットを対象に商品やサービスを提供するよりも、ごく一部の地域や顧客層に絞って[…]

3つの基本戦略のまとめ

3つの基本戦略を理解して実践すれば、あらゆるビジネスで他社との競合に打ち勝てる可能性が高まります。

しかし見てきたように3つの基本戦略は、それぞれ異なるメリットやデメリット、成功のためのポイントを持っています。

そのため、実務で3つの基本戦略の考え方を役立てる際には、自社に最適な経営戦略をよく吟味して選ぶことが重要となります。

今回お伝えした3つの基本戦略以外にも、経営戦略を策定する際に役立つフレームワークは多々あります。

実際に経営戦略を策定する際には、3つの基本戦略のみならず、他のフレームワークも活用すると、より一層質の高い戦略を考えられるでしょう。

関連記事

経営戦略は大きく分けて、経営資源の配分や事業領域の決定などを行う「企業戦略(成長戦略)」と事業ごとに競争に打ち勝つための戦略を考える「事業戦略(競争戦略)」に分けられます。企業戦略にせよ事業戦略にせよ抽象的なので、決めようと思っても「ど[…]

経営戦略フレームワーク
最新情報をチェックしよう!