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変動費と固定費【CVP分析をわかりやすく解説シリーズ:第1回】

変動費と固定費

損益分岐点分析(CVP分析)は、会社の経営にとって大いに役立つ手法です。

例えば目標利益を達成する計画を立てたり、現状の収益構造の問題点の把握など、損益分岐点分析は様々な場面で応用できます。

そんな有用な損益分岐点分析をいざ勉強してみると、難解な用語や概念が数多く出てくるため、中々理解しにくいと思います(自分は理解するのに苦労しました汗)。 

そこでこの記事含め全4回に渡って、CVP分析を基礎から順番に解説していこうと思います。

初回となるこの記事では、CVP分析の最も基礎となる「変動費と固定費」について解説します。

損益分岐点分析を一から学習したい方、自分でCVP分析を学習したもののいまいち理解できなかった方は必見です!

変動費とは

変動費とは、売上高や生産量の増減に伴って変動する費用を意味します。

例えば100円のアイスクリーム1つを生産するのに、100mlの牛乳(50円)が必要だとしましょう。

このアイスクリームを二つ生産するとなると、追加で100mlの牛乳が必要となります。

この場合牛乳は商品を生産するたびに(売上高が100円増えるたびに)生じる費用なので、変動費だと言えるのです。

固定費とは

一方で固定費とは、売上高や生産量の増減とは無関係に発生する費用を意味します。 

言い換えると、売上高や生産量に関係なく一定金額発生するのが固定費です。 

例えばアイスクリームを販売するには、販売するための店舗を借りる必要があります。

基本的に店舗の家賃はあらかじめ決まっており、売上高や生産量の増減とは無関係に毎月一定金額発生します。

そのため、このケースにおける店舗を借りる費用は固定費だと言えます。

変動費と固定費の分類

変動費と固定費には、厳密な分類基準があるわけではありません。

基本的には個別の会社や業種ごとに、変動費なのか固定費なのかを分類していく必要があります。

とはいえ、業種や業態によってある程度固定費と変動費の分類は定まっています。

例えば製造業であれば、下記のように固定費と変動費が分類されるのが一般的です。

  • 変動費

売上原価、支払保管料、支払運賃など

  • 固定費

通信費、広告宣伝費、減価償却費など

業種ごとに異なる基準を参考にしつつ、個別ケースごとに固定費と変動費を分類するのが重要です。 

変動費と固定費の分け方(固変分解)

では具体的に、どのようにして変動費と固定費を分ければ良いのでしょうか?

変動費と固定費の分け方としては、主に下記3種類の方法が用いられています。

ちなみに変動費と固定費を分けることは、専門用語では「固変分解」と呼ばれています。

分け方①:勘定科目法

勘定科目法とは、一つ一つの勘定科目ごとに変動費か固定費かを考えていく方法です。

実は先ほどお伝えした方法が、勘定科目法だったりします。

簡単かつ便利な分け方ではあるものの、厳密かつ正確に変動費と固定費を分類できるとは限りません。

なぜなら、固定費か変動費かはっきり分けられないものがあるためです。

分け方②:高低点法

高低点法とは、過去のデータの中から操業度(稼働時間)が最も高い点と最も低い点に着目し、その点ごとの原価を用いて変動費と固定費を推定する分け方です。

簿記の解説がしたいわけではないので詳細は割愛しますが、計算自体は慣れればそこまで難しくありません。

分け方③:最小二乗法

最小二乗法は正直詳しくないので、説明はしません(ごめんなさい汗)

数学で使うような関数を使うので、この中では最も厳密に変動費と固定費を分けられると思われます。

変動費と固定費まずはどちらを削減すべき?

会社経営を行う上で、非常に重要なのがコストの削減です。

コストを削減する際、変動費と固定費のどちらを優先的に削減すべきだと思いますか?

答えを言うと、まずは無駄な固定費から削減するのがセオリーです。

そもそも変動費は売上の増減に伴って変動する費用です。つまり変動費は、売上を得る上で必要不可欠な経費であると言えます(中には無駄なものもありますが汗)。

仮に売上高に直結する変動費を削減してしまうと、売上高まで減ってしまい、コストカットの意味がなくなってしまいます。

一方で固定費は、売上高の増減とは無関係に一定金額発生します。つまり固定費を減らしても売上高が減少するリスクは小さいです。

以上の理由からコストカットを考えたらまずは、売上高の増加に直接貢献しない「固定費」から削減するのがおすすめです。

変動費と固定費に関するまとめ

今回の記事では、変動費と固定費について解説しました。

変動費と固定費の違いを知れば、損益分岐点分析の基礎を十分理解したと言えます。

第2回の記事(下記リンク)では、 こちらも損益分岐点分析では重要な概念「限界利益」について解説します。

business-kurage.hatenablog.com

次回の記事も是非ご覧になってくださると幸いです!